以前観た「馬々と人間たち」という映画の舞台となったアイスランドという国がなかなかおもしろかったので今回また、アイスランド映画を観てしまった。今回はヒツジをめぐるお話。
グミーとキディの兄弟、歳は70歳ぐらいか、兄弟とも堂々たる体格とヒゲの持ち主。隣同士の牧場で2人とも羊を飼っているが仲が悪く40年間、口をきいていない。何か連絡があるときは牧羊犬に手紙を持たせて使いに出している。
そんな2人だが、羊への愛情、情熱は強く、羊の品質を争うコンテストでも1位、2位を分け合っている。ところがコンテストで優勝した兄の優秀な羊が病気にかかっていることがわかる。そのままでは村中の羊に感染が広がる恐れがあるため村中の羊の殺処分が行われる。しかし弟の方は密かに何頭かの羊を地下室に隠し飼育を続けるがある日そのことに兄が気づく。そのとき仲の悪い兄弟が取った行動とは・・・。結末が気になってけっこう一生懸命観ていたら「これで終わり?」という終わり方をしてしまったのが少々物足りなかった。
クリスマスに弟のグミーがきちんとネクタイをして、部屋にはキャンドルを灯して自分で料理した夕食を一人で食べるシーンがある。ごく一部の人を除いて商業的なクリスマスにしか縁のない日本とは違い、なんとも宗教的で素朴なクリスマスの祝い方があるのだとあらためて気づかされた。ヒツジの殺処分という重いテーマで羊飼いたちの苦悩や戸惑いが描かれるなか、少しホッとして暖かい気持ちになれた印象的なシーンだった。
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