原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

年は取ったが頭は負けん!

2008年04月04日 | 医学・医療・介護
 “年は取ったが頭は負けん”、このタイトルがすっかり気に入っちゃいましたので、朝日新聞記事より丸ごと拝借しました。朝日新聞さん、無断転載をどうかお許し下さいませ。


 さて、3月31日(月)朝日新聞朝刊科学面に同タイトルの記事が掲載された。
 これによると、お年寄りは体力勝負だと若手に負けるが、脳のはたらきは若手に負けていない、そんな事実が京都大学の桜井芳雄教授(心理学)によるネズミの実験でわかったとのことである。

 以下に記事の内容を要約する。
 実験対象は、人間でいえば30~40歳にあたる若手ネズミと80歳くらいの高齢ネズミ。実験内容は“体力”と“脳のはたらき”の「若手」と「高齢」両者間の比較である。
 体力勝負の実験においては両者の体力差は歴然で、明らかに「若手」優位の結果となった。
 一方、脳の実験にはこの研究室独自開発の装置を使用し、脳の記憶をつかさどる海馬に細い針を刺し、脳が何かを思い出すなどして脳神経の信号が検知されたらエサが出る仕組みを利用した。その結果、「高齢」は最初の10分間は1分間に3個しかエサが取れなかったが、エサを出す方法を脳が学習し40分後には1分間に9個のエサを取れるようになった。「若手」も最初の10分間は平均3個で、40分後には同11個という結果となった。脳実験の結論としては、両者の脳のはたらきぶりには体力差ほど大きな差はなかった。
 桜井教授曰く、「お年寄りがリハビリで体力を回復させることは、脳の力を十分に引き出せるようにするという意味でも大変重要だ。」
 

 例えば、脳梗塞で倒れ半身不随になった後、リハビリにより社会復帰できるまでに回復した事例は今や少数ではなく、医学分野においてリハビリの有効性は既に実証されてきている。

 特別な病気をした後のリハビリの有効性に限らず、普段より頭を使えば使うほど脳が活性化されることは周知の事実である。
 私事で恐縮だが、私の半生は日々勉学の積み重ねである。30歳代半ばで修士を取得し、その後も高校教員として教材研究に勤しみ、出産後は我が子のお抱え家庭教師として君臨しつつ税理士試験勉強にも励み、そして現在はほぼ1日置きにブログでオピニオンを綴る日々である。おそらく、平均的一般人よりも頭を酷使してきている人種であろうと思う。頭を使う事が長年の日課となっており、頭が使えない状況になると禁断症状が出てきて落ち着かない気分にさえなる。そんな私でも、頭の老化を実感する今日この頃である。もっと冴えた頭脳が欲しい、維持し続けたいとの願いが常にある。

 加齢と共にどんどんガタがくる体と、しわだらけでよれよれになっていく外見…。気に入らないけれど受け入れざるを得ない。今後更なる加齢と共にますますそのスピードが加速していくことであろう。
 だが、頭だけはいつまでもクリアでいたいものだ。やはり、人間肝心かなめは脳のはたらきである。たとえ、外見の醜さに若い世代から“ババア”と呼ばれ後ろ指をさされようとも、脳のはたらきさえしっかりしていれば世の中相手が誰であれ対等に渡っていける。

 もちろん、脳のはたらきを支えているのは体全体であるため、体を鍛えバランス良く栄養、休養を取り体力を維持することも肝要である。
 「年は取ったが頭は負けん!」この勢いを失わず、脳の活性化に日々精進したいものである。
   
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