今日、下高井戸シネマで映画「この道は母へとつづく」を見てきました。
新聞に載っていて、見たいとずっと思っていたんです。私はどうも、少年に弱いんですよね。「さよなら子供たち」や「コーリャ愛のプラハ」、「コーラス」など、どうも、小さな子供が出てくる映画は見てしまいます。
そして、今回は、ロシアがたぶん舞台の、孤児院の少年がどうしても母親に会いたいと、養子縁組が決まっているのに脱走して探しに行くという、サスペンスともいえる映画でした。
見ているだけで、ロシアの冬の寒さが伝わってきそうでした。この厳冬のように、彼らの将来も、辛く厳しいもので、唯一の幸せになる道が、海外への養子縁組。でも、仲介者と孤児院とのお金のやり取りやら、ほかの孤児院の少年の年長者のギャングまがいの組織など、いろんな話が出てきます。それに翻弄されながらも、必死で文字を覚えて自分の母親探しのために鍵を手に入れて機密書類を見たいと願う、たった6歳の少年。それに、なんとか力を貸してあげる先輩の悪がきどもが、なかなかいいのです。たぶん、売春してお金を得ている先輩のお姉さんの、なんとも優しいこと。彼女が一番手を貸してくれたんだけれど、たしかに、どの人たちも、本当は悪くなく、いい人たちなんですよ。もちろん、仲介者も、手数料をがっぽり取るのでしょうけれど、本当に少年たちにとって養子縁組がいいことだと信じてやっているんだと思います。それが、現実にもたくさんある話なんでしょう。
そういえば、ブラジル映画の「セントラルステーション」でも、そういう養子縁組の話がありました。実は、臓器移植やそういうことに使うんじゃないかという話。本当に恵まれていい人生を送ることもあるけれど、そうじゃない場合もあるらしい・・・。
映画に出てくる孤児院は、本物だそうです。今も、そうやって親に捨てられる子供がいるんだってことです。でも、子供は、母親をどうしたって求めるものです。なぜ?それは、自分が母親から生まれてきたから。父親なんか、目じゃないです(そうです、男女ともにね)、母という存在が、どんなに象徴的か、どんなに幸せをもたらすか・・。それを思うと、もう切なくてたまりません。
いい映画でした。あの坊やのひたむきさに、みんなが力を合わせるのがうれしいです。母は、永遠の存在なんですね。