太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

モスラ

2017-08-29 07:28:42 | 日記
10年ほど前、日本で網タイツが流行った。

ロングブーツに合わせたりして、みんなじょうずにはきこなしていたけれど

私は買うまでに至らなかった。

あるとき、私にエンジェルセラピーをやってくれているAさんが、私の住む町で講演会を開いた。

いそいそと会場に出向くと、Aさんが網タイツを颯爽とはいて登場した。

美人でスリムなAさんは、服のセンスもいいし、何を着ても似合う。

妊娠6ヶ月だったAさんは、膝丈のスカートに網タイツ、ぺたんこのバレエシューズ風の靴。

その時はいていた網タイツは黒で、ざっくりとした網目に大胆な蝶の模様が織り込まれていて

それはそれは素敵だった。

あのスカートに、これを合わせて・・・私は自分のワードローブを想像して、完璧だと思った。

その帰りに早速デパートの網タイツ売り場に直行し、似たような蝶のタイツを買った。



帰宅すると、タイツに合わせるスカートと靴を並べて、鏡の前でファッションショーだ。

スカートに着替え、タイツをパッケージからじょうずに出して脚を入れる。

靴を履き、鏡の前に立って我が身を眺めた私は、言葉を失った。


蝶は、蝶はどこにいった。


パッケージの中では、確かに蝶がそこにいた。

しかし、鏡に映る私の脚には蝶ではなくモスラがはりついていた。

(お若い人たち、モスラって知ってる?)

私の逞しい脚が、網タイツの網目を広げたために、可憐な蝶は巨大蛾に姿を変えたのである。

ほっそりとしたAさんの脚と、自分の脚と、どうしてこうも違うものだろうか。

私はがっくりと肩を落とし、モスラのタイツを捨てた。




そのショックで、続けたりさぼったりの繰り返しではあるが(たいていサボっている)脚やせに取り組んできた。

ハワイではタイツはおろか、ストッキングも履くことがないので確かめる術もないのだけれど、

今、あのタイツを履いたら、モスラの大きめの幼虫ぐらいではないだろうかと

自分にいいように考えているのである。






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