旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

信州の峠道「渋峠」の向う側

2020-08-18 | 日記・エッセイ・コラム

 つづら折りの志賀草津道路の登っていくと、最初の賑わいは横手山「のぞき」に至る。
なんだか背徳的な響きだけど、標高2,100m、大パノラマを見渡すビュースポットなのだ。
手前に志賀高原のシンボル笠ヶ岳、その先に北信五岳を眺め、遠く北アルプスを望む。

南に目を転じると山田峠、四阿山、そして浅間山が見えるね。
斜面は熊笹が覆い、その中に針葉樹が這うように点在する。
紅葉の染まりはじめの頃は、きっと息を呑む美しさだと思うな。

黒いステーションワゴンをさらにワインディングさせると渋峠(2,152m)。
長野・群馬県境に、ツーリングのバイカー達が群れている。
夏山リフトに10分乗れば、雲上のパン屋さんで極上のボルシチにありつけるのだが、
東京方面への渋滞に巻き込まれないように、今日は先を急ごう。

 群馬県に入って緩いカーブを行くと日本国道最高地点(2,172m)の道標?
えっ、渋峠がピークではないの。ちょっと納得がいかない、けど眺望は素晴らしい。

正面に薄く茶色い山肌を晒す草津白根山(噴火警戒レベル2で規制中)が見える。
芳ヶ平湿原の池が煌めいて、赤いヒュッテの屋根が愛らしい。
赤城山の手前には草津の温泉街が広がっている。あそこまで降りたら今日も蕎麦だな。
気温20℃、爽やかな峠を越えたら、猛暑と仕事が待っている。も少しがんばりましょう。

<40年前に街で流れたJ-POP>
さよならの向う側 / 山口百恵 1980