(写真は、2010年8月に娘と二人で出かけた韓国ソウルにて開催された「ASIA TOP GALLERY HOTEL ART FAIR SEOUL」のパンフレットより、知人美術家氏のギャラリーページを撮影したもの。)
上記の通り、私は2010年8月に韓国ソウルへ出かけている。
その第一目的は、「ASIA TOP GALLERY HOTEL ART FAIR SEOUL」を観賞することにあった。
その様子を、本エッセイ集2010年9月の「旅行・グルメ」カテゴリー内に公開しているため、以下に要約引用させていただこう。
今回のソウル旅行の最大目的である新羅ホテルに於いて開催された「ASIA TOP GALLERY HOTEL ART FAIR SEOUL」に、予定通り娘と共に足を運んだ。
この新羅ホテルへ我々親子はソウルの地下鉄を利用して向かった。
地下鉄3号線「東大入口」駅を降り立ち、5番出口より地上に出ると「迎賓館」の立派な門が見える。 これをくぐって新羅ホテル構内に入る。
さてアートフェアの会場フロアーに到着し、真っ先に招待状を頂いた 知人の美術家氏 長はるこ氏 が出展する「B-gallery」の部屋へと向かう。
ホテルの3フロアーの客室を利用し、各国から参加した個々のギャラリーが一室ずつを利用し作品を展示している。
今回、アジア各国から参加しているギャラリーは総数で69。 参加国を紹介すると、まず開催国韓国が最多の42ギャラリー。 日本からは長はるこ氏のB-galleryを含めて11。 中国からの参加も多く、台湾、シンガポール、インド、インドネシア等、経済が急激に発展を遂げている国々からの参加が目立った。 そして、米国ニューヨークからの参加もあった。
それぞれのギャラリーがホテルの客室を巧みに利用し、ベッドルームのみならず、玄関、洗面所、収納スペースも展示室に変貌させ独自のギャラリーの世界を演出している。
今回のアートフェアは現代アートの展示であることが特徴だが、まさに今をときめくアジアの新鋭若手の芸術家による作品が各室ギャラリーに数多く展示されていた。
さすがにアジアトップレベルのアートフェアとあって、客室も通路もエレベーターホールも観客でごった返しているのだが、総じて若い世代の観客が多いのは、やはり展示されている作品の斬新さに比例しているのであろう。
このアートフェアを観賞するに先立ち、我々親子はソウル二村(イチョン)にある韓国国立博物館を訪れた。
この国立博物館のコレクションが膨大な数であり、常設展だけでもじっくり観て回ると丸一日を費やしそうだが、我々は時間の都合により駆け足での半日観賞だった。 韓国もちょうど夏休み中のようで、子ども連れの家族や子ども達の団体に多く出くわした。
国立博物館に於いては韓国の歴史を中心とした古代から近代までの所蔵品をはじめ、日本を含めたアジア諸国から収集したコレクションを観賞した。 一方、新羅ホテルでのアートフェアではまさに今を煌く現代アートに触れ、この日は芸術三昧の一日だった。
(以上、本エッセイ集バックナンバーより一部を引用したもの。)
一旦、私見に入ろう。
我々のソウル旅行の主たる目的が、このアートフェア観賞だったことが功を奏したと考えるのだが。
単なる観光地巡りだけではない様々なソウルの社会活動の片鱗を見る事が叶い、実に有意義な旅だった。
そして、このアートフェア会場や国立博物館のみならず、地下鉄や街で出くわしたソウルの人々から沢山の暖かい歓迎を受けたものだ。
実に皆さん親切かつフレンドリーだった。
例えば、地下鉄ホームで現地のご婦人に乗り換え方法を尋ねられた。 母娘二人で行動していると旅行者には見えないのだろう。 我々が日本人旅行者であること告げると、にこやかに「コンニチハ」と挨拶して下さる。 こちらも「こんにちは」と返したものだ。
地下鉄の係員氏も実に親切だった。 乗換路線を駅の路線図で確認していると、駅員氏がわざわざ遠くからやって来て下さって、丁寧な日本語で「どちらへ行くのですか?」と尋ねて下さる。 「○○ホテルまで行きたいのですが。」と応えると、「へえ、その地のホテルに宿泊する日本の方は珍しいですよ!」と驚きつつ、乗り換え案内をして下さったことが懐かしい。
