太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

家計簿と貧乏神

2017-02-12 13:55:31 | 不思議なはなし
日本に帰省した友人がくれたお土産の中に、家計簿が入っていた。

どうして家計簿をくれたのか、しばしその意味を考えてしまった。

なぜなら、私は家計簿が不要だし、友人はそれを承知しているはずなのだ。

だから、これにはきっと深い意味があるのだと思った。

しかし先日、その友人に会った時、言ったのだ。

「お土産の中に家計簿入っていたでしょ、ごめんねぇー、私、間違えちゃったよ。

なんであなたに家計簿あげたのか、自分でもわからない」



私が家計簿をつけると、ろくなことにならない。

家計簿以前に、私に家計を任せると、あろうことか私は貧乏神になってしまうのだ。


お金はなくなるもの。

お金は貯まったと思えばろくでもないことに消えてゆく。


これは母から刷り込まれた、強力な呪い(?)で、

何度も手放そうとしたけれど、1番いいのは家計に手を出さないことだ。

前の結婚時代に、私はそれはそれは几帳面に家計簿をつけた。

月々の予算もこまかくたてたし、貯蓄計画だってたてた。

その結果、どうなったか。

これは何度か記事にしているが、

離婚するときに、我が家には驚くほど貯金がなかった。

家のローンを繰り上げ返済してはいたけれど、それにしても不っ思議ーー。


再婚してから、私はすっかり家計管理からリタイアした。

それでも日本に住んでいた間は、銀行関係は私がやるしかなかったので

おおまかにでもお金の出入りはわかっていたが

ハワイに来てからは、それすらもわからない。

私はキャッシュカードすら持っていない。

手元の現金がなくなってくると、夫にもらう。

私と夫の収入は、べつの口座に振り込まれる。

医療費やクレジットカードの支払いなどの小切手は、夫の口座から落ちる。





ここで余談。

日本では、ほとんどの人が公共料金やカードの支払いを自動引き落としにしているけれど、

ここでは、請求書を受け取り、小切手で支払っている人が多い。

引き落としにすれば楽なのに、と思うけれど、それは日本での話。

まず、アメリカの銀行には『通帳』が存在しない。

お金の出入りを確かめるには、ネットバンキングを使うしかない。

それがめんどくさい人は、小切手でその都度支払うほうが確実だ。


しかも、引き落としにしていて、なにか手違いがあったとき、あるいは、

引き落とすのを中止したいだとか、そういったことが起きたとき、

日本だったら、その対応が即座で確実なのは当たり前だけれど、ここではそうはいかない。


5ヶ月前に頼んだ網戸の修理に、悪びれることなく笑顔でやってくる国。

買った家具が3ヶ月たっても届かず、電話すると、その家具は在庫がなかったと普通に言われる国。

留守にする間、郵便をとめてほしい書類を出しても、ちゃんと郵便が届く国。

キャッシュカードを作った時、「総合口座」から落ちるようにしてと何度も頼んだのに、

なぜか「普通口座」から落ちるようにできあがっており、

それも催促してようやく手に入れた国(アメリカでも指折りの銀行なんだ、これが)。


だから、中止したはずなのに引続き引き落とされているとか、

手違いを認めたのに、いつまでも返金されないとかいったことは、容易に想像できる。


ネットバンキングも、夫の叔父の弟が、あるときチェックしようと開いたら

残金がゼロだったことがあった。

ハッカーに盗まれたのだったが、もちろん保障されて戻ってきたにしても、

「心臓が止まるかと思った」という彼の気持ちは真実だろう。


というわけで、我が家も支払いはすべて小切手を郵送しているのである。





とにかく、

私が家計管理をリタイアしたら、収入は前の結婚時代の半分であるにもかかわらず、

それなりにお金が残る。

不っ思議ーー。

家計簿をつけさえしなければ、私は貧乏神を卒業できるのである。







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