「台湾屋台 阿Q麺館」
南砂町駅下車。葛西橋通りに出てひたすら葛西橋に向かい歩き進めた通り沿いに
面しているのだけれど、この道のりがけっこう長い。
この先に飲食店が現れるのかと不安になりながら、歩くこと10分強。
ようやく到着すると、店頭のガラスにはメニューがところ狭しと張り出され、陽気な外観。
飯友さんとの会食で現地集合。一足早く着いたので、入店すると、
店内は奥に細長い造りで、屋台村の提灯が下がり肩の凝らぬ雰囲気だ。
「どこでもどうぞ」
店の快活なママさんの言葉を受け一番奥の4人掛けテーブル席に着く。
さらに、この奥は食材が保管されている倉庫になっているようだ。
卓上には調味料と爪楊枝、紙ナプキン。箸は、箸箱に収納されている。
ほか、好みで使える辛味調味料。酸味を伴う刺激的な辛さで塩っ辛い。
当店、メニューはもらえたが、おしぼりはなし。
気になる方は化粧室前に独立した洗面台があり、手を洗えるのでそちらでどうぞ。
飯友さんの到着で、メニュー選び。
当店は創業1977年の台湾の人気店「阿Q麺館」(台北松山空港近く)の日本進出店。
ママさん(台湾人)の話によると、夜は300円均一の料理から3品チョイスし
ビール一杯とセットできる「ちょい飲みセット」@1,180もオススメだという。
2人だから、これなら料理を6品食べれるしお得感があって嬉しいわ。
しかもビールも選べるのだ。おまけに飯友さんは台湾梅酒を選んでいたがこれも認められた。
親切なアドバイスを受けられ、幸先のよいスタートを切る。
菜脯(切干ダイコン卵焼き)単品で@300
もちろん300円均一なのでポーションは少ない。
しかし、ちょこちょこつまみたい食いしん坊にはこれで適量。飽きるほど食べては後が続かないよ。
フライパンで手早く焼いてくれたのかな。茶色の焼き目が家常的な安心感を与えてくれる
卵焼きは切干ダイコンのほかにネギも参加し、もったいぶらない美味しさを提供。
タラ魚肉団子スープ 単品で@300
2人でシェアしているので一人2個。
ぷりっと弾むような弾力のある魚肉団子にぐっと歯を入れ噛み千切る。
中に肉餡を期待していたけれど、すり身のみのスタイルで淡泊な味わい。
スープにちらちら肉が浮いているので、味のバランスは整っているように思う。
燙青菜(茹で野菜)単品で@300
野菜は何かと尋ねると台湾にしかない野菜とのお答え。
あっさりいただけ、味も悪くない。歓迎したい1品だ。
香腸肉(台湾ソーセージ)単品で@300
「これ、人気です」とママさん。
スパイス加減も丁度良いので食べやすく、添えられた刻みネギが薬味として活躍する。
6品チョイスの際、この日、蘿蔔糕(大根餅)がないため
「明日の宴会料理で使うの、できたばかりの料理あります。良かったら。」
と嬉しい提案を受けられ、宴会のお客様のおこぼれに与ることが出来ました。
紅焼猪脚。豚足をじっくりと醤油味をベースに煮込んだもので、上には刻みネギと香菜を配置。
骨を掴んで、ツゥルンツゥルンのコラーゲンを摂取。うんまい。私は好きだな。
「台湾人は誕生日、食べる習慣があります。お祝いの料理、あと牢屋から出てきたときも。
すごく運が悪いから、豚足食べると運が良くなる。」
フレンドリーなママさんは台湾の文化についても教えてくれるので、自分たちも初回とは
思えぬ気安さで寛げてしまうのだ。
「あと、もひとつ量が少なくても大丈夫ですか?」
こちらも明日の宴会料理からのおこぼれ。
牛肚(ハチノス)を使った辛味和え。きちんと下処理されているので、臭みなし。
以上6品が、「ちょい飲みセット」でチョイスした料理及びママさんのご厚意により
提供してもらえた宴会料理からの一部で、全て300円での計算ですが、
値段以上のクオリティで満足度も高く、これは超楽しい。
肉圓@580
「忘れてた!もう一つ裏メニューがあります。ばーわん」
肉圓は、お祝いのとき、必ず出すものだそう。
二つ返事でお願いすると、奥の倉庫から取り出してきて調理してくれた。
香菜を頂に、甘いミソのようなタレがけスタイル。
サツマイモ粉(地瓜粉)などで作ったぶよぶよもっちり食感の生地の中には
カットした肉をはじめとする具材が包まれています。
台湾の人はこの食感好きなのかなあ。
蚵仔煎で遭遇する地瓜粉や浮き粉の入ったもっちり食感の不得手な自分には、
あまりときめかぬものですが、素朴で味は悪くありません。
この味が当店でいただけること自体喜ばしいものかと思います。
清蒸魚@1,000
醤油ベースのタレに調味にはニンニク、唐辛子、豆鼓を使用。
白身の魚はカレイとのこと。
注文しておきながらですが、食べるものがなければ別ですが、ここではあえて清蒸魚を
頼む必要はないと思う。興味深いお料理は他にもあるしね!
