いやはや…。 いつ何時“イケメン”に出会ったとて決して損した感覚は無いものだが…
表題のごとく、“この職種にそのイケメン度、必要ありか?” とすら驚かされる“場違いイケメン”に遭遇する機会があるものだ。
真面目な話題に戻そう。
一昨日、少し久しぶりに義母の病院受診付添いを実行した。
今回の義母からの電話は、補聴器に関する訴えだった。
耳の聞こえにくさが悪化する義母は、5年程前より補聴器に依存している。
ところが、この補聴器に関して苦労が絶えない義母でありその保証人の私と亭主だ。
まず補聴器を購入した当初より、「落とした」「また、落とした」の連続訴えだ。
無くしてしまっては仕方がない。 再度、再再度補聴器を作り直した。 (参考だが、補聴器とは医療保険適用外であり、実費の自己負担となる。 補聴器を利用されている方々はご存知だろうが、かなりの高額だ。 数十万円の損失計上也。
その後チェーン利用により、「落とす」事は無くなったものの…。
そもそも、補聴器とは義母に限らず誰しも聞き取りにくい代物らしい。 耳に取り付けにくいし、すぐに外れてしまう特質もあり、特に認知症者にとっては付けたつもりが付いていなかったり、歪んでいたりとトラブル多発のようだ。
しかも特に電話の音声が聞き取りにくいらしく、義母からの電話の都度、「聞こえない」の繰り返しで会話になりやしない。 近頃は義母からの電話がめっきり減って楽だったのだが…
さて、昨日の耳鼻科ではまず医師による診察と耳垢除去措置から実施された。
この医院では付添い人も診察室入室OKとの事で、私も義母に同行した。
「荷物をそちらに置いて下さい」との医師の指示だが、案の定義母は聞き取れていない。 いつもこうなのだろうと想像しつつ、私がサポートして荷物を置いた。
(臨床医先生方にお願いしたいのだが、高齢者は耳の聞こえが悪かったり認知症状があったりして、医師先生の指示を聞き取れないのが通常と認識していただけないものだろうか? 従って、患者がすぐ指示に従えなくともいきなり怒ったり、付添い人や看護師に対して「アンタがちゃんと言え!」等と指導し始める事態は最低限避けていただきたいものだ。)
私が一緒だったのに義母が安堵していたのか、診察と措置は難なく無事終了した。
今回の耳鼻科受診は、「どうしても今使用中の補聴器が聞こえない」との義母の訴えを尊重して、またもや新しい補聴器に作り変えそれを装着するのが第一の目的だった。
その担当は耳鼻科に出入りしている補聴器会社からの出向者が受け持っているとのことで、その順番待ちをした。
そして、その担当者に名前を呼ばれたのだが。
これが、ビックリ仰天!
これ以上のイケメンは世に存在しないだろうと表現するべくイケメンだったのだ!!
お顔はまるでギリシャ彫刻のごとくホリが深く、しかも小顔。 身長は180㎝を超えていて、均整の取れた体格。 しかも、ハゲ始めているとか、白髪がちらほらとか、猫背が痛いとか、実は短足とか、そういう各部所の欠陥も一切無いのだ! (私もよくぞまあ、ほんの短時間ですべてのイケメン度チェックを成したものだが) 更にはその体型にして当然のごとく、背広スーツの上着を脱いだ姿がばっちり決まっている。
へえ。 義母って、いつもこのイケメン氏に補聴器を作ってもらっていたんだ。と妙に感動しつつ…
さてさて真面目に付き添い役を果たさねば、と気持ちを切り替えて。
補聴器調整室へ義母と二人で入ると、さっそくイケメン氏が名刺を手渡してくれた。
ここから早速、義母の認知症状披露が始まる。
「あのね、先生。 補聴器が聞こえなくて困っているの。 つけ方が悪いのかしら。それから電話も困っているのよ。 電池はいつ入れ替えればいいのかしら…」
いつもながら矢継ぎ早、かつ繰り返しの義母の訴えを一通り聞いた後、イケメン氏が応えて、「ご質問に一つ一つお応えしますので、まず質問内容を整理しましょう。」 私が内心で(よく出来たイケメンだなあ。)と思っていると。
それにもかかわらず、義母の口からは繰り返し発言がとめどなく湧き出てくる。
そこでイケメン氏が、義母の話を遮ってメモしていた質疑に関して応え始める。
この時のイケメン氏の丁寧な回答により、私は補聴器に対する義母の認識及び取り扱い方の過ちを初めて論理的に理解出来た思いだった。
