原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

個人情報漏洩と悪徳商法

2008年05月23日 | その他オピニオン
 先日、私の携帯電話の通話の呼び出し音が鳴る。嫌な予感がする。なぜならば、私は携帯電話はメール機能以外はほとんど使用していないに等しく、滅多な事で通話呼び出し音が鳴るはずがないからだ。

 とりあえずそのまま放置して様子を見た。留守録が作動し、発信者は何がしかを録音している様子だ。

 録音が終わった様子なので、さて聞いてみよう。

 案の定である。
 聞いたこともない化粧品会社の担当者の●●と名乗る女性からの電話で「先日お客様が申し込まれた無料サンプルを○○運送便にて発送したが、届きましたでしょうか。万が一届いていない場合は会社の方までご連絡下さいますように。」との録音である。そのような無料サンプルの申し込みは一切していない。寝耳に水の電話である。
 何かの手違いか、誰かのいたずらか、はたまた、間違い電話か??? 少し気味が悪い。
 ははあ、少し読めてきたぞ。これは新手の悪徳商法に違いない。これだけ“振り込め詐欺”等が横行し警戒している人々が多い時代に、顧客をうまく勧誘するかあるいは商品を強引に売りつける新手口であろうと推測した。
 仮にこのような電話を受け取った場合、通常「いいえ、そのような無料サンプルの申し込みはしていませんが。」と応対する。するとすかさず「では、お送り致しますので、ご氏名、ご住所等をお教え下さい、等々…。」と返してくるのであろう。後は執拗な押し売りとなるのがお見通しである。 
 とにかく、電話に出ず留守録対応にしたのは大正解で、この種の電話は無視を押し通すに限る。


 いずれにしても、私の携帯電話番号という個人情報がどこかから漏洩していることは間違いない。
 私の場合、冒頭で書いた通り携帯通話はほとんど使用していないため、携帯電話番号をやたら滅多ら公開してもいない。そのため個人情報の公開先が自分で特定できるのだ。
 そこで私の携帯電話番号の公開先を思い出しつつ、誰が私の個人情報を漏らしたのか、その利害関係等をあれこれと詮索してみた。(もしも痛くない腹を探られた方がこの記事をお読みいただいておりましたら、この場で失礼をお詫び申し上げます。)

 一番疑わしきはネット通販会社等の商品売買取引関係である。ショッピングの初期登録時に種々の個人情報を登録するシステムとなっている。こちらとしては個人情報保護の観点から、最低限の情報の入力にとどめたいのであるが、大抵は必須項目と称して種々の個人情報を入力しないと先に進めない登録システムとなっている。おそらくここで入力した携帯電話番号が何らかの理由により外部に漏洩している可能性が高い。表向きにはどこの通販会社も個人情報を目的外に使用しないことを明記しているのだが、個人情報の裏取引等がなされている危険性は否定できないのではなかろうか。

 
 話が変わるが、近年0120発信によるセールス電話が横行している。大手電信会社等の比較的知名度の高い企業がこの手口を使い家庭に電話をしてくる。0120発信の電話には私は一切出ないのであるが、しつこく何度も何度もかけてきて呼び出し音がうるさいため、着信拒否の手段を取ることになる。
 顧客にとって真にメリットを享受できる商品を紹介したいのなら、これ程広告手段が多様化した今の時代に他の宣伝媒体はいくらでもあろうに、何故に家庭にセールス電話をかけてよこすのか。電話というのはオペレーターの人件費だけで済む割には個別対応であるため売買契約の成約率が高くコストパフォーマンスが高いのであろうか。
 バックナンバー記事「今時電話使っているの?」で既述したが、突然の電話とは暴力に近いものがある。加えて一体個人情報をどこで入手したのか計りかねるが、本人が目的外の使用を同意していない個人情報を勝手にセールスに使用するのは個人情報の濫用にあたることを、発信者は肝に銘じるべきである。


 いずれにしても、個人情報とは公開してしまうと必ずや漏洩するものであると認識した上で、個々人が慎重に対応していくしか防衛策はないようである。
  
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