図書館から借りて、5日間くらいかな、分厚さもなんの!夢中で読み終えました。久しぶりに読書が楽しかったです。恩田陸さん、この本を書くのに取材から何から、十数年かけて書いたそうです。もともと、クラシックファンなのかと思うくらい、相当に知っていなくては書けないはず。うれしかったのは、バッハの平均律で、レオンハルトという名前が出てきたことです。知ってたんだ!でも、この本では、オリジナル楽器演奏については懐疑的でした。
まあ、少数派だからしょうがないのかな・・。でも、カラヤン路線を突き詰めた先には、何があるのか?とはいえ、昔の音楽を今生きている人間が演奏するのだから、その今の時代が当然、影響するし、どこまで再現するか、またはどこまで個性を出せるか。同じ曲でも奏者によってかわるものです。どう解釈するか、それはやはりその人の感性と蓄積された人生なのかな。そして、音楽家は、アスリートのように、演奏する日にピークをもっていかなくてはならない。テクニックと精神力、アスリートの要素のうえに「芸術」という要素が多くかかってくる、本当に大変な職業だと思います。
この小説で、浜松のコンクールにとても興味を覚えました。でも、聴く方だって、かなり大変・・。それでも、その場にいてその音を共有するという世界の素晴らしさは、味わったものにしかわからない世界です。
イヤホンなんかで聞く音楽、なんてつまらないのでしょうか。と、私は常に思っています。