その事実を今度は私からイケメン氏に伝えた。「もしかしたら、義母は補聴器の付け方も電話時の受話器の位置も、更には電池交換の仕方も誤っているかもしれません。 ただもはや、義母はそれらを単独で成すに値する能力を失墜している恐れもあります。」
この我が訴えに関してイケメン氏が、「本日、今一度お義母さまに私の方からそれらを実践していただきつつお教えします。」
それを実践して下さりつつ、義母も再度補聴器の扱い方を自分自身で学び直したようだ。
ただ、大きく不安が残る私は再度イケメン氏に訴えた。 「今は懇切丁寧に補聴器使用方法を再度ご伝授頂きましたので、義母もそれが出来ましたが…。 施設へ戻って一人になると、またすべてを忘れ去って何も出来なくなるとの懸念点が大きいのも事実です。」
まあそうだとした場合も、10月の1カ月点検時に今一度イケメン氏が立ち会って下さるし、その後も2年間の保証期間があるため、もし付き添いの私からの要望があるようなら「いつでも名刺に記載してある連絡先に連絡をいただければ対処する」、とのイケメン氏よりの回答だった。
このイケメン氏の対応で必要十分だろう。
と思っていた矢先、昨日義母から電話があった。
「あのね、補聴器を作り変えたのにちっとも聞こえないのよ。 この電話の〇子さん(私の事)の声も聞こえない。 おかしいわねえ。」
(昨日補聴器の扱い方を練習したばかりなのに、おかしいのは貴女の頭!!)と言いたい思いを封印して「10月にまた補聴器1ヶ月点検に私が付き添いますから、その時に再度担当者に相談しましょうね。」と話を濁さない事には、義母の“補聴器聞こえない地獄”から私は開放され得ない。
いくら補聴器担当者氏がイケメンであろうが説明力があろうが、認知症高齢者には誰も勝てない事実を実感させられた、一昨日の義母耳鼻科付き添いの虚しい生業(なりわい)だった…。
表題のごとく、“この職種にそのイケメン度、必要ありか?” とすら驚かされる“場違いイケメン”に遭遇する機会があるものだ。
真面目な話題に戻そう。
一昨日、少し久しぶりに義母の病院受診付添いを実行した。
今回の義母からの電話は、補聴器に関する訴えだった。
耳の聞こえにくさが悪化する義母は、5年程前より補聴器に依存している。
ところが、この補聴器に関して苦労が絶えない義母でありその保証人の私と亭主だ。
まず補聴器を購入した当初より、「落とした」「また、落とした」の連続訴えだ。
無くしてしまっては仕方がない。 再度、再再度補聴器を作り直した。 (参考だが、補聴器とは医療保険適用外であり、実費の自己負担となる。 補聴器を利用されている方々はご存知だろうが、かなりの高額だ。 数十万円の損失計上也。
その後チェーン利用により、「落とす」事は無くなったものの…。
そもそも、補聴器とは義母に限らず誰しも聞き取りにくい代物らしい。 耳に取り付けにくいし、すぐに外れてしまう特質もあり、特に認知症者にとっては付けたつもりが付いていなかったり、歪んでいたりとトラブル多発のようだ。
しかも特に電話の音声が聞き取りにくいらしく、義母からの電話の都度、「聞こえない」の繰り返しで会話になりやしない。 近頃は義母からの電話がめっきり減って楽だったのだが…
さて、昨日の耳鼻科ではまず医師による診察と耳垢除去措置から実施された。
この医院では付添い人も診察室入室OKとの事で、私も義母に同行した。
「荷物をそちらに置いて下さい」との医師の指示だが、案の定義母は聞き取れていない。 いつもこうなのだろうと想像しつつ、私がサポートして荷物を置いた。
(臨床医先生方にお願いしたいのだが、高齢者は耳の聞こえが悪かったり認知症状があったりして、医師先生の指示を聞き取れないのが通常と認識していただけないものだろうか? 従って、患者がすぐ指示に従えなくともいきなり怒ったり、付添い人や看護師に対して「アンタがちゃんと言え!」等と指導し始める事態は最低限避けていただきたいものだ。)
私が一緒だったのに義母が安堵していたのか、診察と措置は難なく無事終了した。
今回の耳鼻科受診は、「どうしても今使用中の補聴器が聞こえない」との義母の訴えを尊重して、またもや新しい補聴器に作り変えそれを装着するのが第一の目的だった。
その担当は耳鼻科に出入りしている補聴器会社からの出向者が受け持っているとのことで、その順番待ちをした。
そして、その担当者に名前を呼ばれたのだが。
これが、ビックリ仰天!
