旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

単車でGO!俄かライダーの北海道周遊 番外編 「釧路の夜」

2011-08-27 | にいがた単身赴任始末記

 薄々感じていたのですが、私と他のライダーとでは荷物の量が違う。
倍いや3倍は違うのです。中には寝袋やキャンプ用のシートをくくり付けている人も。
どうやら“ライダーハウス”という簡易宿所やキャンプ場を上手に利用している様です。
確かに層雲峡でも釧路でも駐車場の単車は1台だけでした。

 釧路フィシャーマンズワーフMOOでは夏の間「岸壁炉ばた」が設けられます。
釧路港で水揚げされた新鮮な魚介類、サンマ、ホタテ、ツブなどを炭火焼で楽しめます。
気の合う仲間やカップルで訪れたら楽しそう。
香ばしい匂いも誘われましたが、ひとりで焼くのは寂しいので次回のお楽しみにします。

 

 醤油や生姜、ニンニクなどで濃厚に味付けされた唐揚げ「ザンギ」をご存知ですか。
釧路の繁華街栄町にその発祥と言われる「鳥松」を訪ねました。
カウンター12席ほどの小さなお店は満席。店外にも“お持ち帰り”を求めるお客さんの列。
幸い程なく常連さんの間に空席を得ることができました。
メニューはそれこそ「ザンギ」のみ。骨付き、骨なし、のみをオーダーするようです。

 

 釧路ラーメンは北海道4大ラーメンのひとつに数えられます。
ラーメン専門・日本お奨め “野菜塩ラーメン” は、カツオだしのあっさりした一杯でした。
明日は摩周湖、美幌峠を経て十勝川を目指します。

釧路の夜 / 美川憲一


単車でGO!俄かライダーの北海道周遊 「知床旅情」

2011-08-27 | にいがた単身赴任始末記

 知床国道に入ると斜里岳の稜線を右に見て、天まで続くかのような直線を走る。
やがて左手に広がるオホーツク海は波穏やかで、宗谷方面の陸地が海上に薄く浮かぶ。
最初の景勝は「オシンコシンの滝」。60mの断崖を海に向けて流れ落ちる様子は迫力充分。
ウトロを過ぎると海岸線は断崖の連続、道路は海岸を離れ崖の上へと駆け上がる。

 世界自然遺産に登録された知床屈指の景勝地「知床五湖」。一般車両はここまで。
ビジターセンターから蝦夷鹿が戯れる姿を見ながら木道を歩くこと20分。

原生林に囲まれた一湖の湖畔展望台からは知床の大パノラマが広がる。
湖越に見る羅臼岳や硫黄山など知床連山は絶景なのだ。

 10Kmほどウトロ方面に戻って国道334号を左に折れると知床横断道路に入る。
標高740mの知床峠までは、穏やかな勾配とカーブが続く快適なワインディングロードだ。
知床PAからは雄大な羅臼岳を眼前に臨み、そして国後島。ほんと大きい、感激なのだ。

 知床峠を羅臼へ下っていくと野趣あふれる露天風呂がある。
羅臼温泉「熊の湯」は原生林の中、羅臼川のせせらぎを聴きながら浸かる。かなり熱い。

 国後島があまりにもきれいに見えたので、間近に北方領土を見たいと欲がでる。
予定を変更して本土最東端「納沙布岬」を目指す。後で大変な思いをすることを知らずに。

 

 羅臼から根室まで140Kmを2時間かけてこの時点で14:30。
遅いランチは「どりあん」で根室でディープに人気の "エスカロップ" を食す。
バターライスに薄切りカツをのせデミグラスソースをかける、ハイカラな洋食屋の味だ。

 根室半島は周遊50Km、時計と反対周りに先端をめざす。
海流の関係だろうか、太平洋側は風がとっても冷たく既に晩秋のよう。
ところどころで湿地がいりくみ、馬が草を食んでいる光景は “最涯感” たっぷり。

 たどり着いた納沙布岬、様々な団体が建てた記念館や碑が並ぶ。
歯舞群島は薄い板状の島々で肉眼では国後のような存在感はない。
双眼鏡を覗くと、草地だけの島に立つロシアの監視塔の様子が手に取るように見える。
関係の方々の心中察すると胸が痛む。ともあれ本土最東端の地に達した。

ここからが問題。納沙布岬で16:30、釧路までは北太平洋シーサイドラインを150Km。
本来、海の“青”と森林や草地の“緑”のコントラストが美しいルートだと思う。
でも、暮れかかる中、熊注意の標識のある対向車無き道を往くのはけっこう恐怖だ。
霧多布岬、火散布沼、厚岸湖を経て釧路へ到着したのは19:30。
斜里から知床峠、納沙布岬を巡り釧路まで、400Kmが今日のドライブだ。

知床旅情 / 加藤登紀子