旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

漁師なげこみ丼と陸奥八仙とヒッチコックの神社と 八戸線を完乗!

2019-07-28 | 呑み鉄放浪記

リアス線から襷を受けて、八戸線(うみねこレール)でさらに北に向かう。
ステンレス製2両編成は、スカイブルーのラインを纏ってサイドには "うみねこ" のマーク。 

 

さて、旅立つ前に道の駅くじ「山海里」で一杯、2時間程の在り余る乗換時間があるのだ。
久慈の地酒 "福来" の生酒をいただく。幸せを呼ぶお酒って地元で愛されているそうだ。
"漁師なげこみ丼" にふんだんに盛られた刺身と "まめぶ汁" が絶好の肴になる。

三陸海岸の復興支援を目的としてリニューアルされた駅舎の黄褐色と黒色の外観は、
久慈特産の琥珀をイメージしている。 

なんとなく京浜東北線を思わせる2両編成は、立ち客もでるほどの満員御礼。
呑み人が乗って来たリアス線の後続便から、まるまる乗客を引き受けたらしい。 

 駅前広場でJAWSが口を開けている鮫までは1時間20分ほど、全行程の8割を消化する。
鉄路は美しい海岸線をなぞったはずだが覚えはない。ほろ酔いでぐっすり昼寝したらしい。 

鮫駅から10分ほど歩くと、次第に「ミャアミャア」という鳴声が大きくなってくる。
ウミネコの繁殖地「蕪島」は国の天然記念物、まるでヒッチコック映画の情景だ。
漁場を教えてくれる蕪島神社の弁財天の使いとして、ウミネコは大切にされてきた。 

 陸奥湊駅では "イサバのカッチャ" が出迎えてくれる。この素朴な町のシンボルだ。
ここ陸奥湊は、八戸市営魚菜小売市場を中心に、毎朝「朝市」が開かれ賑わっている。
次の機会には八戸に投宿して、横丁で呑み、朝市で食べ、早朝の銭湯を愉しみたいものだ。 

 

がらんとした午後の市場を抜け、新井田川べりに "陸奥男山" の八戸酒造を訪ねる。 
大正年間に建てられた、漆喰土蔵と赤レンガ蔵、そして豪壮かつ繊細な主屋が美しい。 

降り出した雨の中、陸奥湊から八戸までは、"リゾートうみねこ" で旅を締めくくる。
国鉄時代の旧い気動車を、大きな窓のクルージングトレインに仕立て直したものだ。 
志津川から延べ4日をかけた三陸海岸の「呑み鉄」旅を八戸駅の1番線で終える。
さて、新幹線に乗ったら、先ほど仕込んだ "陸奥八仙" 特別純米を開けようか。 

八戸線 久慈~八戸 64.9km 完乗 

<40年前に街で流れたJ-POP>
虹とスニーカーの頃 / チューリップ 1979