■ストーリ
世界を舞台に活躍する著名なオーケストラ指揮者ダニエル。
彼は過酷な公演スケジュールとプレッシャーの中、病のため
第一線を退くことになり、生まれ故郷の小さな村に戻った。
音楽にはもう関わらないと決めていたダニエルだったが、
ある日、地元の聖歌隊の指揮を依頼される。心から音楽を
愛する彼らの心に触れ、ダニエルは音楽の素晴らしさを
思い出していく。
一方、それぞれの人生に様々な問題を抱えていた村の聖歌隊
メンバーも、ダニエルと過ごす日々の中で変わろうとしていた。
■感想 ☆☆☆☆☆
「歌う」ことと「書く」ことはどこか似ている。
自分の中の思いを外に吐き出すところ。
自分自身と向き合わざるをえないところ。
どこかもやもやしたものを形にするという作業。
普段は何の気なしに聞いていた曲を歌うことで
初めて歌詞の意味に気づくように。
楽しかった出来事を書くことで、何が楽しかったのか
どう楽しかったのか、なぜ楽しかったのかが
具体的につかめてくるように。
どちらにもその行為自体にカウンセリング機能が
あるのだと思う。
だからダニエルは村人たちに対して、
歌い方の指導なんてしない。
抱えている問題にもアドバイスなんてしない。
彼はただこう伝える。
「よく聴くんだ。」
「自分の声(トーン)を掴むんだ。」
そう、自分の人生を他人がどうにかしてくれるわけがない。
どんなに辛くてもどんなに迷っていても
自分で自分の人生を掴むしかない。
そのためには、自分が何をしたいのか
自分自身に問いかけ、心に耳をすますしかない。
心の奥底に眠っている自分も気づいていない望みを
はっきりと自分で掴み取るしかないのだ。
コンサートで夫から暴力を受けているガブリエルは
ソロで歌うことになる。自分に自信がなく
夫に暴力を受けても抵抗できなかった彼女が
高らかに歌い上げる曲は、強くまっすぐ私たちに訴えかける。
「私の人生は私のもの
生きてる喜びを心から感じたい
私はそれに値すると誇れる人間だから」
色々と悩んで泣いてわめいて人とぶつかって
すぐに問題が解決するわけではない。
問題は自分だけで解決できるわけではないから。
人はひとりで生きているわけではないから
自分の声を掴めてもすぐに美しいハーモニーが
できあがるわけではない。不満は常に人の胸の中に
くすぶっている。
だから人は歌うのかもしれない。
自分の声(望み)を人に訴えるために。
だから私たちは聴かなければいけない。歌いながら。
周囲の人はどんな声(望み)かしら?と真摯に。
ラストの合唱は圧巻。
これはぜひ映画館で見て欲しい。
部屋で見るならば可能な限り音を大きくしてみて欲しい。
人の声には大きな力がある。
ひとりではなく多くの人の声と重なれば重なるほど
その力は強く美しくなる。
世界を舞台に活躍する著名なオーケストラ指揮者ダニエル。
彼は過酷な公演スケジュールとプレッシャーの中、病のため
第一線を退くことになり、生まれ故郷の小さな村に戻った。
音楽にはもう関わらないと決めていたダニエルだったが、
ある日、地元の聖歌隊の指揮を依頼される。心から音楽を
愛する彼らの心に触れ、ダニエルは音楽の素晴らしさを
思い出していく。
一方、それぞれの人生に様々な問題を抱えていた村の聖歌隊
メンバーも、ダニエルと過ごす日々の中で変わろうとしていた。
■感想 ☆☆☆☆☆
「歌う」ことと「書く」ことはどこか似ている。
自分の中の思いを外に吐き出すところ。
自分自身と向き合わざるをえないところ。
どこかもやもやしたものを形にするという作業。
普段は何の気なしに聞いていた曲を歌うことで
初めて歌詞の意味に気づくように。
楽しかった出来事を書くことで、何が楽しかったのか
どう楽しかったのか、なぜ楽しかったのかが
具体的につかめてくるように。
どちらにもその行為自体にカウンセリング機能が
あるのだと思う。
だからダニエルは村人たちに対して、
歌い方の指導なんてしない。
抱えている問題にもアドバイスなんてしない。
彼はただこう伝える。
「よく聴くんだ。」
「自分の声(トーン)を掴むんだ。」
そう、自分の人生を他人がどうにかしてくれるわけがない。
どんなに辛くてもどんなに迷っていても
自分で自分の人生を掴むしかない。
そのためには、自分が何をしたいのか
自分自身に問いかけ、心に耳をすますしかない。
心の奥底に眠っている自分も気づいていない望みを
はっきりと自分で掴み取るしかないのだ。
コンサートで夫から暴力を受けているガブリエルは
ソロで歌うことになる。自分に自信がなく
夫に暴力を受けても抵抗できなかった彼女が
高らかに歌い上げる曲は、強くまっすぐ私たちに訴えかける。
「私の人生は私のもの
生きてる喜びを心から感じたい
私はそれに値すると誇れる人間だから」
色々と悩んで泣いてわめいて人とぶつかって
すぐに問題が解決するわけではない。
問題は自分だけで解決できるわけではないから。
人はひとりで生きているわけではないから
自分の声を掴めてもすぐに美しいハーモニーが
できあがるわけではない。不満は常に人の胸の中に
くすぶっている。
だから人は歌うのかもしれない。
自分の声(望み)を人に訴えるために。
だから私たちは聴かなければいけない。歌いながら。
周囲の人はどんな声(望み)かしら?と真摯に。
ラストの合唱は圧巻。
これはぜひ映画館で見て欲しい。
部屋で見るならば可能な限り音を大きくしてみて欲しい。
人の声には大きな力がある。
ひとりではなく多くの人の声と重なれば重なるほど
その力は強く美しくなる。