TINKERBELL BLOG

茨城県取手市「美容室アトリエティンカーベル」ティンカーベルのスタッフを身近に感じていただければ嬉しいです

98座目(日本百名山)黒部五郎岳 その3

2016年05月22日 | Weblog
アイゼンを付けた足を誰もいない残雪の中に一歩ずつ置きながらトラバースしていきます。ガッガッと硬い音がします。ピッケルを差し込む腕にも力が必要でとても疲れます。

雪が緩んでくればアイゼン無しでも行けそうな感じですが、雪面が硬いと滑り落ちたらスピードが付きそうです。面倒臭がらずに脱着を繰り返します。3回ほど付けたり外したりしました。
画像の黒い部分はハイマツが浮き上がってきた部分です。ここを歩ける訳ではないので、こまめに観察してあまり登山道であろう部分を外さないように歩きます。
こんなところも残雪期の難しいところですね。幅ほんの3mぐらいのハイマツ帯を抜けるのすら苦労するので、今日は基本的に登山道を追うのがいいと感じました。

赤木岳、2575mピーク、中俣乗越、2578mピークを越えるといよいよ黒部五郎岳に向かう急登です。蛇行しながら上へ詰める登山道が見えています。
ちょっとホッとしていますが、あの傾斜に雪が付いていたら難易度は結構上がると思いました。
最後の山頂へ向かうところをどう抜けるのか行ってみないと分かりませんが、アイゼンを付ける場所はありそうです。

かなりの疲労感があります。
もともと登りに弱いので、仕方がないのですが年齢とともに益々時間がかかるようになりました。強い人が羨ましいです。
あと少しあと少しと上を見上げながら登り詰めると、やはり山頂へ上がる手前のところで登山道が雪に埋もれています。緊張するトラバースですが、それは疲労感のせいかもしれません。

山頂はさらに奥だと思っていましたが、登り切るとあっさりと山頂標識が目に飛び込んできました。
『やった!やった!』
すごくツラかったのでものすごく嬉しかったです。
素晴らしい天気、この上ない登山日和に恵まれて難関の黒部五郎岳を、それも大好きなこの残雪期に登ることが出来て満足感もひとしおです。

貸切の山頂で自由気ままに過ごし、食事をとってから下山体制に入ります。
雪が程よく緩んできてアイゼンの歯がよく刺さります。下山には雪の斜面を選択しました。ちょっと恐いけど今の時間なら大丈夫と判断して降りて行きました。基本に忠実に慌てることなく、ボトムまでゆっくりとかつ速やかに。

往路で使ったトレースが残っていないので(雪が硬くて付かなかった)、GPSの軌跡をもとに効率的なルートを考えます。2度ハイマツに阻まれてしまいましたが、なんとかそれをやり過ごすコツも掴んで上手く抜けることが出来ました。
だいぶ雪が緩んできたので、アイゼンを着けるシーンは山頂からの下降といやらしく感じたトラバース以外はツボ足とストックで行けました。
もちろんキックステップ多用なので疲れますし時間もかかります。
グッタリうずくまったりするので、誰もいないと思い切りだらしなくなれるのが好きです。

おっ?
この山に入って初めての登山者発見。北ノ俣分岐に男女の姿がありました。挨拶して少し話かけると、日本人じゃないです。
へ~、この時期に日本の山に登りにきたのかなぁ…すごい。女性の方はニッコリ会釈をしただけでした。
横をスルーして避難小屋までの下りに入ります。
軽快に下っていると、後ろから飛び降りるような足音が近づいて来ました。
えっ?


その4に続く。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする