太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

3匹目の猫計画 ひょうたんから駒

2021-07-26 07:39:05 | 日記

3匹目の猫計画は最終回を迎え、オマケまでついて、3匹目は無しということで終わったはず。

ところが、3匹目は実際にやってきた。

半月前、残り3匹の子猫を引き取ってくれた里親さん。
彼らが2匹を飼い、1匹は彼らの知人が飼うことになっていた。
そのとき知人は旅行中だったので、彼らが3匹引き取って、知人が戻ったら1匹を渡す手はずになっていたのだが、
旅行から戻っているはずの知人から、なんの音沙汰もない。
電話をしてみると、なんだか気乗りがしない様子で、あんまりにも無責任だと彼らが怒り、
こんな人には大事な猫をあげたくないと言い、知人とは絶交。かといって、彼らは3匹は飼えないので、里親を探し始めた。

それを知った、彼らと私たちの間にたってくれた私の同僚が、私たちに引き取ってもらえやしないか、と打診してきたのだった。
それが4日前。

家猫にする気満々だったソフィアがいなくなり、私と夫は仔猫を引き取ることにした。
そして昨日、仔猫がうちにやってきた。

コーちゃん

この仔猫は、うちでお世話をしていた頃から、姉妹の中で1番好奇心が強く、
活発で、好奇心の頭文字をとって「コーちゃん」と私たちは呼んでいた。
だからそのまま、コーちゃん

人を見ると、グルグルと全身で喉を鳴らす。すっかり家猫。

先住猫のチーズケーキ達には、よく言い聞かせてはあったのだけれど、昨日の今日で警戒モード。
リビングの一角をコーちゃんスペースにして、一応、住み分けはしているが
時間が解決してくれることを祈る・・・・

コーちゃんは、チーズケーキ達がうちにやってきたのと同じぐらいの年齢で(8週間ぐらい)、6年前の彼らを思い出す。
仔猫のかわいさは、もうたまらん。


おかえり、コーちゃん。





私の、ふるさと便

2021-07-25 13:04:35 | 日記
日本に住む姉から、小包が届いた。
地元産の出汁を送ってくれるように頼んだのだが、頼んだもの以外にもいろいろと入っていて、
取り出すたびに宝探しの気分で盛り上がりまくった。


メインの出汁は、毎朝作る味噌汁に欠かせない。
「パウミー」といって、静岡産。
他の出汁でもそれなりに味噌汁ができるけれど、パウミーじゃないと味が決まらないような気がする。
日本に行ったときにまとめて買って、冷凍庫に保存しておいたパウミーの、最後の一袋を開けたところで、在庫がないと心もとない。
いつ日本に行けるかわからないし、姉に頼んだのだ。

それと、キンカン。
虫さされには、やっぱりキンカン。
瓶の底のほうに少し残っているのを、夫と奪い合うようにして使っていた。

モロヘイヤのふりかけとか、静岡のお茶とか、かわいい入れ物に入った落雁とか、干し芋とか、しるこサンドとかがザクザク出てくる。

送料もばかにならないし、姉に負担をかけたくないので、かかったぶんは今度行ったときに払うと言ってあったのだけれど、

「ちーちゃん(末の妹)とはよく会うから、お裾分けしたり、たまにごちそうしたりできるけど、シロちゃんとは会えないから、このぐらいどうってことないよ、いつでも送るからね」

泣ける。
姉妹ばかりで、ほんとうによかったと思う。
そして、どの姉妹もみんながみんな、仲良しというわけではないことも、
年を重ねてくるとわかるようになって、
親友のように近い姉妹に恵まれた私は幸せだと思う。

母がしっかりしていた頃は、母がこうしていろんなものを詰め合わせて送ってくれたものだった。
送るものをひとつずつ選んでいる姉の姿を思い、胸が熱くなる。







3匹目の猫計画おまけ 野良だけど名前がある

2021-07-22 07:07:40 | 日記

最終回で締めくくったけど、少しだけオマケ。

ソフィアを庭に放してから4日。
毎日、6時頃になると私が庭に出て、名前を呼ぶ。
ジャングルに向けて何度も、何度も呼ぶ。
たいてい、ジャングルの竹やぶの方から返事が来る。

