旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

ロング缶1本の旅

2020-08-29 | 旅行記

 特急は急勾配をものともせず軽快に高度を稼ぐ、やがて車窓に善光寺平のパノラマが広がった。
朝のニュースは、太平洋高気圧の張り出しと、熱中症への注意を繰り返していた。夏の日が射る。
 木曽福島に向かっている。遠回りだけど、僕のところからだと北陸新幹線で長野を経由するのが早い。
朝食代わりに「蕎麦処しなの」で "天玉そば" を掻きこむ。長野駅なら6・7番ホームのこの店がお奨めだ。
木曽福島に向かう車中のお供はロング缶1本、せめて気分だけでもと、Kioskで手が伸びたのは「秋味」なのだ。

 会社の同期入社数名と束の間の夏休みを共有しようと決めたプチGo-To、今回の木曽行きの目的だ。
自分の旅には無頓着な僕が、出がけになって慌てて出力した幹事からのA4の日程表(指令書)を開く。
えっ、滝行体験に日本一の星空ツアー、中山道トレイル約8キロって、旅行会社の社員研修でもなかろうに。
県庁の観光部に出向してインバウンド誘致をしている幹事は、この機会に素材を点検したいのだろう。
いい歳したオヤジたちが、炎天下、この苦行に耐えられるのだろうか?
考える暇を与えず、しなの6号は木曽福島に到着。仲間たちは改札口で待っている筈だ。
もしこの苦行を乗り越え、いいスナップが撮れたら、後日レポートしようと思っている。

Upside Down / Diana Ross 1980