太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

忍耐力

2013-10-14 20:10:41 | 日記
夫の友人が引越しをして、新居に招待してくれた。

彼女はシングルマザーで、もうすぐ5歳の息子がいる。

夫と彼女がキッチンで料理をしている間、私は息子の相手をするはめになった。



時々、ベビーシッターをすることがあって、

レゴブロックで遊んで、絵を描いて、そんなことをしているまに時間は過ぎるはずだった。

しかし、会わなかった半年の間に、彼はパワーアップしていた。


スーパーマンのマントをまとい、

ソファからソファにジャンプして飛び移り、

床に広げたレゴブロックの上に着地し(痛いだろうに)

またソファに飛び乗り、それを何十回も繰り返しながら、私にもやれという。

パワーアップしたのは体力だけでなく、「命令したい気分」も加わっていて、

落下傘のおもちゃの、落下傘の糸がこんがらがってしまったのを

「ねえ、これ直して」

すかさずキッチンから母親が

「ものを頼むときにはマジックワードを言うんでしょ?」

「プリーズ」


「これで何か作って。プリーズ」

「ここを飛んで。プリーズ」

「この船のエンジン、どっちがいいか選んで、プリーズ」


10分もたたないうちに、私はげっそりと疲れ果ててしまった。



彼は賢くて、ごねても、話せばわかるし、聞き分けはいい。

自分のことは自分でできる。

それでいても尚、相手をするのはこんなに疲れるのだ。



帰りの車の中。

「彼が私の息子だったら、こんなに疲れないのかなあ?」

「いや、やっぱり母親でも疲れるんじゃない?」



甥が小さかった頃、姉が言っていたことがある。

テーブルの上を片付けても片付けても、すぐにグチャグチャにする甥を見ながら

「もし突然、この状態で子供を差し出されたら、神様にいらないって言うかも」

つまり、生まれた時から片時も離れずに世話をしてきた歴史があるからこそ、

『この状態』にも耐えられるというのだろう。




職場で、小さい子供に怒鳴っている母親を見て

ほかに言い方があるだろうに、と思っていた私だったが

24時間つきあっていたら怒鳴りたいときだってあるだろう、と今は思うのである。









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せっかち

2013-10-14 07:15:43 | 日記
私はせっかちではないはずだった。


父は相当なせっかちで、いつも「早く、早く」と言いながら生きている。

休日に家族で出かけたあと家に戻ってきて、部屋に入ってすぐに

「おい、飯はどうなってる?」

母も一緒にでかけて、今戻ってきたところだ。

それほどせっかちな父に比べて母は、万事につけのんびりでマイペース。

50年以上も連れ添いながら、せっかちを直そうとか、のんびりを直そうという気配はなく、

いまだに「遅い」「うるさいねぇ」と言い合いながら、仲良く暮らしている。



私は父のように、人をせかすこともないし、のんびりとはいえないにしても

それほどせっかちではないと思っていたのだ。

夫と暮らすまでは。



時間にルーズなのが平気なハワイの人達の中で育っていて、

夫は割と時間に正確な人間である。

それは私も承知している。

しかし、一緒に行動するときに、私の中の「せっかちスイッチ」がONになる。



たとえば、7時50分に家を出ようということになっていると、

私は10分前には出かける用意ができている。

夫は45分ぐらいになって歯をのんびりと磨き始め、のんびりと着替えて、

さあ出かけようか、という段になって

「あ、ちょっとトイレ」

しかも「大」のほうである。


私はじりじりしながらそれを待つ。



車に乗っても、もうちょっとスピード出してもいいのに、とか、

もうこの辺で車線変えたほうがいいんじゃ、とか、

何の時間の制約もないときなら、暢気に乗っていられるものが、

とにかく時間どおりに目的地に着くまで、気が休まらない。



本人はいたって暢気なもので、いつだって「大丈夫だから♪」と言う。

たいてい大丈夫なのだけれども、大丈夫じゃないときだってある。

美容院の予約に間に合わないことがあった。

気がせいて、私は予約時間の5分前に電話をいれ、少し遅れる旨を伝えた。

6,7分遅れで美容院の入っているホテルに到着し、夫は鼻高々に言ったものだ。

「ほうら。間に合ったでしょ」


いったいどのぐらいの誤差が、彼にとって「間に合った」のだろう。



私は実は、せっかちなんだろうか。


ここ何年も、時折そう思うのである。







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