太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

忘れ物

2014-09-17 08:29:09 | 日記
平日の朝、先に出かけた夫から電話がきた。

「財布がないんだけど、その辺にある?」

ベッドの上にちゃんとあった。

「あればいいや。今日は財布使わないし」

そう言って電話を切った。

ランチはもっているから、お金は使わなくても済むかもしれないけれど、

財布には免許証も入っていることだし、もし何かあったら困るだろう。

そう思いだすと、そういうときに限って、財布が必要なことが起こるんじゃないか

という気がしてくる。

今すぐ家を出れば、夫の職場に寄ってもなんとか仕事には間に合うだろう。



善は急げ!



私は夫の財布を持って、家を出た。


ベッドの上に置いたまま忘れるなんて、バカだねー、まったく世話の焼けるやつ。

職場に近くなったら信号待ちのときに夫に電話して、ドアの外まで出てきてもらうか。



と思いつつ、ふとバッグの中を見ると 携帯電話がないッ!

夫の電話を受けたあと、どこかに置いてそのまま忘れてきたのだ。



家を出てから20分以上経過。

今更戻れないし、とりあえずこのまま向かって、公衆電話を探そう。

夫の職場近辺で公衆電話を探したけれど、不案内な場所でもあるし、なかなか見つからない。

そうこうしているうちに時間はどんどん過ぎてゆく。

職場の裏口しか知らないので、そこから入って、誰かに取次ぎを頼むのはどうだろう。

ああもうそれしかない。



裏口に着いて、ドアを開けようとしたらロックされている。

そういえば、夫はいつもここの鍵を持っていたんだった。

仕事は既に始まっているから、出勤してくる人もいないだろうし、さあどうしよう。

私の車の横で、ふたりのおじさんが車のボンネットをあけて何やらやっている。

こうなったら方法はただ一つ。



「すみません、電話をちょっと貸していただきたいんですけど・・・」


一人のおじさんが振り向く。

「電話?」

「夫がこの建物で働いているんだけど、財布を忘れてしまって。持ってきたはいいけど、今度は私が電話を忘れたんです」

おじさんは私の説明を聞いて

「オッケイ、どうぞ」

といって電話を手渡してくれた。



夫と私の電話番号は、数字が一つ違うだけで覚えやすくて助かった。

でも舞い上がっているから、最初に自分の携帯に電話をかけてしまったけど。

何も知らない夫が電話に出た。



「私!財布、ある。電話、忘れた、人に借りた。ドアの外、待っている!」



まるで電報のような英語を並べ立てて電話を切った。

緊急時は文法なんかどうだっていいのだ。



しばらくして夫が出てきて、財布は無事に渡すことができた。



日本にいたときだって、見知らぬ人に電話を借りたことなんかなかった。

親切なおじさんに感謝。

朝から冷や汗。










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