広東料理「チャイナシャドー」 (CHINA SHADOW)
当店の料理長は、國田 隆 氏。
ANAインターコンチネンタルホテル東京「花梨」勤務ののちに、香港に渡り
「ワン・ハーバー・ロード」「鴻星海鮮酒家」で研鑽を積まれた方とのこと。
某日は香港旅行に備え、レッスン1。
当店の土日祝祭日限定「飲茶セット」を目当てに再訪。
当該飲茶セットは3種類。
巴烏@3,990、葫芦糸@4,725、簫@6,300 (別途サービス料10%を加算)
予約の電話をいれたところ、どれにするかは当日決めてかまわないとのことです。
入店後、ご案内を受けたのは眺めの良い窓際のテーブル席。生憎の雨空が恨めしい。
テーブル・セッティングは、ランチョンマット、ナプキン、レンゲ置き、レンゲ、
箸置き、箸(縦置き)。
過去の記録と比較すると箸の置き方が異なるぐらいで変わりなし。
着座後におしぼり(トレー置き)とメニュー各種。
飲茶セットは、チョイスできる仕組み。 「葫芦糸」(2名様より)@4,725 でお願いしました。
のちにスタッフの方から「葫芦糸」が飲茶セットの中で最も人気が高い
というお話を伺いましたが、これはボリューム的な要素によるもののよう。
なお、チョイスメニューは各自違えて注文可能で、お料理は一部を除きすべて
一皿ずつでの提供、(表記されているため)サーブ時に細かい説明があるものと
簡略のケースが混同しています。
当方では、補足し記録してますから正確さには欠けるかもしれません。
籠仔蒸三點心(本日の蒸し点心三種)
海老焼売、ほうれん草餃子、潮州式五目餃子。
艶やかな色彩に注視してしまう。
見栄えの良い点心は目を楽しませ、心も弾ませてくれるものだ。
(ノブロー) 下味はついてるで、そのままでごっちゃんになるだ。
ほうれん草は皮に練りこんだだけでなく、餡の中にも海老とともに確認。
蒸し餃子の皮は、むっちりとして吸い付きあうよう。
潮州式五目餃子の餡は、豚肉、クワイ、タケノコ、香菜などを細かく刻み
素材自体の味を活かした塩味ベース。香菜の香りが鮮烈でデリケート。
焼売は挽肉ではなく、粗く肉を叩きお作りになられているようで
食感がたくましい。ぷりっぷりの海老の上には魚卵。
是日極品點精選(本日の揚げ物或は焼き点心二種)
春巻、大根餅。
春巻の中身は海老と魚のすり身。
揚げ物のべとべととした感触はなく、あくまでもからりと。
歯を入れた際に感受できる皮のパリッ感と弾むような弾力が喜ばしい。
もう一皿、大根餅(腸詰入り)のウエットな質感に合わせたものは
風味豊かでクリスピーな揚げ干し貝柱に香味野菜。
対比するような食感のハーモニーが完成度を高めている。美味。
(ノブロー) 当店らしい、洒落たプレゼンだな。
添えられたサラダ菜に巻いて食うてもええ思うだよ。
鮑魚灌湯餃(あわび入りスープ蒸し餃子)
サーブ時には、まろやかな口当たりの赤酢もセット。お好みでとのこと。
この赤酢がかなり美味い。最後まで手元に置いていただけるようお願いした。
丁寧に作られた上湯に、まず視認できるのは、あわび、金華ハム、刻みネギ。
ここだけでも贅沢。
レンゲを入れると大きい餃子が1個、器の中にすっぽりとはまり込む
ような形でおさまっている。
中の餡は、豚肉、エビ、蟹、シイタケなどがみっしり。
いただくときは、少しずつ崩しながら、ということになりますが、餡がスープに
混じりあった際、違和感がないよう、味付け、食感などを緻密に計算して作られて
いるのだ。 そのためか、皮も柔らか。餃子というより巨大なワンタン。
調和の具合も見事なもの。
途中レンゲに赤酢を落としながらいただく。
品の良い赤酢はスープ本来の味をそこなうことなく、花の蕾が開くように
馨しく、また味覚を変えることができた。
食べ進めるにしたがいバリエーションを変え、味を楽しむことができる
贅沢三昧のスープ。連れ(寝太郎さん)とともに興奮状態です。
菜食任擇壹款(チョイスメニュー 点心)
11種類の点心の中から選択。
メニューにはありませんが、この日は特別に鶏足(もみじ)が用意できますとのこと。
特別や限定という言葉に弱い自分としては、注文リスト入り。
点心は蒸篭で卓上まで運ばれ、「お取り分けいたしましょうか?」 とお声をがけあり。
ですが、この場面では、取り皿だけいただき自分達ですることにしました。
だって、蒸篭がなくなったら“飲茶”の雰囲気なくなるもの。
「尖沙咀」さん以来久しぶりの鶏足(もみじ)。
コラーゲンたっぷりのもみじには、豆豉(トウチ)、唐辛子。ぴりっとコク甘。
