のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ナルニア国をつくった人―C.S.ルイス物語

2006年01月31日 21時27分38秒 | 日常生活
■内容
 「ライオンと魔女」、「カスピアン王子のつのぶえ」・・・。
 時代や世代を超えて世界中の人々に愛されてきた『ナルニア国物語』は
 どのようにして生まれたのか。著者C.S.ルイスはどんな人だったのか。
 動物の国や別世界への憧れを育んだルイスの少年時代の家や
 アイルランドの風景、『指輪物語』の著者J.R.R.トールキンを
 はじめとする深い友情で結ばれた仲間たち、熟年になってからの愛と
 愛する者の死―。貴重な写真と美しい訳文で、ルイスの生涯を綴る。

■感想 ☆☆
 ナルニア国物語は大好きな物語です。
 小学六年生のときに初めて出会い、貪るように読み、
 私のキリスト教観は、この作品から大きな影響を受けました。

 壮大なナルニア国物語の世界に関する入門書や解説は
 多いものの、作者についてはまったくといっても知らず。
 今回初めて、C・S・ルイスに目を向けました。
 前半はごくごく普通の成功譚。
 大好きなナルニア国物語の世界を決して崩すことない
 品行方正なルイスの生き方にほっと一安心しました。

 しかし、熟年になってから出逢う生涯唯一の人との恋は
 それまでのルイスの生活を一変させます。
 映画化されたというのも納得のドラマチックな恋愛。
 離婚を許さなかった当時のキリスト教社会でバツ一女性と
 知り合って、恋に落ちて、結婚してしまうルイス。

 伝記なのでまったく感情移入を許さない文章ですが
 そして節度ある大人らしく大変ぼやけた描写の仕方を
 していますが、それでもいかに大恋愛だったかが
 伝わってきます。

 生涯でただ一度の恋とその人との別れ。
 別れの後の失意。そして、失意から立ち直った後に
 更に感じる神への愛。

 彼の一生には一本の道筋、ペクトルがきちんとあって
 それから大きくそれることなく、正しく生きていく。
 その強さと大きさに改めて惹かれました。

 ナルニア国物語の最終巻「最後の戦い」は
 彼が愛した女性がなくなった頃に書かれたものだそうです。
 そういったことを踏まえて、改めて読み返すと
 また新たな感慨にふけることができそうです。