太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

底なしネガスイッチ

2017-08-03 18:59:34 | 日記
私は時々、自分のネガティブの底の深さに驚くことがある。



平日の休みの午後3時ごろ、出かけた帰りに家の近くで夫の車とすれ違った。

夫は私に気づかなかった。

朝が早い夫は、残業がなければ2時半ぐらいには帰宅している。

スーパーに行くには方向が違うし、どこへ行くのだろう。

その瞬間、ネガティブのスイッチがはいった。

今朝、私はお皿を2枚割った。

お皿はキッチンのシンクからタイルの床に落ちて方々に散らばり、

けっこうな範囲に破片が散らばった。

拾えるものは拾い、掃除機をかけたけど、掃除しきれていなかったかも。



もしや、猫が破片を食べて内臓出血し、血を吐いてのたうちまわっているのでは・・


それで夫が猫を病院に連れてゆくところだったのではないか。

すれ違った時の夫の顔が真剣だったような気もする。

私は大急ぎで家に戻り、荷物を車に置いたまま玄関まで走りドアを開けた。

血を吐いた猫はどっちの猫だ!

チーズケーキ(ガール)のほうが、テーブルの上にちょこんと座ってコッチを見ていた。

ガールはいる。それじゃボーイの方か!

すると、ボーイが伸びをしてからあくびをし、こちらにやってきた。

ああよかった。



猫じゃないとすると。

ガレージに続く廊下の片隅に、洗濯するものを溜めておく場所がある。

夫は帰宅するとすぐにシャワーを浴びるので、そこに着ていたものがあるはずなのに、何もない。

シャワーも浴びず、汚れた服のままであわてて出かけたということは・・・・


夫が破片を踏んだのかもしれない。

私は室内ではサンダルを履いているが、夫は素足だ。



おもいきり踏んづけて、豪快に足の裏を切り、出血が止まらなくて救急に行くところだったのかもしれない・・



ああきっとそうだ、そうに違いない。

私は床の上の血痕を探したが、見当たらなかった。

落ち着かない思いでシャワーを浴び、しばらくすると夫が帰ってきた。

どたどたと階段を下りていった。

「すれ違ったけど気づかなかったでしょ、どこに行ったの」

「トレーニングの機械を寄付してきたんだよ、もう使わないからさー」

腹筋や背筋を鍛えるといって買ってきたセットが、ガレージで埃をかぶっていた。

それらを運ぶので、また汗をかくから着替えずに行ったということなのだろう。



私のネガティブのスイッチが入ってからの勢いには、恐ろしいものがある。

こんな私だが、実は「そんなふうに前向きになれたらいいんだけど」と言われることもあるのだ。

矛盾しているようで、でも私は自分の底なしネガティブを知っているがために、

明るい見通しをもってノンキでいられるよう、人一倍努力をしているのである。


これは母譲りだと思う。

母はなんでも先に先に心配するのが得意だ。

母の世代では珍しく、若い頃に運転免許を取ったのに、事故をすると迷惑がかかるからという理由で

とうとうペーパードライバーのまま、先日免許を返納した。

シュノーケルに行った、と言うと

「あんた、そういえば新聞でシュノーケルしてて死んだ人の記事が載ってたよ」

という具合である。

しかし、その反面、へんなところでノンキな面もある。

父が大きな手術をする前日、母と私が病室に泊まったことがあった。

「おとうさん、眠れるかねえ。私も朝まで眠れないかもしれないよ」

そう言っていた母が真っ先に熟睡し、父も寝息をたて、私だけがまんじりともせずに朝を迎えた。

まあ、私にも、変にノンキな部分もあることは認める。





それにしても、

気がゆるみ、久々に深いネガティブ思考に足をとられて、その淵の深さに改めて驚いている。








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