フランス映画「危険なプロット」を観た。
高校のフランス語教諭ジェルマンは宿題に出した生徒の作文を添削するのだが、その稚拙さににうんざりぎみ。そんななかで一人クロードという少年の書いた作文には引き付けられる。内容はクロードが得意の数学を教えるという目的で級友のラファの家にしげく通うようになり、ラファの両親を含めた一家の日常を観察し、それを描いたもの。初めはその文章の巧さに引かれたジェルマンだが、次第にラファ一家のプライバシーを覗き見ることに興味が移り、続編を書くことを要求するようになる。
クロードもその期待に沿って書き続けるが、次第にその内容が事実なのか妄想なのかわからなくなっていく。しかしジェルマンはますますのめりこんでいき、そのうちにジェルマン夫婦の関係や、ラファの両親の関係までおかしくなっていってしまう。
一口で言えば大人が16歳の高校生の作文に振り回されるというストーリーなのだが、観ている方は、そんなにクロードの作文が大したものとも思えず、こんなことが映画になるのかと不思議に思いつつも付き合うことに。しかしフランス語の響きが耳に心地よいのか、終盤になり不覚にも眠りを誘われ気づいたらエンドロールが流れていて、結局どんな結末になったのかわからないまま映画館を後にしたのだった。