これ以上のイケメンは世に存在しないだろうと表現するべくイケメンだったのだ!!
お顔はまるでギリシャ彫刻のごとくホリが深く、しかも小顔。 身長は180㎝を超えていて、均整の取れた体格。 しかも、ハゲ始めているとか、白髪がちらほらとか、猫背が痛いとか、実は短足とか、そういう各部所の欠陥も一切無いのだ! (私もよくぞまあ、ほんの短時間ですべてのイケメン度チェックを成したものだが) 更にはその体型にして当然のごとく、背広スーツの上着を脱いだ姿がばっちり決まっている。
へえ。 義母って、いつもこのイケメン氏に補聴器を作ってもらっていたんだ。と妙に感動しつつ…
さてさて真面目に付き添い役を果たさねば、と気持ちを切り替えて。
補聴器調整室へ義母と二人で入ると、さっそくイケメン氏が名刺を手渡してくれた。
ここから早速、義母の認知症状披露が始まる。
「あのね、先生。 補聴器が聞こえなくて困っているの。 つけ方が悪いのかしら。それから電話も困っているのよ。 電池はいつ入れ替えればいいのかしら…」
いつもながら矢継ぎ早、かつ繰り返しの義母の訴えを一通り聞いた後、イケメン氏が応えて、「ご質問に一つ一つお応えしますので、まず質問内容を整理しましょう。」 私が内心で(よく出来たイケメンだなあ。)と思っていると。
それにもかかわらず、義母の口からは繰り返し発言がとめどなく湧き出てくる。
そこでイケメン氏が、義母の話を遮ってメモしていた質疑に関して応え始める。
この時のイケメン氏の丁寧な回答により、私は補聴器に対する義母の認識及び取り扱い方の過ちを初めて論理的に理解出来た思いだった。
その事実を今度は私からイケメン氏に伝えた。「もしかしたら、義母は補聴器の付け方も電話時の受話器の位置も、更には電池交換の仕方も誤っているかもしれません。 ただもはや、義母はそれらを単独で成すに値する能力を失墜している恐れもあります。」
この我が訴えに関してイケメン氏が、「本日、今一度お義母さまに私の方からそれらを実践していただきつつお教えします。」
それを実践して下さりつつ、義母も再度補聴器の扱い方を自分自身で学び直したようだ。
ただ、大きく不安が残る私は再度イケメン氏に訴えた。 「今は懇切丁寧に補聴器使用方法を再度ご伝授頂きましたので、義母もそれが出来ましたが…。 施設へ戻って一人になると、またすべてを忘れ去って何も出来なくなるとの懸念点が大きいのも事実です。」
まあそうだとした場合も、10月の1カ月点検時に今一度イケメン氏が立ち会って下さるし、その後も2年間の保証期間があるため、もし付き添いの私からの要望があるようなら「いつでも名刺に記載してある連絡先に連絡をいただければ対処する」、とのイケメン氏よりの回答だった。
このイケメン氏の対応で必要十分だろう。
と思っていた矢先、昨日義母から電話があった。
「あのね、補聴器を作り変えたのにちっとも聞こえないのよ。 この電話の〇子さん(私の事)の声も聞こえない。 おかしいわねえ。」
(昨日補聴器の扱い方を練習したばかりなのに、おかしいのは貴女の頭!!)と言いたい思いを封印して「10月にまた補聴器1ヶ月点検に私が付き添いますから、その時に再度担当者に相談しましょうね。」と話を濁さない事には、義母の“補聴器聞こえない地獄”から私は開放され得ない。
いくら補聴器担当者氏がイケメンであろうが説明力があろうが、認知症高齢者には誰も勝てない事実を実感させられた、一昨日の義母耳鼻科付き添いの虚しい生業(なりわい)だった…。