剱御前をあとにし、別山へ向かいます。
小屋のおばちゃんが『今日は別山からの劔岳の眺めが最高だよー』と言ってくれて、ガッツポーズしてくれました。
別山は南峰の奧に北峰があります。
北峰の方が高いし劔岳に近いので、もちろんそこまで行きます。
M谷くんとセルフタイマーで記念撮影していると、3人組のおじさんたちが到着です。
『すみません、ちょろっと押して頂けますか?』
快く引き受けて下さいました。おかげでいい写真が撮れました。
そこから見た劔岳は本当に素晴らしい姿でした。
実は僕、日本百名山の100座目に残しているのが劔岳なんです。今日目の前まで来て登らないなんてあり得ないような感じですが、いいのです。
100座目の劔岳は裏側の早月尾根と決めているから…。
ふと剱御前に目をやると、さっき登ったピークの先に2つのピークが見えました。おそるおそるGPSで確認すると山頂標識があったのは本当の剱御前とは言えなさそうです。
どうするか…。
山頂標識の先には三角点があり、そこから先は崩落による通行止めとなっています。
戻って登り直すか…。
でもM谷くんもいるし…。
言い出せないまま歩みを進めます。
別山から真砂岳までは一旦大きく下降します。登ってくる人はみんなツラそうです。
もし、戻るとすればここを登り返すのか…。
そうこうしてるうちに、真砂岳への登りに取り付きます。ここもそれなりに大変だなぁ。
真砂岳の山頂に到着しました。
思い切ってM谷くんに話してみます。
『さっきの剱御前なんだけど、やっぱりあそこから奧にあるピークが本来の剱御前みたいなんだ。でさ、俺戻って登り直そうかと思うんだ』
『えーっ!マジで?』
『そこで相談なんだけど、M谷くんはすぐそこの大走りの下山コースでテントに戻るか、俺と一緒に来た道を戻るか、このまま尾根伝いに立山最高峰の大汝山と主峰の雄山を縦走してテントまで戻るか決めて欲しいんだ』
『戻るのは絶対いやだ。じゃ雄山に行ってみる』
そこから見える鳥居が雄山なのだと分かると、やはり主峰も登ってみたいですよね。さすがM谷くん。
『じゃテント場で落ち合おう。くれぐれも道を間違えないように』と念を押して別れます。
ちょっと不安だけど、立山自体が全体を見渡せるので間違ったとしても戻れないことはないでしょう。
それに、ヤマップのアプリも入れているし確認しながら来れば問題ないですよね。
M谷くんのルートで雷鳥沢キャンプ場に戻れるのが180分、僕が剱御前に登り返して雷鳥坂を下りキャンプ場に戻れるのが235分。
その差45分。
間違いなくM谷くんの方が早い到着になるはずです。
剱御前に取り付く前に電話してみました。
『もしもーし、今から剱御前に取り付きます。そちらは?』
『あと100mぐらいで小屋だよ』
おーさすが早い。
もう一ノ越か、どう考えてもM谷くんが早そうだぞ。
『じゃあさ、先に着いたらテントの裏出して乾かしておいて欲しいんだ』
『オッケー分かった』
電話を切って剱御前に向かいます。
ちくしょう頑張るぞ!
