原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

私立中学受験提出書類の落とし穴

2007年12月11日 | 教育・学校
 受験シーズンが近づきつつあるので、前々回に引き続き私立中学受験にまつわる話をしよう。
 表題に「落とし穴」などという受験生の皆さんにとっては縁起でもない言葉を使用してしまい申し訳ない限りであるが、他に適切な言葉が浮かばないため何卒ご容赦願いたい。

 さて、この時期は既に受験出願書類を入手されている方も多いこととお察しする。

 その中のひとつ、まずは願書であるが、近年の願書は個人情報保護の観点からかその内容はずい分とあっさりしていて好ましい傾向であると言えよう。

 ところが、我が家の場合2年前に子どもが私立中学受験を経験したのだが、この願書に頭を痛めるはめになった。
 第一志望校の受験者氏名が戸籍名限定であった故だ。 話すと長いが、我が子は普段戸籍名ではなく通称を使用している。 その理由はカタカナで命名(古代ギリシャ語から引用)したため、純粋な日本人であるにもかかわらず外国人に間違われる現象が多発し、やむを得ず普段はひらがなを使用することにしているためだ。 幼少の頃よりずっとひらがな名を使用させているため、今さら受験のためだけに戸籍名を書かせることには違和感があり、受験学校に問い合わせをした。 事情を話し通称の使用の許可を願い出たのだが、その応えは「No.」である。 すっかり落胆させられてしまった。 この学校に入りたくて親子共々努力を重ねてきたのに、受験直前の出願の段階になってこんな理不尽な横槍が入ろうとは考えてもいなかった。
 私としてはこの“No回答”にはどうしても納得がいかず、受験校ともっと議論を重ねようと考えた。 だが、こんなことで親がマイナス要因を作って子どもの足を引っ張るのも子どもに申し訳ないため踏みとどまり、やむを得ず戸籍名を記入させることとなった。 (結局不合格となったのだが、やはり親の私がこの件で出過ぎたのだろうかとも思う。 学校現場にとって小うるさい保護者ほど扱いにくいものはないことは、元教員の立場からも重々承知だ。)

 次はこの願書に貼る写真だが、上記の我が子の第一志望校はフォトスタジオでのプロ撮影写真限定だった。(すなわち、スピード写真は禁止。) まったく何でこんなくだらないことにばかりこだわるのか嫌気がさしつつ、指定であるためやむを得ず写真館にて撮影した。

 そして、今時減少傾向にはあるが「報告書」の提出を義務付ける学校がいまだ存在する。 またもや、我が子の第一志望校がこれに該当するのだが、これには難儀させられた。
 と言うのも、この「報告書」は小6の担任が記載するのだ通例だが、運悪く我が子は私立進学に否定的な見解の担任に当たっており、学年当初より私立受験生への風当たりが強かったのだ。 それを直ぐに察した私は子どもには決して私立受験を口外しないよう促し、この時期まで受験を隠し通していた。 この「報告書」の作成を依頼することにより担任に私立受験がバレて、受験勉強妨害されることを大いに懸念したのだ。(信じられないような話だが、この担任、受験生をわざと居残りさせる等あの手この手の嫌がらせをするのだ。)頭を悩ませた私は、願書提出締め切り間際の1月末にこの「報告書」の作成を担任に依頼することにした。まったく苦肉の策でこの「報告書」にもほとほと苦労させられた。
 これに対し、通知表のコピーの提出を要求する学校は多いが、この場合は自分で勝手にコピーすれば済むためまだしも対応しやすい。
 この「報告書」の存在につき元々否定的見解の私は、第一志望校の学校説明会の個人面談の折に、この「報告書」の位置づけの確認や提出が強制であるのか等の質問をした。 その回答は当然ながら提出は強制とのこと、そして位置づけは“参考程度”とのことであった。 
 “参考程度”であるならば、もう廃止してはいかがでしょうかねえ、まだ「報告書」の提出にこだわっている私学受験担当者の皆さん。 上記のごとく担任が生徒の「報告書」を書ける程生徒を理解しているとは思えないし、また「報告書」って不透明感があって受験者にとってはマイナスイメージですよ。 


 以上のように、受験生の保護者の方々は提出書類に関するご苦労も多いことと存じます。
 何はともあれ受験本番まであともう少しです。 受験生ご本人の健康管理に留意されて、良い結果を出される事をお祈りしております。  
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