のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

姫ツナガリ

2008年01月31日 22時21分35秒 | 日常生活
手袋を片方、なくしました。

長年気に入って使っていた手袋をなくしたのが一昨年。
とりあえず、寒さをしのぐためだけに購入した手袋を
「それ軍手じゃなかいの?」といわれたのが一昨年の終わり。
ち、ばれたか。軍手にしてはオサレなんだけどな。
100円ショップ購入だけど。
と納得して、ややグレードアップした
それでも寒さしのぎだけの手袋を購入したのが昨年のクリスマス前。

寒さしのぎだけで購入した割にはかわいらしく
愛着もわいてきた今年の冬、愛用しすぎたのか、
手袋から手のひらの肌色が透けて見えるほど毛糸が薄くなっており
本格的に「お気に入りの手袋」を探すモードになっていたお正月。
初売りにて「これだ!」と思った手袋に出会い、
一目ぼれのような勢いで、購入しました。

そんな運命の出逢いを果たした手袋を
購入して一ヶ月で早速、なくすとは・・・・。
物をなくすことに慣れているため、
普段はあきらめの早いのりぞうにしては珍しく、
片方しかない手袋を握り締めて、もう片方の手袋を捜索します。
手袋をなくしたのは熊本出張の日。
乗った高速バス、地下鉄、通った天神地下街、立ち寄った本屋
すべての箇所の忘れ物センターに電話して、
手袋の忘れ物がないかを尋ねます。
が、「茶色の手袋はみあたりません」とのこと。

危うく、「何色の手袋ならありますか?」と尋ねて
寒さしのぎのためにも、何でもいいから手袋を手に入れようかしら?
という誘惑に駆られましたが、浮気心を抑えて(という問題ではナイ)
しょんぼりと電話を切りました。

・・・たまに運命の出逢いを果たしてみれば
すぐに別れることになるなんて。
なんだか暗示的な結末がイヤだわ。
と、ネガティブモードで世を儚んでいると、
一昨日、訪れた熊本の会社の部長が
「この前のお礼。わざわざ来てくれてありがとう。」
とチョコレートをくださいました。

あの日は諦めたチョコレートをこんな形で手に入れられるとは。
人生、捨てたものじゃありません。

「あ、一応、ネーミングにこだわりを持って買ってきましたから。
 そこにこめてる敬意を汲み取ってね。」
といわれ、しげしげとパッケージを見直します。

なに?なに?「姫のショコラ」?
あら☆姫?
この「姫」が部長のお気持ちですか?ありがとうございます♪
お気持ち、しっかりと受け取りました♪嬉しいです♪
と、ネガティブモードから一気にポジティブモードへ。
にこにことしながらチョコを頬張っていると、
一昨日、打ち合わせをした方からも電話がかかってきました。

「先日はありがとうございました。
 本当に助かりました。
 でもですね。今日は、お礼を伝えることが目的じゃなくて
 あ、勿論、お礼も言いたかったんですけど!」
と、あたふたするお相手。
・・・もしもーし?ご用件はー?

「あ!!実は、忘れ物がないかを確認したくて電話したんです。
 のりぞうさん、手袋を片方、なくしませんでした?」


・・・・きゃーーーーー!!
ビンゴーーーーーーーーーー!!
なくしました!なくしました!!それ、ワタクシのです!!

「あ。よかったー。
 実はタクシーの運転手さんが届けてくれたんですよ。」

なんと。
あの素敵な運転手さんが?
わざわざ届けてくださるなんて、やっぱり素敵!
それにしても、本当によかった。
あきらめずに探していれば、やはり執着心がどこかにつながるんですな。
と大喜びで感動を伝えていると、打ち合わせ相手の方が
電話の向こうでにこにこしながらおっしゃいました。

「片方なくすだなんて、まるでシンデレラですね。
 手袋だけど。」

本日、のりぞうは姫気分を満喫中。

ゼブラーマン/2003年日本

2008年01月31日 21時42分02秒 | 映画鑑賞
4.ゼブラーマン
■ストーリ
 舞台は2010年。生徒からも家族からも疎まれる冴えない
 小学校教師・市川は32年前に低視聴率のため、僅か7回の放送で
 打ち切りとなった「白黒つけるぜ」が決め台詞の特撮ヒーロー
 「ゼブラーマン」のコスプレという特異な趣味を持つ。
 その頃、市川の住む地区で、地球征服を目論む宇宙人による奇妙な
 事件が続発。ひょんなことから市川は憧れのゼブラーマンに扮し、
 その宇宙人たちと戦うことになる。
■監督:三池崇史
■脚本:宮藤官九郎

■感想 ☆☆☆☆
 B級テイスト満載の予告を見たときから、期待していた作品。
 期待通りのB級テイストと期待以上のストレートなメッセージ性で、
 予想以上に楽しめた。予想以上に胸を打たれた。

 「信じれば、人は変われる。」というありふれたメッセージ。
 けれども、自分を信じるためには、自分の力だけではダメなのだ。
 自分を信じてくれる人の存在があって始めて、人は自分を信じることが
 できるのだと思う。自分を信じてくれる教え子の存在と、彼の必死の
 訴えによって、奇跡を起こす市川の姿には「ありえない」と突っ込みを
 入れつつも、清々しい気持ちにさせられた。

 宮藤さんらしく、作品にこめられたメッセージを声高に、マジメに
 伝えることはない。まして、熱く語ることもない。けれども、
 彼の思いは確実に伝わってくる。マジメに語っているわけではないのに、
 随所でくすりと笑いながらも、思わずマジメに見入ってしまう。

 普通の、いや、普通以下のさえないおっさんを見事に演じている
 哀川さんが見事。最初はただのコスプレオヤジだった主人公を
 冴えないときですら、魅力的に演じている。
 例えば、夏の暑い日にコスプレの洋服を自分で作っている主人公。
 コスプレを楽しんでいるうちに、ついつい外に出かけていきたくなる主人公。
 「ゼブラーマン」ファンの教え子にコスプレを見せたくなって
 夜に出かけていく主人公。どれもこれもコミカルにかわいらしく演じている。
 また、悪の現場にかけつける場面。
 運動不足が一目で分かるよたよたとした走り方の彼は、
 正直、情けない印象を与える。けれどもその情けなさがかっこ悪くはない。
 その不器用な走り方に、思わず応援したくなる愛すべきヒーローを
 演じあげている。
 その「愛すべき」ヒーローは最後まで「頼りになる」ヒーローには
 ならない。彼は最後まで迷い、悩んで、苦労して、ぼろぼろになる。
 最後の戦いに行くことすら迷う人間的なヒーローだ。そんなヒーローが
 悩んだ末に、ヒーローの定番アイテムのバイクで最後の戦いの場所
 学校に駆けつける場面は、文句なくかっこいい。
 ふと気がつけば、劇的な変化は全くないにも関わらず、情けなかった
 主人公が頼もしいヒーローとなっている。

 ラストシーンで車を出た彼を待っているものが映し出される場面は
 何度も見たくなる名シーンだ。胸が熱くなる。

 脇役も豪華。たった1シーンのためにこの人が?とか
 宇宙人の顔の部分はあの人では?と、隅の隅まで楽しめる。
 特に印象に残ったのは、彼の理解者となる破天荒な刑事を演じた渡部さん。
 こういった癖のある役を演じているときの渡部さんは大好き。