太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

さようなら

2013-10-12 07:57:45 | 日記
「Simply Living」という本を読んでいる。

英語なので遅々として進まないのだけれど、なかなか興味深い。

その中に、GOOD BYE について書かれている箇所がある。



アメリカインディアンの言葉には、GOOD BYEにあたるものがない。

そういう場面で言う言葉は TOKSA といって、「また会いましょう」という意味らしい。



東アフリカでは、「ありがとう」という意味の言葉を、別れる場面でも使う。



イヌイットの言葉では、そういう単語すらない。

人と人が別れる場面で、片方が「今から行きます」と言い

言われたほうが「そう、あなたは行くのです」と言う。



いろんな言語で、別れる場面で言う言葉は違うが、

多くの言語では「また会いましょう」であったり、「神のご加護を」であったりする。

中国語でもたしか「再見」だったはず。




その本には、日本の「さようなら」は取り上げていなかったけれど、

改めて考えてみると、日本語の「さようなら」は、イヌイットに近く、そのほかの言語の

どれにも似ていない。



さようならの語源は、「左様なら」と言われていて、

『別れなくてはならない。左様であれば(別れましょう)』

という意味であるらしい。



また会おうでもなければ、神のご加護でもなく、別れる寂しさもない。

淡々として、現実を受け入れる潔さといおうか、諦観といおうか。

日本独特の思想を強く感じる言葉だ。




しかし、この「さようなら」。

最後に使ったのはいつだったろう。

会話の上で、さようならを使うことは滅多になくなった。

「さようなら」は、もう会えないことがわかっている相手だけに言う言葉のように私は思うのだ。

旅先で出会っただけの人達、この世を去ってゆく人達。

さようならのかわりに、「じゃあね」「またね」「またいつか」「気をつけて」

そんな言葉を使っている。








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