太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

レノマはいずこ

2017-12-21 07:43:52 | 日記
宝石を売っている人が言った。

「値段が高くても、本物じゃなくても、気に入ったら買うのがアメリカ人と日本人。

本物じゃないと買わないのが中国人。

でも中国人は本物を使いこなすことがまだできない。

そして気に入っても安くなければ買わないのが韓国人」

なるほどなあ。

そういえば、職場にくる中国の人たちは、私でもわかるブランドバッグを持っている。

それらが何十万円するのか私にはわからないが、その高価なバッグと服装が合ってない。



同僚が、サンクスギビングデーの翌日のブラックフライデー(大掛かりなセール日)に

アウトレットモールにあるブランド店に行ったら、夜中の2時に100人以上の列ができていたらしい(オープンは朝6時)。

アラモアナやワイキキに行っても、高級ブランドものにはまったく興味がわかない自分に感謝さえしている。

欲しいのに高くてなかなか買えない、なんて辛いじゃないか。

かといって、別に高級ブランドだから持ちたくないというわけでもない。

私が気に入って、私が思う価値に見合う値段であればいいと思う。

どんなに素敵な靴でも、靴は靴。それに10万円の価値は私にはないのだ。


いつだったか、エルメスのバッグを引ったくりにあった女性がいて、あとから中身だけ抜かれてバッグが見つかったとき

中身なんかどうでもいい、バッグが戻ってよかったと言った話があった。

そのナントカというバッグがオーダー品で、100万単位の値段がするものらしかった。

引ったくり犯人がブランド品に詳しかったら、中身を捨ててバッグを盗んだであろうに

私みたいなモノ知らずだったわけだ。



こんな私でもうら若き時には、そのブランドだから買った、というバッグを持っていたことがある。

renomaというブランドで、バブル後半の、肩パッド入りのワンピースとあらゆるブランドが溢れかえっていた中で

若い娘にひっそりと人気があった(と思うが、さだかではない)。

高級ブランドほどは高くもなく、モノグラムでもなく、控え目にブランド名が入った合成皮革の巾着バッグが好きだった。

レノマは今、どこにいったんだろう。




高級ブランドにこだわる人達は、そのブランドのものが単に好きなのか、

それとも、それを持っている自分が好きなのか。

昔、前の結婚時代に、前夫の兄夫婦が家に来たとき、

兄嫁がスリムなパンツルックに身を包んできたはいいが、首から足首まで斜めに前後左右、

FENDI FENDI FENDI・・・・・・ とこれでもかとブランド名が入っていて驚いたことがあった。

兄嫁はきっと、レノマを持っている自分を私が好きだったように、FENDIを着ている自分が好きだったのだろう。

バッグはヴィトンで、靴はフェラガモ、車はBMWだった。






クリスマスに、着なくなった洋服を寄付するために、クロゼットをあけてみた。

1m50cmほどのハンガーかけと、4段の引き出しに衣類が詰まっている。

衣装持ちではないが、7,8年は何も買わなくても困らないほどの服がある。

日本には素敵で手ごろなものがいっぱいあるので、見ているとあれもこれも欲しくなるのに、

ハワイにいるときだけ、物欲が消える。

ここでは、ちゃんとした服や靴を買っても、まず着てゆくところがない。

ドライクリーニングが高いから、家で洗えるものがいいし、暑いからパンプスよりサンダルがいい。

みんなタンクトップにショーツといった、家でテレビを見ていた格好でどこにでも行く。

こんなにたくさん高級ブランドの店が並んでいるが、買うのはほぼ外から来た人達なんだろう。



クリスマスの買い物のときに、新しい冬のパジャマを買って、7年着ていたパジャマを処分した。

パジャマは、何箇所も見て歩き、生地の薄さやデザインなど気に入ったものをようやく見つけたのだが

結局買ったのはターゲットで、しかも上下で10ドル。

この10ドルを、また7年着るのだろうか。



車の車高をわざわざ低くしているのだとか、マフラーを改造して大きな音が出るようにしているのだとか、

いったいそれの何がいいんだか、私にはさっぱりわからない。

人がどんな価値観を持っているかなんて理解する必要もないし、どうだっていいことなんだけれど、

おもしろいもんだなあと思う。





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