上着もセーターもいらないほど暖かい。そろそろ長浜のさくらも散りだした。それでも霞たなびくようなピンクの色はうつくしい。あら?何の花?と思うとさくらがそのまま散っていた。春爛漫とかこのことのようだ。
琵琶湖畔に出かけるつもりはなかったが、駅近くまで出かけたので、やはり琵琶湖へ行ってしまった。いつもと違う入り口から入り、人が入らないようなところを歩いた。石畳というのだろうか、石の上を歩く。植物は芽を吹きだしている。すごいエネルギーを感じる。草むらに昨日餌をねだりに来た猫がいた。昨日とは違う目つきで「何しに来た!」という感じだった。「ごめんなさいね、邪魔をして」という感じだ。その先の岩の陰には鳥たちがいた。「本当に邪魔して!」という感じで9羽くらい湖へ出て行った。これも「ごめんなさい」だった。
これが本当の世界なのではないだろうか?人間があとから入ってきて自然界を我が物顔にしたのではないだろうか。さくらの向こうに広がる大きな宇宙を感じる。こんなにものびやかに生物は暮らしているのだ。
コロナウイルスの流行に関して、「人類への警告」と表現した人がいた。むずかしいことはわからない。冬を耐えて、エネルギーを爆発させている植物。ひとは自然を忘れていたようにも思う。小さなちいさないのちが今、芽生えていた。