太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

3匹目の猫計画12最終回 さよならも言わず

2021-07-19 13:52:56 | 日記


水曜日にソフィアの去勢手術をして、日曜日の朝、庭に放した。
雨に濡れない猫ハウスを作り、その中にソフィアが使っていたベッドとトイレを入れて、裏口のデッキに置いた。
キャリーケースの蓋を開けた。
「お腹がすいたら来るんだよ、ここのベッドもあるからね」
言い終わらないうちに、ソフィアはさっさと建物の縁の下にするりと入って消えてしまった。
もっとお別れをしたかったのに。
さよならも言わないで。

夕方5時頃、ソフィアの名前を呼んでみたが、来ない。

6時過ぎになってもう一度呼んでみた。
「ナー」
呼ぶたびに返事が聞こえる。
ハイビスカスの木の根元から、こちらを見ていた。
喜び勇んでゴハンボウルに水とドライフードを入れて、近づいたらサッと逃げた。
しばらくして、再び呼ぶと、返事が来る。
さっきよりも近くで、こちらを見ている。
ボウルを移動して、家の中に入った。
少し食べている様子がして、次に窓から見ると、裏口のデッキの上に座っていた。
裏口のデッキ

今度は猫缶を別の容器に入れて、デッキの階段に置いた。
食べ物は放置したくないのだけれど、すぐ近くにいるし、そのまま寝た。
朝、見たら、ドライフードはなくなっていたが、猫缶はほぼ残っていた。

放しても、近くにいる。
私の気持ちはまた揺れる。
朝方、庭のどこかで猫同士が喧嘩する声が聞こえて、ソフィアじゃないかと飛び起きた。
確認しようはないけれど、これが本当にソフィアの幸せだったんだろうかと思う。


仔猫たちの里親さんから、彼らが元気に遊びまわっている動画がまた届いた。
こうして毎朝1匹ずつ蒸しタオルで拭いて、
ノミとりスプレーを吹き掛けて、お世話してきた。
情が移らずにおれようか。
今も恋しいけれど、4匹みんなが幸せになって本当によかった。

今日もソフィアは来るだろうか。
私に輪をかけて猫好きな夫は、あんがいさっぱりとしていて戸惑う。
「外の世界がソフィアが住むところなんだよ。幸せさ」
本当にそうなんだろうか。
ほんとは家に入りたくてデッキに座っていたんじゃないだろうか。
そう思うと悲しくなる。
ソフィアは先住猫が嫌いだし、物理的にもうちの中で飼ってあげられないのだから、ほかにやりようはないのだけれど、私にはもやもやが残ったまま。

3匹目はなし、ということで、長かった猫計画もこれでおしまいである。