夫の友人が引越しをして、新居に招待してくれた。
彼女はシングルマザーで、もうすぐ5歳の息子がいる。
夫と彼女がキッチンで料理をしている間、私は息子の相手をするはめになった。
時々、ベビーシッターをすることがあって、
レゴブロックで遊んで、絵を描いて、そんなことをしているまに時間は過ぎるはずだった。
しかし、会わなかった半年の間に、彼はパワーアップしていた。
スーパーマンのマントをまとい、
ソファからソファにジャンプして飛び移り、
床に広げたレゴブロックの上に着地し(痛いだろうに)
またソファに飛び乗り、それを何十回も繰り返しながら、私にもやれという。
パワーアップしたのは体力だけでなく、「命令したい気分」も加わっていて、
落下傘のおもちゃの、落下傘の糸がこんがらがってしまったのを
「ねえ、これ直して」
すかさずキッチンから母親が
「ものを頼むときにはマジックワードを言うんでしょ?」
「プリーズ」
「これで何か作って。プリーズ」
「ここを飛んで。プリーズ」
「この船のエンジン、どっちがいいか選んで、プリーズ」
10分もたたないうちに、私はげっそりと疲れ果ててしまった。
彼は賢くて、ごねても、話せばわかるし、聞き分けはいい。
自分のことは自分でできる。
それでいても尚、相手をするのはこんなに疲れるのだ。
帰りの車の中。
「彼が私の息子だったら、こんなに疲れないのかなあ?」
「いや、やっぱり母親でも疲れるんじゃない?」
甥が小さかった頃、姉が言っていたことがある。
テーブルの上を片付けても片付けても、すぐにグチャグチャにする甥を見ながら
「もし突然、この状態で子供を差し出されたら、神様にいらないって言うかも」
つまり、生まれた時から片時も離れずに世話をしてきた歴史があるからこそ、
『この状態』にも耐えられるというのだろう。
職場で、小さい子供に怒鳴っている母親を見て
ほかに言い方があるだろうに、と思っていた私だったが
24時間つきあっていたら怒鳴りたいときだってあるだろう、と今は思うのである。
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彼女はシングルマザーで、もうすぐ5歳の息子がいる。
夫と彼女がキッチンで料理をしている間、私は息子の相手をするはめになった。
時々、ベビーシッターをすることがあって、
レゴブロックで遊んで、絵を描いて、そんなことをしているまに時間は過ぎるはずだった。
しかし、会わなかった半年の間に、彼はパワーアップしていた。
スーパーマンのマントをまとい、
ソファからソファにジャンプして飛び移り、
床に広げたレゴブロックの上に着地し(痛いだろうに)
またソファに飛び乗り、それを何十回も繰り返しながら、私にもやれという。
パワーアップしたのは体力だけでなく、「命令したい気分」も加わっていて、
落下傘のおもちゃの、落下傘の糸がこんがらがってしまったのを
「ねえ、これ直して」
すかさずキッチンから母親が
「ものを頼むときにはマジックワードを言うんでしょ?」
「プリーズ」
「これで何か作って。プリーズ」
「ここを飛んで。プリーズ」
「この船のエンジン、どっちがいいか選んで、プリーズ」
10分もたたないうちに、私はげっそりと疲れ果ててしまった。
彼は賢くて、ごねても、話せばわかるし、聞き分けはいい。
自分のことは自分でできる。
それでいても尚、相手をするのはこんなに疲れるのだ。
帰りの車の中。
「彼が私の息子だったら、こんなに疲れないのかなあ?」
「いや、やっぱり母親でも疲れるんじゃない?」
甥が小さかった頃、姉が言っていたことがある。
テーブルの上を片付けても片付けても、すぐにグチャグチャにする甥を見ながら
「もし突然、この状態で子供を差し出されたら、神様にいらないって言うかも」
つまり、生まれた時から片時も離れずに世話をしてきた歴史があるからこそ、
『この状態』にも耐えられるというのだろう。
職場で、小さい子供に怒鳴っている母親を見て
ほかに言い方があるだろうに、と思っていた私だったが
24時間つきあっていたら怒鳴りたいときだってあるだろう、と今は思うのである。
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