「ナー」

返事を聞いたら、ボウルにゴハンを盛り付けてデッキに出して、私は家に入る。
そろそろとソフィアがやって来て、ゴハンを食べる。

デッキで食事中のソフィア

ドアを開けて近づけそうな距離だけれど、ドアを開けたら逃げてしまう。


ドライフードと猫缶を両方用意するけれど、どちらも食べ残してある。
他で食べ物を見つけられているのかと思えば、ホッとするような寂しいような。
戻ってくるかもしれないからゴハンはそのまま置いておきたいところだが、
ほかの猫が来たり、ハエがたかって卵を産むのが嫌なので、ソフィアが帰ったら片づける。

昨日は、私が名前を呼び続けていたら義父が来て、「うちのほうで返事しているよ」という。
見れば、遥か庭の片隅にいる黒い塊。


家にいたときは、きちんと猫砂の上で排泄していたソフィアも、今はもう昔のように自然のまま。
手作りの猫ハウスの中に用意した猫砂トイレはきれいなままだ。
猫ハウスは週末に片付けよう。

「ソフィアはハッピーだよ。自由だし、もう子供を産んで苦労することもないしね」

夫が言う。
なんでそんなにあっけらかんとしてられるのかと私は思う。
ソフィアにはソフィアの人生があり、幸せがある。
それが私が望む形でないだけなのに、私はむやみに心配する。
再び野良にしたことに、私のどこかに小さな罪悪感があるのがわかる。
しかしその罪悪感の正体は私の勝手な思い込みで、
もしかしたら、私は私が安心するために心配しているのかもしれない。


私とソフィアの距離は縮まらない。
けれど、呼べばどこかでそれを聞きつけてやって来て、元気な姿を見せてくれる。
少しゴハンを食べ、スッとどこかに消えてしまう。
野良だけど、名前がある。
ソフィアという、夫がつけたきれいな名前が。


自由な野良ソフィアとの生活が、私の日常になっていくのには、まだ少し時間がかかるだろう。









ハワイはキツキツ

2021-07-20 15:42:29 | 日記
嬉しいことに、何か月も前から申請してあった、週4日勤務がようやく叶った。
日曜、月曜はレギュラーの休日で、あとの1日は他のメンバーの状況によって決まるので、イレギュラー。
気分的に全然違う。
自分のスペースにゆとりができた感じ。

今日は火曜日だが休日だったので、ギャラリーに作品補充に行った。
カハラモールのギャラリーから始まって、ワイキキに移動、マリオットホテル内のギャラリーのあと、ハイアットリージェンシーに行く予定。

ワイキキのあまりの混雑ぶりに圧倒された。
マリオットの正面の路肩のコインパーキングは、普段なら1,2か所は空いているのに、満杯。
マリオットからリージェンシーは3ブロックほどなので、そこに停めて歩けばちょうどよかったのだけれど、仕方がないので動物園の駐車場に移動。
が、ここも満杯で、空きスペースを探す車がのろのろ運転。
なんとか、カパフル通りの路肩パーキングに空きを見つけて駐車した。

車だとあっという間でも、歩くと遠いし暑い。
作品はキャリーつきのスーツケースに入れたので、重くはないのが救い。
見回せば、そこいらじゅうに人、人、人。
ギャラリーで働くベスが、ワイキキの店で仕事したあとにカクテルでも飲んで帰ろうと思ったら、どの店もいっぱいで入れなかったそうだ。
テーブル席じゃなくて、バーカウンターでも予約をしないとだめだと言われたらしい。

