自遊空間、 ぶらぶら歩き。

日々見たこと、聞いたこと、読んだこと、考えたこと

凡人の怪談(中央公論新社)~工藤美代子さん

2019-08-14 | 

「凡人の怪談」はノンフィクション作家の工藤美代子さんが「婦人公論」に連載していた「不思議がひょんと現れて」を改題してまとめたもの。

世の中には霊感の強い人がけっこういるらしくて、工藤さんや工藤さんの周りの方が経験した不思議な現象の数々です。

実際自分が直面したら恐ろしくて動けなくなること請け合いですが、工藤さんは怖いと思いつつも、攻撃的で邪悪な幽霊には出逢ったためしはないそうです。
むしろ、現実の世界で攻撃的な人間にいくらでも遭遇すると、後書きに書かれています。

私は霊感が乏しいのか幽霊に逢ったことはありませんが、たった一度だけ、あれが幽霊だったのかなぁと感じた経験があります。

 

ブログを始めた15年前、当時はトラックバックという機能で、ブログ同士がよく関連し合っていました。

ある方のブログにトラックバックした、記事が残っていましたので、一部中身を修正して、ここに貼ってみました。

××××さんのblogを読んで今までで1回だけ「幽霊を感じた」夜のことを思い出しました。 娘が生まれて半年ぐらいのころです。当時の育児日記をほぼそのまま書き移します。


昭和5x年6月11日(月)

真夜中3時過ぎのことです。台所でスリッパをする音がします。誰かが錠剤の入ったビンを振っているような音もします。
母さんは「どうしたの?」と声をかけました。 すると動きがパタッと止まったのです。
じっと目をこらすと冷蔵庫のあたりで人の気配がします。どうも赤ちゃんを抱いているようなのです。

母さんビックリすると同時に心臓がドキドキ、早鐘を打ったよう。
隣りのベッドではAちゃんが寝ながらドタンバタン動いています。

母さんは声も出ません。こわくて目を固くつぶりました。
しばらくしてそっと目を開けると、まだ人影は赤ちゃんを抱いてあやすかのように揺れています。
デジタル時計が3:33を示しています。

母さんトイレに行きたいのも我慢して壁の方を向いて布団を頭からかぶりました。
それでもいつの間にか母さん眠ったようです。
朝起きてこのことを父さんに話すと「ちょうどそのころ僕がトイレに起きたから夢とダブッたんじゃない?」と、とりあってくれません。

母さんも目と耳の錯覚が重なったんだとは思うのですが、Aちゃんの生まれた年に子持ちの幽霊さんを見るとは不思議な因縁を感じます。

この幽霊話には続きがあります。今日の夕刊に近くの看護短大の寮があるビルから若いお母さんが飛び降り自殺した記事が載ったのです。

飛び降りた階段のおどり場には遺書と1歳になる子どもの写真が置いてあったとありました。
母さんが幽霊さんを見たのはそのお母さんがまだ下界をさまよっていた時間に当たります。

母さんは小さい子どもを残して死ななければならなかったそのお母さんが、天国に行きあぐねて赤ちゃんを抱いてうちに現れたんだなと思いました。


Aちゃん、ベッドに置いたぬいぐるみのクーちゃんをお手々で持って移動させる。また一つの成長です。

「徹子の部屋」のゲスト、中原理恵さんのゴキブリの話で笑っていたら、Aちゃんもつられてキャッキャッと笑う。
こりゃ大変。母さんいつも笑ってなきゃいけないようです。

現役子育て母さんの日記をよく読ませていただいていますが、図らずもこんなところで書けました。
日記のところどころに貼ってある写真が若いのは当然ですが、文字も若いなあと感じます。


凡人^^の私が幽霊を感じたのは後にも先にもこの1回だけです。

 

 

 

コメント (2)
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