今日も天気はあまりよくない。雨が降らなければよしとしよう。
バスで高千穂河原へ行き、そこから高千穂峰に登る。霧島神宮古宮址の森を抜け、しばらくは緑鮮やかな気持ちのいい道を歩いていく。このルートは幕末に坂本龍馬とおりょう夫妻が登ったことで有名。日本で最初の新婚旅行なのだそうだ。
森を抜けるとそこからはガレ場の上りとなる
急登を登りきって馬の背に出たとたん強風となる。火口のふちを歩く御鉢歩きだが、ガスガスで火口の底は全く見えない。風にあおられて落ちないように気を付けなければ。御鉢の縁を抜けいったん鞍部まで下りると風はピタリと止まり岩場を上り返す。
岩にへばりついて咲くツツジ
少しだけ斜面のツツジも見えてくる
2時間ほどで頂上に着く。ガスに包まれて眺望はないが天の逆鉾だけは何とか見える
晴れていれば眺めがよさそうだが
しばらく待ってもガスは上がりそうに思えないので下山。鞍部まで下りてきて昼食を食べて振り返ると少しだけ頂上付近が見えてきた
往きには見えなかった火口が帰りにははっきり見えたのは幸運だった。よく見るとなかなか大きな火口だ。
ガレ場の下りを注意深く下り高千穂河原に戻るとそのころには頂上付近が見えるようになっていたのだった。
火山活動が活発で立ち入りが制限されている新燃岳を中心とする霧島連山では、どこも火山の爪痕がはっきり見られて迫力十分だ。活動が始まれば大地が陥没したり、反対に隆起したり、自然のエネルギーは驚異で恐ろしくもある。その爪痕を間近で見て今さらながら地球は生きていることを実感した今回の山旅だった。