太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

耳かき

2017-02-24 15:08:08 | 日記
姉は昔、人の耳掃除をすることを何よりの楽しみにしていた時期がある。

当時、妹はまだ小さかったし、両親は忙しかったから、私しか相手はいないのだが

私は耳の中をいじられるのが嫌いで、常に耳かきを携帯して待ち構えている姉から

どうやって逃げるか苦心していた。

「お願い、ちょっとだけ、すぐ、すぐ終わるから」

しぶしぶ姉の膝に頭を乗せたが最後、すぐに終わることなどない。

それだけ念入りに掃除していれば、耳垢などないと思うのに、

「あるある、まだある」

といって、なかなか解放してくれない。

母が昔、大学生だった父の弟の耳に何かあるのを見つけて、

よくよく見たらそれは年季の入った耳垢で、

「取ってみたら、耳の穴の形に筒状になっていたので驚いた」

という信じられない話があるが、姉はさぞかしそれを取りたかったことだろう。



耳の中をいじられるのが嫌いな私は、人の耳を掃除するのも苦手だ。

しかし、離婚したあとでつきあっていた相手は無類の「耳掃除され好き」で

耳掃除をせがまれるうちに、だんだんまんざらでもなくなってきた。

もともと、櫛やヘアブラシの掃除とか、換気扇フードの板(網になったの)の掃除が嫌いではないから

耳掃除のちまちました感じは、それらに近いかもしれない。


結婚する気満々だったその相手と円満だったのもつかのまで、

私はせっかくおもしろくなってきた耳掃除をする相手がいなくなってしまった。

だから夫に出会った時、これで再び耳掃除できると小躍りしたのであったが、

そこにはまさかの誤算があった。



アメリカ人に耳かきは不要。



って知ってた?

たぶんカナダ人もイギリス人もオーストラリア人もそうなんだろうけど、



あのひとたちの耳垢は湿ってる。



って知ってた?

耳かきというのは、乾いてカサカサした耳垢だからいいのであって

湿ってべたべたした耳垢は、綿棒でくるくるっと耳の中をかきまわせば終わり。

どうりでこっちではあまり耳かきを売っていないはず。



耳掃除 したいときには 相手なし



仕方がないので、日本から持参した耳かきで自分の耳を掃除するしかないのである。








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