ロッコさんの散歩

街を歩く。近くの山に登る。店に入って安くておいしいものを食べる。掘り出し物を見つける。それが散歩の醍醐味。

舟を編む

2013年05月13日 | 映画

 

最近おもしろい映画を観ていなかった。今回もあまり期待はしていなかったが意外におもしろかった。話は辞書編纂にまつわる物語。

出版社の中でももっとも地味でおそらく人気のない辞書編纂業務に白羽の矢を立てられた人間関係の苦手な青年が主人公。適材適所で水を得た魚のように仕事に没頭、その間なんとか周囲の人間との関係も取れるようになり、恋愛、結婚もする。

何十万語にも及ぶ言葉に解釈を加え、用例を作り、校正を重ねていくしらみつぶしのような膨大で単調な作業が描かれる。そしてその大仕事を成し遂げ、15年かけて上梓にこぎつけるまでの主人公の成長物語でもある。

以前、三省堂の国語辞典「新解さん」がそのユニークな語釈で話題になったことがある。一見、地味で没個性のような辞書にも編集者の個性が強く反映されていることをあらためて思い出した。

辞書はことばの海に漕ぎ出す舟、そしてその名が「大渡海」って、なんだかいいなぁ。


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