一人だけおじさまとすれ違いました。『素晴らしいですねー』と辺りを指さしてニッコリしてました。
その通りです。今日は夏山シーズンの中でも数少ない最高の日と言えるでしょう。
三角点に向かう岩場は気の抜けない道でした。これは危険度が高めだな。今日は風も無く天候が良いから問題ないけど、少々荒れた日だと滑落の危険性が高そうです。なるほど。
山頂標識を手前に持ってきた理由はこれかも…。
そこから先三角点までは先ほどのおじさまと思われる足跡一つだけでした。
劔岳の眺めと登山道を埋め尽くすお花畑が素晴らしい。おじさまの言葉が再び聞こえてきたような気がしました。
そして三角点に到達です。
久しぶりの爽やかな達成感。
さあM谷くんが待ってるぞ。
ゆっくりしている暇はないんだ。
画像は足もとを光らせて歩くM谷くんです。
その6へ続きます。
小屋のおばちゃんが『今日は別山からの劔岳の眺めが最高だよー』と言ってくれて、ガッツポーズしてくれました。
別山は南峰の奧に北峰があります。
北峰の方が高いし劔岳に近いので、もちろんそこまで行きます。
M谷くんとセルフタイマーで記念撮影していると、3人組のおじさんたちが到着です。
『すみません、ちょろっと押して頂けますか?』
快く引き受けて下さいました。おかげでいい写真が撮れました。
そこから見た劔岳は本当に素晴らしい姿でした。
実は僕、日本百名山の100座目に残しているのが劔岳なんです。今日目の前まで来て登らないなんてあり得ないような感じですが、いいのです。
100座目の劔岳は裏側の早月尾根と決めているから…。
ふと剱御前に目をやると、さっき登ったピークの先に2つのピークが見えました。おそるおそるGPSで確認すると山頂標識があったのは本当の剱御前とは言えなさそうです。
どうするか…。
山頂標識の先には三角点があり、そこから先は崩落による通行止めとなっています。
戻って登り直すか…。
でもM谷くんもいるし…。
言い出せないまま歩みを進めます。
別山から真砂岳までは一旦大きく下降します。登ってくる人はみんなツラそうです。
もし、戻るとすればここを登り返すのか…。
そうこうしてるうちに、真砂岳への登りに取り付きます。ここもそれなりに大変だなぁ。
真砂岳の山頂に到着しました。
思い切ってM谷くんに話してみます。
『さっきの剱御前なんだけど、やっぱりあそこから奧にあるピークが本来の剱御前みたいなんだ。でさ、俺戻って登り直そうかと思うんだ』
『えーっ!マジで?』
『そこで相談なんだけど、M谷くんはすぐそこの大走りの下山コースでテントに戻るか、俺と一緒に来た道を戻るか、このまま尾根伝いに立山最高峰の大汝山と主峰の雄山を縦走してテントまで戻るか決めて欲しいんだ』
『戻るのは絶対いやだ。じゃ雄山に行ってみる』
そこから見える鳥居が雄山なのだと分かると、やはり主峰も登ってみたいですよね。さすがM谷くん。
『じゃテント場で落ち合おう。くれぐれも道を間違えないように』と念を押して別れます。
ちょっと不安だけど、立山自体が全体を見渡せるので間違ったとしても戻れないことはないでしょう。
それに、ヤマップのアプリも入れているし確認しながら来れば問題ないですよね。
M谷くんのルートで雷鳥沢キャンプ場に戻れるのが180分、僕が剱御前に登り返して雷鳥坂を下りキャンプ場に戻れるのが235分。
その差45分。
間違いなくM谷くんの方が早い到着になるはずです。
剱御前に取り付く前に電話してみました。
『もしもーし、今から剱御前に取り付きます。そちらは?』
『あと100mぐらいで小屋だよ』
おーさすが早い。
もう一ノ越か、どう考えてもM谷くんが早そうだぞ。
『じゃあさ、先に着いたらテントの裏出して乾かしておいて欲しいんだ』
『オッケー分かった』
電話を切って剱御前に向かいます。
ちくしょう頑張るぞ!
一人だけおじさまとすれ違いました。『素晴らしいですねー』と辺りを指さしてニッコリしてました。
その通りです。今日は夏山シーズンの中でも数少ない最高の日と言えるでしょう。
三角点に向かう岩場は気の抜けない道でした。これは危険度が高めだな。今日は風も無く天候が良いから問題ないけど、少々荒れた日だと滑落の危険性が高そうです。なるほど。
山頂標識を手前に持ってきた理由はこれかも…。
そこから先三角点までは先ほどのおじさまと思われる足跡一つだけでした。
劔岳の眺めと登山道を埋め尽くすお花畑が素晴らしい。おじさまの言葉が再び聞こえてきたような気がしました。
そして三角点に到達です。
久しぶりの爽やかな達成感。
さあM谷くんが待ってるぞ。
ゆっくりしている暇はないんだ。
画像は足もとを光らせて歩くM谷くんです。
その6へ続きます。