麻辣花生
唐辛子と山椒入りのスパイシーピーナッツはお店からのサービス。
さて、その興味深い料理は〆の食事にもあります。
サバヒーは、台湾中南部ではポピュラーな大衆魚。現地(台南)では屋台の朝ごはんとして
親しまれてるもので、当店ではお粥でいただくことが可能です。
虱目魚粥@780
煮玉子はオマケしてもらえました。味がしみてて美味い。多謝。
取り碗もきちんといただけました。
サバヒーの旨味の出たスープには葱が散らされ、生姜が効果的に働き生臭さはなし。
細かく切った切り身もたっぷり入って、味に嫌味がないからさらさらとお茶漬け感覚で
違和感なくいただけます。これは現地でも試してみたい味だ。
ママさんが見せてくれたのだけれど、当店が掲載された雑誌によると
一押しは牛肉麺とのこと。
となれば、初回はマストで押さえたい。
牛肉麺@880
八角がほんのり香る牛肉麺には青菜と刻みネギ入りの台湾味。
「麺はもしかしたら台湾より美味しいかも♪」と話好きの明るいママさん。
「出来れば、刀削麺が一番いい、でも私削れないし、専門店じゃないから。」
某製麺会社に行きつくまでは苦労があったようだが、特注の白い麵は、表面はなめらかで
(台湾の麵より)芯にきちんと硬さがある。
適度な歯応えを残した肉を頬張りつつ、麺をすすり上げる。
媚びたところがない味だからどんどん箸が進むし、また好感度も高い。
豆花
後半には、ママさんの旦那様(日本人)もいらして、お店が1周年目を迎える節目に
あたるのでと豆花もサービス。これが驚きの美味さ。
しっとりホクホクした茹でピーナッツと黒蜜の効いた甘いスープをいただいた瞬間に
「古早味豆花」さんで食べた、あの日の記憶が鮮明に思いだされた。
この豆花は現地の味そのものですよ。
黒くて粒の大き目のタピオカといい、通常では300円で提供されているようだけれど、
どこよりも本場味なのにこのお値段は奇跡的。必食をオススメしたいデザートです。
酒はほかにホッピーセット@380×2となかのお替わりを数杯。
お会計は、1人当たり3,000円(千円未満四捨五入)
当店はかなりおすすめ
最寄り駅からも遠く、決してアクセスの良い立地ではありませんが
台湾料理が好きな方々は早々に注目し、妥協しない台湾味を目当てに(お客様の)中には
遠くからわざわざ足を運ばれる人もいます。
私もこれまでいただいた料理で、当店の味に信頼を寄せれたため、お土産に
肉粽(小)@300を3個購入。聞くと茹でるのではなく、蒸すタイプなんですって。
そして、話によると、台湾も北と南では作り方が違うとのこと。
南はピーナッツが好きで料理にちょこちょこ入るらしいから、台北出身のママの店では
ピーナッツ抜きかな。後日レポしますね。
台湾屋台 阿Q麺館
東京都江東区東砂7-10-12
TEL 080-4341-0066
営業時間/ 11:00~14:00 17:00~22:00
定休日 月曜日 -店舗情報「食べログ」より-