豉汁蒸猪頸肉(豚トロ肉の黒豆ソース風味蒸し)
肉の食感がシャキシャキ。
豆豉(トウチ)が、もみじとかぶっていますが、味わいが微妙に違います。
晶瑩滑腸粉 配餡任擇(チョイスメニュー 中国蒸しライスクレープ)
小海老、ホタテ、牛肉、チャーシュー、五目野菜、五目網春巻の中から選択。
「巴烏」@3,990には、この腸粉がセットされていないのです。
せっかくなら腸粉はいただいておきたい、そんな場合には「葫芦糸」以上の
オーダーが必要になります。
蝦肉蒸腸粉
一つはポピュラーに小海老をチョイス。腸粉は布拉粉(折り畳み形)。
蜜汁叉焼蒸腸粉
そして、チャーシュー。
もっちりとした皮の質感は申し分ないのですが、甘みのあるタレの味が
旨味不足というか、インパクトがなく大人しい。
他店との比較になってしまいますが、ホテル内のチャイニーズレストランとしては
「驊騮」さんのエビ蒸しクレープのタレ、街の広東料理店としては「粥菜坊」さんの
腸粉のタレが印象に残っています。
さて腸粉をいただいたところで、お腹もそろそろ七・八分目。
是日推介時菜(本日のお勧め野菜料理)
2名分一皿での提供です。サーブ時にお店の方で取り分けていただきました。
野菜はロメインレタス。味付けには、ほんの少しガーリック。
やはり、炒めに迷いのない火入れ加減で、野菜の旨味を残しシャキッと豊かな歯ざわり。
シンプルですが、技量の確かさに満足度も高い炒め物です。
麺飯任擇壹款(チョイスメニュー 麺・飯)
韮黄上湯生麺(黄ニラ汁そば)
高菜入りチャーハン、香港風醤油焼きそば、五目おこわの蓮の葉包み蒸し、
黄にら入り汁そばの中から選択。
食事は取り皿、椀をいただき各自で。写真は取り分け前。
具材は根切りもやし、黄ニラ、金華ハム、刻みネギ。
私としては、正直なところあまりピンとこなかったのですが、寝太郎さんには好評。
上湯がとても上品です。
荷葉糯米雞(五目おこわの蓮の葉包み蒸し)
蓮の葉の香りがふわっと広がった。
もち米にサンドされているのは、鶏肉、塩卵の黄身、チャーシュー、干しシイタケ、
ホタテなど。もち米には、具材からの味もしみ込み、蓮の香りがしっかりついて
なかなか味は良いのですが、米質のせいか水分等の加減かはわかりませんが
若干ネチョネチョ気味。こういうものなのかな。
是日精選甜品(本日のお勧めデザート)
デザート時には中国茶のサービスあり。
メモを担当した寝太郎さんが食に走り正式名を控えるのを失念した模様。
こういうこと、たまにあります・・・。
マンゴープリンと2種のグレープフルーツジュレ(仮)として記録します。
スプーンを入れると2層状になっていて下が濃厚なマンゴープリン。
上がグレープフルーツのゼリー。
トップには、ホワイトとピンクグレープフルーツの果肉入りジュレとミント。
ジュレとマンゴーのバランスが絶妙。
甘み、酸味、果肉のフレッシュさが口の中で融合を果たし喉に落ちていく。
この出会いは素敵。 美味い ここ最近では最強のデザートだ!
終盤、フロアマネージャーさん(仮)に「本日はいかがでしたでしょうか?」
とお声をかけていただいたときにも、デザートが美味しかった旨をお伝えしたのですが
「ありがとうございます。季節も外れてしまっておりますが・・・」 とのこと。
でも、これはぜひとも定番にしていただきたいなあ。おそらく皆さんが好まれる味です。
(もちろん、あわび入りスープ蒸し餃子も素晴らしかったとお伝えしています♪)
個人的には前回のエスニック調を織り交ぜたコース料理の方が好みではありますが
上品な味わいの飲茶セットでも、ホテルチャイニーズらしくゆったりと特別感を
もって楽しめました。 ボリュームは「葫芦糸」で十分だと思います。
お酒は、生ビール(レギュラー)@1,260、(スモール)@735、白ワインボトル@5,000を注文。
ほか10%のサービス料を加算し、
お会計は、1人当たり9,000円(千円未満四捨五入)
中国料理満足度数は、★★★★(4.4) 積極的に大好きです。
《本日のお気に入り》 ・鮑魚灌湯餃(あわび入りスープ蒸し餃子)
・是日極品點精選(大根餅)
・是日精選甜品(マンゴープリンと2種のグレープフルーツジュレ)
チャイナシャドー (CHINA SHADOW)
東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー 26F
TEL 03-5783-1257
営業時間/11:30~22:00(L.O)
定休日 無休