太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

『笑っていいとも』

2018-10-10 08:12:44 | 日記
日本人の友人と焼き鳥屋に行った。

King Streetにある『とりとん』という店で、以前に前を通りかかって

いつか行ってみたいねと話していた。

日曜の夕方5時頃に行くと、ほとんどのテ-ブルは予約席で埋まっており、

予約客が来る6時半までなら席がとれるという。

これは美味しい予感。

焼き鳥以外のメニューが豊富で、揚げ茄子のなめこおろしだとか、たたききゅうりだとか

出てくるお皿はどれもこれも美味。

居酒屋大好きな夫は大喜びだ。

こんな日本人経営の、おいしい日本食を食べさせてくれる店が増えてきたのは喜ばしい限りである。

それもワイキキではなく、少し離れた場所にあるので行きやすい。

次々に入ってくる客はほとんど地元に住む日本人、そして日本人の連れのガイジンが二人。

うちの夫含めてガイジン3人。

日本人が美味しいと思うものは同じなのだなあ。

店の中はリトルトーキョーだ。




さて、その店にテレビがあって、日本の番組をライブで放送していた。

ハワイが日曜の夕方5時なので、日本は月曜のお昼どき。

司会は、どこかで見たことがある男の人だ。


「あの人誰だっけ?名前が出てこない」

坂上忍じゃん」

「えっ!あの子役の?そういえばそうだワ」

「坂上忍は今売れてるんだよ」

「へえー、映画かなんかで?」

「違う違う、毒舌で有名になって、今はお昼に毎日この番組持ってるんだよ」

「あれ、毒舌で有名になったのって、猿岩石のかたわれでしょう」

「坂上忍もそうなんだってば」

「ふーん、あの純真そうな子役の子がねえ。いまやタモリのライバルになったんだ」

「は?」

「だって 笑っていいとも のウラ番組ってことでしょうが」

友人の顔が、泣き笑いの表情になった。


「笑っていいともはとっくに終わったんだよ、知らなかった?」


「えーーーーっ!いつ?」

「もう何年もたつよ・・・」

「知らなかった・・・・・・・・・・・・・・」

「じゃ、樹木希林(字が違う?)さんが亡くなったのは?」

「えーーーー!」

「じゃ、津川雅彦さんが亡くなったのも知らないよね?」

「えーーーーー!」

「あんた、ほんっとになんにも知らないんだねえ」

友人は呆れたように笑って、ハイボールを飲み干した。

このハイボールも、今は若者に人気なのだそうだ。

ハイボールっていったら、新橋のガード下でおっちゃんたちが飲んでるイメージだけど。



私の知らなさ加減もひどいだろうけど、なんでハワイに住んでる友人がそんなに日本のことを

知っているのか、私にはそっちのほうが不思議だ。

友人は日本のテレビ番組がみられるチャンネルを契約していて、毎日それをみており、

日本のニュースが即座に入ってくる携帯電話のアプリケーションを入れているのだそうだ。

「あんたもこのアプリを入れればいいよ、ただだし」

ああ、でもねえ。

日本のテレビ番組チャンネルには英語の字幕がないから、夫は観てもわからんし、

いち早く日本のニュースを知ったとしても、私にはそれをシェアする人がいない。

友人には娘もいるし、職場にいけば日本人がたくさんいるが、私のまわりには日本人がいないのだ。

なにかを知ったら、一人で「ふーん」と思うだけ。そんなのつまらなさすぎる。




そのときテレビで、ビートたけしの若い頃に似た人が記者会見をしていた。

「さっきからずーっとこの人のことやってるね。何の人?」

「なに言ってんの、貴乃花じゃん」

「ああ!そういえば似てる、痩せたねえ、タケシかと思った。なんか事件おこしたの?」

友人は口をパクパクさせながら言った。

「もうね、ここで説明しきれないぐらいいろんなことがあったんだよ」




友人と別れ際、

「新しい年号がわかったら知らせてね」

「さすがに平成が終わることは知ってたんだね、よかった」

「知ってるさ。去年の11月ぐらいだったけど」

「あははぁ・・・はぁー・・」

日本にいる姉が、私の情報の貧しさ加減にあきれて、ときどき日本のニュースをメールしてくれていたのだが

姉も最近忙しくなったのか、とんと送ってこなくなった。

私はこのまま情報の中洲に取り残され続けていくのだろう。















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