旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

三陸海岸をゆく夏 久慈「福来」

2021-07-10 | 日記・エッセイ・コラム

 旅館の朝食を諦めて、宮古駅の片隅0番線から06:58発の久慈行きに乗車する。
三陸鉄道開業時から活躍しているずいぶん年季が入ったレールバスだ。

宮沢賢治から火山島の名前にちなんだ「カルボナード」と名付けられた島越駅で下車。
モダンな八角形の塔屋の駅から徒歩10分、北山崎断崖クルーズ観光船の乗船場があった。
観光船で50分、高さ200mの大海食崖が連なる迫力ある景勝を洋上から満喫できる。

陸中野田から鉄路は狭隘な小袖の海岸線を避け、トンネルで久慈へと抜ける。
小袖海岸は「北限の海女」で知られる。朝の連続テレビ小説のロケ地になっている。

久慈駅に降り立ったら、道の駅くじ「山海里」で一杯、在り余る乗換時間があるのだ。
地酒 "福来" の生酒をいただく。幸せを呼ぶお酒って地元で愛されているそうだ。
"漁師なげこみ丼" にふんだんに盛られた刺身と "まめぶ汁" が絶好の肴になるのだ。

つづく

陽の当たる場所 / 浜田省吾 1981