原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

この春、我が娘がロングヘアをバッサリ!切りました

2019年03月14日 | 自己実現
 (写真は、娘ではなく原左都子本人が28歳頃の写真。 大雨の富士急ハイランドにて。 ご覧のように、長き独身時代を通してずっとロングヘアを貫いていた。)



 長き独身時代を通してロングヘアを貫いていた私が髪の毛をバッサリ切ったのは、晩婚・高齢にて娘を妊娠した直後期だった。

 その理由とは他の何故でもなく、“これからは、母としてこの子を守ろう!”なる私なりの決意であり覚悟であったものだ。
 その頃、妊娠初期妊婦として“つわり”に悩まされてはいたが、未だお腹がまったく目立たない時期だった。

 当時は高校教員時代だったが、未だ職場で妊娠を公表していない時期の私がロングヘアをバッサリ切った姿で出勤すると。
 我が姿を見た皆(教職員及び生徒達)から、驚きの声と共に様々な感想が降り注いだものだ。
 まあ、教員達はさすがに比較的冷静だった。 まさか、「どうしたの!?? 何で切ったの?!!」と騒ぐ人はいない。 「意外と違和感無いねえ」「それも似合っているね」程度の反応だ。

 片や、生徒達の反応は全く異なる。
 一番多かったのが、「どうして切ったの、もったいない。」 あるいは「それも、いいよ!」と反応が二分する。
 男子生徒の中には、「何で切ったの!?」 「女が髪切っちゃダメだよ!」 「もうガッカリだよ…」と黄色いくちばしでの批判派が少なからず出現したものだ。 
 そんな可愛らしい生徒達に妊娠の事実がバレたのは、我が断髪から2ヶ月程経過し薄着になった夏頃だった。 


 ところで、この私が中高・独身時代との長きに渡りロングヘアを貫いたのには理由がある。

 我が実親ども(特に母親))が、娘二人が幼き頃より小学生時期にかけて“髪をのばす”事に対する「御法度令」を出していたのだ。 何故ならば、娘の髪を結ってやろうなどとの趣味も時間も一切無い共働きの母が、それこそが“自分が楽”との身勝手な事実に終結する。
 少しでも髪が伸びたならば、近くの床屋へ行って“おかっぱ頭”にすることを命じられていた。
 小学校高学年期にそれに反発した我々姉妹は、「中学生になったら自分で髪を結うから、ロングヘアを認めて欲しい!」との嘆願を親どもに出した。
 それに同意した親どもに対する大いなる反発心もあったのだろう。 我々姉妹はその後ずっとロングヘアを貫く人生を歩んで来た。 (私自身に関しては、大学時代及び上京直後期にはいろいろなヘアスタイルを楽しんだものだが。)


 この辺で、我が娘のロングヘア「断髪」に話を移そう。

 上記のごとく、子供時代にロングヘアを愚かな親どもより「禁止」されていた私は。
 娘が生まれた事実を大いに喜んだものだ。 これで我が親に対するリベンジが可能だと!?!

それも大いなる歪みである事は認めるものの、実際生まれた女児である我が娘が実に可愛くて、幼少の頃よりお洒落の一端としてヘアスタイルにはこだわっていた。

 我が娘の場合、幼き頃よりクラシックバレエを習わせたのが一番の理由であるが、その練習時にロングヘアを結び頭頂部に団子を作る作業を要したものだ。
 そのクラシックバレエ歴が中学2年まで続行した事もあり、娘自身も自らロングヘアである事を必然的と捉えていたようだ。

 年月が流れ、中2最後にクラシックバレエを辞めても、我が娘は自分の趣味でロングヘアをつい最近まで続けた。
 その理由とは、これまた我が娘教育に於ける「お洒落心」の育成が花開いたものと母の私は自負しているのだが…。


 それでもやはり娘が社会人までに成長し既に3年の年月を経た暁には、「お洒落」を主眼としていられない事実に直面したことだろう。

 2ヶ月前頃に、娘が「ロングヘアを切る!」と私に宣言していた。
 どれ程切るの?  と私が尋ねると…
 娘の回答とは、「今回は、思い切りたい!!」

 そうして昨週末、娘が切って来たヘアスタイルに、正直言って私は愕然とさせられた…

 我が予想以上の“ザン切り”状態だったのだ!!

 ここで、過去に私に浴びせられた高校教員時代の男子生徒達の言葉が我が脳裏に過った……
 「何で切ったの!?」 「女が髪切っちゃダメだよ!」 「もうガッカリだよ…」
 
 それでも、私は娘に告げた。
 「貴方の今回の“覚悟”の程を親の私も受け入れる!」 と。
 我が娘にも何らかの決意や覚悟があってのロングヘアのバッサリ切りだったことだろうと想像した…。 

 その娘本人は今日も足取り軽く、元気に職場へ出かけて行った。
 あの子、もしかしたら職業人4年目の春に及んで、益々自身の仕事を充実せんと志しているのではあるまいか?!?

 なる、単なる“親の欲目”で今回のエッセイをまとめておこう。