井上ひさしの「四千万歩の男」を読んで以来伊能忠敬のファンになった。神戸市立博物館で伊能忠敬展が開催されるということなのでこれは観に行かねば。
歩くことが趣味の人間にとって伊能忠敬は特別な存在だ。家業を息子に譲った50歳から天文学、測量学を学び、日本中を実際に歩いて測量し今とほとんど変わらぬ正確な地図を作製したのだから感嘆に値する。ただ実際に忠敬が作り幕府に献上されたいわばオリジナルの地図は明治になってから火災で焼失してしまっているそうだ。今回は各地の大名の求めに応じて作られた絵図の展示だった。
それでもこの時代コピー機があるわけでなし、すべて人力で作成されたわけなので驚くべき手間暇がかかっている。複雑な海岸線が描かれ地名も細かく描かれているのだが、展示物の保護のため照明が暗く、しかもガラス越しの遠い距離で観ると細かい地名などは判別が難しいのが残念だった。
弟子たちや地方の役人との人間関係に悩むこともあったようだ。さらには年齢、持病とも闘い、歩き続けた忠敬さんにただただ感服。決して大きな人ではなかったようだが測量のため69センチの歩幅を維持して歩いていたそうなのでせめてその歩幅を意識して散歩してみることにしよう。
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