広東料理「センス」 ディナーで再訪。
当店お正月は特別メニューになるとのことで、訪問を見送ったのですが
通常メニューに戻った1月某日、改めて誕生日ディナーです。
当店の予約は一休サイトから。
【窓際確約】グラスシャンパン付き 壮麗な景観を眼下に旬が運ぶ円熟の広東料理を
20,114円→18,000円(消費税・サービス料込)
◆利用可能人数 2名
◆来店期間 通年
◆ドレスコード スマートエレガント
メニュー内容は、サンプル メニューとして
・グラスシャンパン(お一人につき1グラス)
・自家製釜焼きバーベキューと二種くらげの冷菜
・海老 帆立貝 クチコのあっさり炒め 家鴨の塩漬け卵黄ソースをアクセントに
・タラバ蟹肉と海鮮コラーゲン 島もずく入りとろみスープ
・石垣島直送東星ハタフィレの重ね蒸し
・じっくり柔らかく煮込んだ豚バラ肉 紹興酒と黒酢の香り
・中国野菜
・自家製X.O.ソース風味の焼きそば ミックスキノコとベジタブル入り
・白玉団子入りマロンクリームミルク お汁粉風
・食後の中国茶
センスオリジナル健康茶
※メニューは仕入状況等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。
というものでした。
さっそく同店のHPを確認したところ、当該サンプルメニューは
五羊套餐 UYON 14,000円。
ここに13%のサービス料が加算されると15,820円になります。
金額のみを考えると、あれ?ちょっと高いのでは、と考えどころですが
乾杯用グラスシャンパンと食後の中国茶がセットされ、窓際確約!
また誕生日のオプションが無料でつけられる。
ということなので一休サイトからの申し込みを決めました。
センスさんではドリンクもいいお値段ですから。
一度は当店をディナータイムで利用してみたい。
2013年ランチ訪問のとき、そう強く思いました。
確約どおり窓際の2人掛けテーブル席に案内を受けると、お店の方が椅子をひき
着座後には膝にナプキンを広げてくれた。一連の流れが実にスマートだ。
窓の外には、東京の一大パノラマ夜景と冬の澄んだ空にぽっかりと丸い月が
浮かんでいる。
「スカイツリーのライティング 、冬の色かな。白っぽく見えるね。」
煌びやかな光の向こうには地平線。幻想的な構図はどこか寂しげにも映った。
椅子に添えられたクッションを整え、卓上に用意されたお品書きに目を通す。
テーブル・セッティングは、位置皿、箸置き、箸(縦置き・箸先が細くなっています)、
うすはりグラス、シャンパングラス、フローティングキャンドル。
白無地のタオルおしぼりはトレー置き。
コース料理はすべて各人ごとのポーションで供されます。
スタッフの方がテーブル脇でコースに含まれるシャンパン(ルイ・ロデレール)のボトルを
披露し、フルートグラスにサーブ。
お品書きにはありませんでしたがアミューズで、
岩手県産(花巻市)のプラチナポークのチャーシューと
北海道産の大豆にシナモンと八角を効かせ煮た豆。
さすがブランド豚、プラチナポークだけに健やかな肉質。
双方ともに品の良い味付けに仕上がっています。
しかし、店内はBAR並みに暗い。
いくら夜景のためとはいえ、せっかくのお料理を目で楽しもうにも
この暗さが弊害となる。
キャンドルを手前に引き寄せ「何か」を確認しながらのディナーです。
すいすいとグラスシャンパンを飲み干したあとは
蘭亭 陳5年(ボトル)@10,500 前回よりも背の低いグラスでのサーブ。
鴛鴦海蜇焼味錦繡碟 House-made Barbecued Meat with Jelly Fish
自家製釜焼きバーベキューと二種くらげの冷菜
今回は一皿をアーティスティックに演出するものではなく
コースを通じ統一感のある食器を用い格調高くまとめています。
仕切り皿に盛りつけた料理を左から見ていくと、
くらげは南方くらげの頭の部分を使われているそうで、スライスした
キュウリで巻かれています。ぷちぷちぷちっと響くように力強い歯応え。
脇には野菜の酢漬け(レンコン、赤・黄パプリカ、カブ、トマト)
豚バラ肉のカリカリ焼きと地鶏のロースト。
豚バラは脂がしっかり入っていますが、口の中でスーッと消えていく感じ、
皮目の処理も完璧。
地鶏もしっとりと柔らかくて申し分がありません。
写真では隠れてしまっていますが、胡桃の飴炊きも添えられています。
こちらのくらげはコリコリっとした歯応え。
脇には芽キャベツとキュウリを塩とゴマ油で和えもの。
ランチでいただいたときとほぼ印象が変わらず、それぞれに箸をつける楽しみあり。
黄金七彩炒海中寶 Stir-fried Prawns, Scallops, and Sea Cucu
mber with Salted Duck Egg Yolk Sauce
海老 帆立貝 クチコの炒め 家鴨の塩漬け卵黄ソースをアクセントに
付け合せは、スナップエンドウ、カリフラワー、パプリカ、紅芯大根、百合根、キノコなど。
具材への火入れも妙妙たるもの。
上品でコクの深い塩漬け卵黄ソースを絡め口に運ぶと、素材の旨さを活かした
ソースの完成度の高さに驚く。 思わず顔がほころぶ美味しさです。
(ノブロー) オラ達も参加しているんだけんど、暗くて写り悪いで1枚だけだ。
クチコはナマコの卵巣だで。旨いよ。
海雲海膠絲羹 Thick Soup with King Crab Meat and Seaweed
タラバ蟹肉と海鮮コラーゲン 島もずく入りとろみスープ
サーブ時にはレンゲと「お好みでどうぞ」 と赤酢、辣油がセット。
もずくは沖縄産の太いもずくを使用。 クコの実、金針菜、キノコなども確認できた。
とろみのついたスープは上湯ベースの醤油味。
口に含むと海藻の香りが広がり、胃袋をじ~んと包み込むように深い味わい。
はじめは、そのままでいただいていましたが、赤酢、辣油を試してみたところ
このスープには辣油が合うように思います。
と言うのも、街場で焼餃子を食べるときに使うあのラー油とは異なり、
当店のものは上品でまろやかな口当たり。
イメージ的には“エキストラヴァージンラーユ”
この味は自家製でしょう。
もちろんスープにドバドバ投入せず、すくったレンゲの中でのちょい足し。
最初は、それはないであろうと思っていた連れ(寝太郎さん)とも意見が一致。うんまい!