「オアフなんかマウイに比べたら良いほうよ。妹がマウイ島に出かけたら、もちろんレストランはどこもいっぱい。それじゃスーパーマーケットで食べるものを買ってホテルで食べようと思ったら、みんな考えることは同じで
サンドウィッチとかいった食べ物の棚がガランガランだったそうよ」

パーキングは余裕をみて45分にした。
でも、マリオットのギャラリーでつい長話になってしまい、リージェンシーに行く時間がなくなった。
車に戻ってコインを足せばいいのだが、到底そんな気力はない。
週末にでも夫に運転を頼んで行くことにする。


全米の中でも、コロナ的にハワイは安全で、行きやすい場所らしい。
それにいかにものトロピカルな雰囲気は魅力だし、猛暑にあえぐ本土から避暑に最適。
本土よりは涼しいのだろうが、ワイキキは暑い。
乾燥しているので、日陰はすごく涼しいけれど、炎天下を歩けばクラクラしそう。
マリオットのギャラリーで補充していたら、歩いてきたときの分の汗がこめかみを流れてきた。
ハワイにいて、こんなに汗をかくのは久しぶり。

家路につき、トンネルを抜けてエメラルドグリーンの海が見えたらホッとした。
気温も10度近く下がり、一息つく。

私の職場もそうだけれど、パンデミック以前よりも人が多い。
この夏、ハワイはどこも人でいっぱい。





3匹目の猫計画12最終回 さよならも言わず

2021-07-19 13:52:56 | 日記


水曜日にソフィアの去勢手術をして、日曜日の朝、庭に放した。
雨に濡れない猫ハウスを作り、その中にソフィアが使っていたベッドとトイレを入れて、裏口のデッキに置いた。
キャリーケースの蓋を開けた。
「お腹がすいたら来るんだよ、ここのベッドもあるからね」
言い終わらないうちに、ソフィアはさっさと建物の縁の下にするりと入って消えてしまった。
もっとお別れをしたかったのに。
さよならも言わないで。

夕方5時頃、ソフィアの名前を呼んでみたが、来ない。

6時過ぎになってもう一度呼んでみた。
「ナー」
呼ぶたびに返事が聞こえる。
ハイビスカスの木の根元から、こちらを見ていた。
喜び勇んでゴハンボウルに水とドライフードを入れて、近づいたらサッと逃げた。
しばらくして、再び呼ぶと、返事が来る。
さっきよりも近くで、こちらを見ている。
ボウルを移動して、家の中に入った。
少し食べている様子がして、次に窓から見ると、裏口のデッキの上に座っていた。
裏口のデッキ

今度は猫缶を別の容器に入れて、デッキの階段に置いた。
食べ物は放置したくないのだけれど、すぐ近くにいるし、そのまま寝た。
朝、見たら、ドライフードはなくなっていたが、猫缶はほぼ残っていた。

放しても、近くにいる。
私の気持ちはまた揺れる。
朝方、庭のどこかで猫同士が喧嘩する声が聞こえて、ソフィアじゃないかと飛び起きた。
確認しようはないけれど、これが本当にソフィアの幸せだったんだろうかと思う。


仔猫たちの里親さんから、彼らが元気に遊びまわっている動画がまた届いた。
こうして毎朝1匹ずつ蒸しタオルで拭いて、
ノミとりスプレーを吹き掛けて、お世話してきた。
情が移らずにおれようか。
今も恋しいけれど、4匹みんなが幸せになって本当によかった。

今日もソフィアは来るだろうか。
私に輪をかけて猫好きな夫は、あんがいさっぱりとしていて戸惑う。
「外の世界がソフィアが住むところなんだよ。幸せさ」
本当にそうなんだろうか。
ほんとは家に入りたくてデッキに座っていたんじゃないだろうか。
そう思うと悲しくなる。
ソフィアは先住猫が嫌いだし、物理的にもうちの中で飼ってあげられないのだから、ほかにやりようはないのだけれど、私にはもやもやが残ったまま。

3匹目はなし、ということで、長かった猫計画もこれでおしまいである。