TINKERBELL BLOG

茨城県取手市「美容室アトリエティンカーベル」ティンカーベルのスタッフを身近に感じていただければ嬉しいです

98座目(日本百名山)黒部五郎岳 その2

2016年05月20日 | Weblog
ご覧の通り北ノ俣岳を見上げると、雪が無いです。
去年とはだいぶ違いますね。

泥沼化した登山道を長靴でやり過ごした僕は、今夜のホテル『北ノ俣避難小屋』で荷を降ろしました。
いや~さすがに21kgは重かったです。特に食料が多すぎです。そんなに食べれないのにね。

モンベ〇のレインウエアはすこぶる調子よく、透湿性と保温性はとても快適でした。ほめるならゴアテックスのCニットという話でもありますが。
去年の薬師岳では、登山靴にゲーターを付けて隙間をガムテープでふさぐという小技を使いました。積雪量もけっこうあったので、泥沼区間が少なかった反面、踏み抜き(落とし穴を踏んだみたいにズボッと雪に潜ること)が多く、雪のうねりも激しかったのを覚えています。ルートファインディングも難しかったです。

小屋の中には僕独りとなりそうです。でもちょっと気楽かな。
去年は雪の中に水場が埋まっていて、水の調達が難しかったのを覚えています。雪も氷化してスコップも歯が立たなかったので、雪を溶かして水作りもままならずでした。
今年はすでにバンバン出てます。
夕食の支度をしながら寝床を作ります。そうだ、ラジオ持って来てたな…かけてみようっと。おー入る入る。
好みでもない音楽を聴きながら野菜入りラーメンを食べました。食器を忘れたのでカップ麺の容器をとっておいて、翌朝は白飯に豚の角煮丼コボウサラダ添えをこのカップ麺容器を使って食べました。食後にお汁粉もね。
特にやることも無いので、18時頃寝袋にもぐり込みました。ラジオを聴きながら寝たので、よく寝れたのかどうか分からないまま目覚めるとまだ21時でした。仕方なくまた寝ますが、翌日の行程を考えると微妙に緊張しているみたいです。次に目覚めると0時半でした。
もう寝ていても心地良くないので、起きてゆっくり支度する事にしました。

21kgを担いできた身体全体がきしんでいるのが分かります。
3時出発のつもりでしたが、2時に繰り上がりました。知らず知らずのうちに、時間的なアドバンテージを確保しておきたかったのでしょうね。
不要な荷物を避難小屋にデポして、ヨロヨロと歩き始めます。
月明かりと共に、天の川が天空を流れています。今日は予報通り良く晴れそうです。

コースタイム+30分で稜線に出ました。やっぱり疲れてます。もう少し真面目に軽量化しないとと反省する瞬間でもありました。
そのまま北ノ俣岳を目指します。この頃になるとだいぶ薬師岳の稜線が赤く染まり始めました。風が吹き上がってくると寒いです。いったん溶けた水溜まりがガラスのように凍りついて、足を置くとバリバリと音を立てています。

やがて北側の残雪が目に入って来ました。登山道が見え隠れするので、不用意にショートカットするとハイマツに行く手を阻まれてしまいます。
気温が落ちて硬くしまった雪の上を滑り落ちないように一歩一歩確実に進みます。トレース(足跡)も付かないほどの硬い斜面、キックステップもままならなくなったところでいやらしいトラバースを迎えました。
ここでピッケルを出し、12本爪のアイゼンを装着しました。緩んで外れないように何度も締め込み確実にね。そしてアイゼンの歯がしっかりと食い込んだのを確認してから次の一歩を出す。
夏道を歩くのとは全く違う感覚です。


その3へ続く。
コメント
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