玉樹麒麟東星斑
Sliced Ishigaki Star Grouper and Chinese Ham with Premier Clear Broth
石垣島直送東星ハタフィレの重ね蒸し 金華ハムの香り漂う上湯ソースと共に
石垣島産の東星ハタフィレに金華ハムを重ね蒸したものになりますが、
スペシャルなことにスライスした鮑とハクレイダケも入っていました。贅沢。
私は金華ハムに酸味を感じたのですが、寝太郎さんはそれほどでもなかったみたい。
丁寧に仕上げた上質な上湯ソースとともに味わうと、調理法のシンプルさが
素材の持ち味を引き出してくれるよう。 滋味豊かです。
鎮江蒜香五花腩 Braised Pork Belly
じっくり柔らかく煮込んだ豚バラ肉 紹興酒と黒酢の香り
まあ、ザッハトルテ?!
艶やかに光る2切れの豚バラ肉に目を見張る。美しい。
トップに金箔でもデコレーションしたいぐらいのエレガントさ。
黒酢は鎮江香酢を使用され甘ったるさのないシャープな大人味。
じっくり柔らかく煮込んだと言うだけあって口に含むとふわっ、とろっ。
喉を通過していくときに感じる脂の旨味やソースの味がひと味違う。
肉質も良いのでくどさを残しません。
是日合時蔬菜 Seasonal Vegetables
本日の中国野菜
広東白菜のニンニク炒め。
素材はふっくら甘みあり。食感を残し品よく味の加減をまとめている。好好味!
このあたりのタイミングでおしぼりの差し替えがありました。
X.O.醤香菰炒麵 Wok-fried Noodles with Mixed Mushroom and House-made X.O. Sauce
自家製X.O.ソース風味の焼きそば ミックスキノコとベジタブル入り
香港麺を使った焼きそばで細長くカットした具材には肉類が一切入りません。
あまりに暗くてぱっと見ではわからなかったのですが、トップには錦糸玉子。
スタッフさんはこの暗さに対応するためペンライトを携帯。
私達がお酒を別注文する際には、メニューを照らしてくれました。
さて、料理は自家製X.O.ソースでの味付け。
品の良さの中に大衆的なテイストを組みいれた巧妙な味わい。
当店らしい味の構築です。
後半には爪楊枝の提供あり。
食後の中国茶
テーブル脇のティーウォーマーにポットが置かれました。八宝茶です。
甘ったるさが先行せずになかなか美味い。
同時にテーブルにも木製のレンゲ、フォークをセット。
良郷栗子露湯圓 Sweet Chestnut Cream with Rice Dumplings
白玉団子入りマロンクリームミルク お汁粉風
白玉団子の中の餡は和栗かな? 安らぎの甘さのお汁粉。
ナチュラルな味わいは、好感度を高めるものでした。
誕生日のオプション
美しいプレゼンテーション。
このオプションの皿は誕生日の主役である主に私に、ですが、
寝太郎さんにも別皿で3種類いただけました。
あ、ロウソク1本の年齢密度は凄いものですよ。
そのロウソクがささっているのがエッグタルト。
ほろっとしたタルト生地に玉子の風味の効いた甘すぎない味わい。
ほか一口サイズの馬拉糕(マーラーカオ)、タロイモのパウンドケーキ、
黒ゴマのお餅、龍髭飴(ローソートン)。
これが龍髭飴(ローソートン)。飴菓子の一種。
繭のような形状でさくっと割れます。口に含むと細い髭のような外側は
ほんのり甘くて溶けていくよう。中には小さく砕かれたナッツ。 好味!
食事を終える頃には、窓の外に見えていた月の位置がすっかり高くなっていました。
厳選した素材を扱い、丁寧に仕上げた新広東料理。
円熟したコース料理の数々には、今回も甚く感心させられましたが、
ともかく私はあまりに店内が暗くて疲れた。
そうしたことが影響しているのか、初回ランチの印象が清々しく目にも舌にも
新鮮だったためか、私の中で少し色あせたように感じてしまいました。
お会計は別注文のお酒にサービス料13%が加算され、
1人当たり24,000円(千円未満四捨五入)
個人的には昼のセンスさんが好きです。
中国料理満足度数は、★★★★☆(4.6)
センス
東京都中央区日本橋室町2-1-1 マンダリンオリエンタル東京 37F
TEL 03-3270-8188
営業時間/ 11:30~14:30 ランチ 17:30~22:00 ディナー
土・日・祝 11:30~16:00 飲茶ランチ
定休日 無休