ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇3月26日

2023年03月27日 19時50分03秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

青空に常念岳とコハクチョウ白さ際立つ安曇野の冬    長野市 塚田國雄

原発の稼働すすめる人達よ崩れ原発見に来てほしい    いわき市 馬目弘平

 一首目、冬の空気が透き通っている様子がうかがえて、とてもすがすがしい歌だと思いました。自然の雄大さに、動物も入ってとても気持ちがいい歌ですね。二首目、ウクライナ戦争でエネルギー危機になると、すぐに国は方針を変えて原発再稼働に動く。あの福島原発事故をどう思っているのか。許せないですね。

高野公彦選

麦踏みも落穂拾いも死語として老農ひとり乗るトラクター 三重県 種村正夫

 ポツンと一軒家では、周りに家があったのに、いつの間にか一軒だけになってしまったというケースがよくあります。集落も、人が減り、老人だけでなんとか農業を続けている、こんな悲しい国がありますか?とても自給自足ができない国って、本当にこれでいいのでしょうか。

永田和宏選

私ではだめかと言えずモカ飲みし煉瓦造りの喫茶店にて  下呂市 河尻伸子

 言えばよかったのでしょうか、青春の1ページのような光景です。だれもが、そんなことあったような。それぞれの人生に、必ず馴染みの喫茶店があるはず。私はよく、結婚前に彼と代々木のTOMという喫茶店で待ち合わせしていましたっけ。一人でくつろぐための喫茶店は、下北沢のカフェマルディグラ。今もあるんですよ、懐かしいです。そういえば最近は、そういう喫茶店がないなあ。家でドリップコーヒー飲んでいるからか、時間があればベローチェかドトールに行くだけみたいな・・・。でも、昔は喫茶店は確かに、文化だったような気がします。

馬場あき子選

もう一度楽器手に取る日が来れば愛を唄ふと銃持つ兵士   さいたま市 斎藤紀子

プーチン氏見るたびに思う大連にてソ連の兵が襲いきし夜  郡山市 遠藤雍子

 一首目、この矛盾が恐ろしいです。銃を持って戦わなくてはならないのに。だれだって人を殺したいとは思わないのに、国を守るためにそうしなくてはならないって、おかしい。どうして誰も戦争に反対をしないのか、反対できないというのがおかしくない?もう、そう言っても仕方ないのかもしれないけれど、納得いきません。二首目、ソ連は不可侵条約があるのに、日本の敗戦直前に満州を攻撃してきたのです。満蒙開拓で大勢の移民が、それも老人と女性と子どもだけなのに、ソ連兵は殺人とレイプを繰り返したのです。あれは戦争犯罪だと思います。私の知り合いも、その当時のことがトラウマになって、ソ連兵の事を「赤鬼」と言っていました。戦争の恐怖は、体験した人にしかわからないけれど、想像することはできます。どうか早くプーチンがくたばりますように。

 

コメント (2)
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