内館さんの前作「終わった人」を読んだのはもう3年も前になります。
すぐ死ぬんだから・・・と言いたくなるほど、月日の経つのは速いです。
「終わった人」は男性高齢者が主人公でその家族の物語ですが、この「すぐ死ぬんだからは」さらに高齢の女性が主人公、その家族の話です。
78歳の忍ハナはシニア向け雑誌のファッションページに取り上げられるほど見た目も若く、配偶者にも恵まれて暮らしていました。
ところが、その自分だけを大事にしていてくれていたはずの夫が突然亡くなり、彼に別の家族があったことが分かります。
しかもその家族の出来のいいことといったら・・・。ハナは歯がみしたいほど悔しく、年相応に老け込んでいきます。
しかし、いつまでも学ぶ心を失わない、私も見習いたい内館さん、ハナ自身と家族、もう一つの家族を再生させていきます。
どの年代の人が読んでも面白く読めるけれど、高齢女性は特に励まされるはずです。
表紙のイラストは太田侑子さん、帽子にズボンにリュックはまるで普段の自分を見るよう^^です。