美術館「えき」京都で開催中の新版画展を観てきた。新版画とは大正から昭和にかけて創られた原画、彫り、摺りが分業の作品を指すらしい。山の水彩画をよく描いている吉田博の作品も出ているとのことで期待したのだが、富士山のものが多くて他の山の作品は少なかったのが残念だった。
微妙な日本的な色遣いは、描く、彫る、摺るのそれぞれの力量による集大成だろうが、版画の場合なぜか原画を描いた人だけがアーティストであとの2人は職人扱いであまり陽が当たってない気がする。個人的には彫る作業が一番大変そうに思えるのだが。
今回の精緻な絵のような版画もあれば、自画自刻自摺で荒々しい彫刻刀の跡などを残す、例えば棟方志功などのようなものもある。ひと口に版画といっても多様な表現方法があるものだ。
それにしてもこのくそ暑い時期に京都の街の観光にやってくる国内外の人が多いのには驚かされる。人波を観ていると余計暑くなるので観終わったらさっさと退散させてもらうことに。