太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

うっかりはちべえ

2018-10-14 17:58:34 | 日記
ハワイのユニクロで買った、てろてろのワイドパンツは、そのまま履くと長すぎて

松の廊下になる。

日本のユニクロと同じように、ハワイでも丈直しをやってくれるのだが(縫い目が外に出ていいなら無料、

縫い目を隠すなら有料。こんなサービスはハワイじゃユニクロだけだと思う)

待っている時間もなかったので自分でやることにした。

長さを決めて、マチ針を打って、ちくちくと縫い始めた。

この調子ならそれほど時間がかからずに終わりそうだと思い、半分ほどきたところで

表側の縫い目を確認しようとしたところ、輪になる反対側の布も一緒に縫い付けてあり、

これでは足が入らない。

半世紀あまりも私をやっていると、こんなことでは驚かなくなった。

この程度のことは数知れずやってきた。



日本に住んでいた時、冬に備えて毛布を出すとエリをつけた。

最初の結婚時代は、毛布は直接肌にあたるものだったので、

顔の部分にくるところにタオルを縫い付けて、汚れたら洗えるようにしていた。

これは私の母だけがやっていたのだろうか。

ベッドの上に毛布を広げ、長めのスポーツタオルで縁をはさむようにして

四つんばいになって縫い付けてゆく。

途中で糸をかえながら、ようやく縫い終わって毛布をもちあげたら

下のシーツまで一緒に持ち上がってきた。

ごていねいに毛布とシーツを縫いつけていたのだ。


しばしガックリと肩を落としたあと、

気を取り直して糸をほどき、ベッドに座り込んで毛布を膝の上に乗せて縫い始めた。

自分の服を一緒に縫い付けていないか、ときどき持ち上げて確認することも怠らなかった。

毛布は2枚あるのだ。

ちゃっちゃと終わらせないと肩がつまる。

服もシーツも縫い付けず、やっとエリを縫い終えた私は、ふと思った。

(このスポーツタオル、やけに短いんじゃないか?)

タオルの縁から、毛布の端までの距離が妙に長い。


私はわかってしまった。

私が何をしたのか。


私は毛布の長いほうの辺にタオルを縫い付けていた。


それも、1度糸をほどいて。


さすがの私も、気力が萎え、怒りすら沸いてきた。

その冬は、エリなしで過ごしたような気がする。





てろてろワイドパンツは、無事に裾を直した。








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