ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

本の整理をしていて・・・「終わりと始まり」

2022年10月20日 15時37分40秒 | 読書

 いくつか読んでもいない本を、なんとか整理しようと思っていたら、古本屋で買っていた池澤夏樹の「終わりと始まり」が出てきました。その時は、読もうと思っていたのに、すっかり本棚の片隅で眠らせてしまっていました。このエッセイ集は、朝日新聞に連載されていたものを本にしたもので、拾い読みしていて、このタイトルがポーランドの女性詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩から来ていることを知りました。本の最後に載っていたものをここに紹介します。まるで、今のウクライナの戦争そのもののようです。人類は、どうしてこのような惨禍を繰り返してしまうのでしょう。

終わりと始まり

戦争が終わるたびに
誰かが後片付けをしなければならない
物事がひとりでに
片づいてくれるわけではないのだから

誰かが瓦礫を道端に
押しやらなければならない
死体をいっぱい積んだ
荷車が通れるように

誰かがはまりこんで苦労しなければ
泥と灰の中に
長椅子のスプリングに
ガラスのかけらに
血まみれのぼろ布の中に

誰かが梁を運んで来なければならない
壁を支えるために
誰かが窓にガラスをはめ
ドアを戸口に据えつけなければ

それは写真うつりのいいものではないし
何年もの歳月が必要だ
カメラはすべてもう
別の戦争に出払っている

橋を作り直し
駅を新たに建てなければ
袖はまくりあげられて
ずたずたになるだろう

誰かがほうきを持ったまま
いまだに昔のことを思い出す
誰かがもぎ取られなかった首を振り
うなずきながら聞いている
しかし、すぐそばではもう
退屈した人たちが
そわそわし始めるだろう

誰かがときにはさらに
木の根元から
錆ついた論拠を掘り出し
ごみの山に運んでいくだろう

それがどういうことだったのか
知っていた人たちは
少ししか知らない人たちに
場所を譲らなければならない そして
少しよりももっと少ししか知らない人たちに
最後にはほとんど何も知らない人たちに

原因と結果を
覆って茂る草むらに
誰かが寝そべって
穂を噛みながら
雲に見とれなければならない              (沼野充義訳)

 

 

 

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伊藤詩織さんを中傷した自民党議員杉田水脈

2022年10月20日 15時23分53秒 | 社会

 負けましたよ、自民党杉田水脈議員、ザマーミロですよ。女性はみんな嘘をつくって、アンタだけだろう!

 民事で裁判で敗訴したこの杉田議員は、このまま国会議員を続けていていいの?例の旧統一教会も、民事裁判の敗訴もカウントされることになったし、杉田議員も、もっちろんうそつきの山際議員も、この先、議員を続けていいのかって思いますよ。何より、旧統一教会はもとより、自由民主党にも、解散命令を出してほしい!

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