レストランの若者もとても親切。 我々が外貨の単位を一桁間違えて支払いした際に平謝りすると、イケメン係員氏が、おそらくハングル語で「気にしないで!」とのニュアンスの言葉をかけて下さった。
これらは氷山の一角だが、実際何処へ行っても、こちらが失礼な態度を取らない限り相手も必ずや同様の良心的な態度で応えてくれるものだ。 (これはソウルのみならず、世界各国にて経験している事実に基づいた発言だが。)
ここで、本日2019.09.1付朝日新聞朝刊「社説」より、“嫌韓とメディア 反感あおる風潮を憂う”と題する記事の一部を要約して紹介しておこう。
日韓関係をめぐる評論活動が活発になっている。 摩擦が端緒とはいえ、近隣外交の論議が高まるのは結構なことだ。
ただ、最近顕著になっている論じ方には憂慮するべき点が少なくない。 とりわけ、「嫌韓」と呼ばれる韓国への反発を煽るような一部メディアの風潮は、いかがなものか。
日本と朝鮮半島との交わりには深い歴史がある。 その中で、日本が植民地支配をした過去もあった。
争いは双方の国際的な立場を弱め、協調すれば共栄の可能性が高まるのは必然の理である。 ところが一部の論評では、この隣国を感情的に遠ざけるような言葉が多様されている。
日韓関係が悪化する中、あるべき外交を様々な観点から提起するのはメディアの役割だ。 しかし最初から相手国への非難を意図するのでは、建設的な議論につながらない。
政治の責任もむろん重い。 両政府共に相手を責めるのみで、問題があっても善隣関係をめざす原則は語らない。 メディアの追随が、重騒音となって世論を駆り立てるのは危うい。
戦前戦中、各言論機関が国策に沿い、英米などへの敵対心と中国・朝鮮などへの蔑視を国民に植え付けた。 その過ちを繰り返さないためにも、政権との距離感を保ち、冷静な外交議論を促す役割がメディアに求められる。
議論の礎には、あらゆる差別を排し、健全な対外関係を築く視座を揺るがせてはなるまい。
(以上、本日2019.09.16付朝日新聞「社説」より一部を要約引用したもの。)
最後に、私見でまとめよう。
まさに、昨今関係が厳しくならんとしている日韓関係に於いては、上記朝日新聞記事に述べられている“(国際関係に於いて)あらゆる差別を排し、健全な対外関係を築く視座”がまったく欠落している事態に嫌気がさす。
(韓国側の事情はともかくとして)、何故安倍政権がこれ程までに「嫌韓」意識をメディアを通して国民に煽らねばならないのか??、が原左都子にとっても実に不可解だ。
そして、国民の皆さんにもお願いしたいことがある。
一度、実際に隣国へ行かれてはどうか?
いやいや、隣国に対する(意味無き)嫌悪感を抱いて行ったのでは無意味であり、何らの結実もない事だろう。
あくまでも一人間として初心に戻り、こちらこそが謙虚な思いで現地の人々とコミュニケーションする事が叶うのならば、きっと素晴らしい“一期一会”が叶うものと我が経験から推奨申し上げたい。
上記の通り、私は2010年8月に韓国ソウルへ出かけている。
その第一目的は、「ASIA TOP GALLERY HOTEL ART FAIR SEOUL」を観賞することにあった。
その様子を、本エッセイ集2010年9月の「旅行・グルメ」カテゴリー内に公開しているため、以下に要約引用させていただこう。
今回のソウル旅行の最大目的である新羅ホテルに於いて開催された「ASIA TOP GALLERY HOTEL ART FAIR SEOUL」に、予定通り娘と共に足を運んだ。
この新羅ホテルへ我々親子はソウルの地下鉄を利用して向かった。
地下鉄3号線「東大入口」駅を降り立ち、5番出口より地上に出ると「迎賓館」の立派な門が見える。 これをくぐって新羅ホテル構内に入る。
さてアートフェアの会場フロアーに到着し、真っ先に招待状を頂いた 知人の美術家氏 長はるこ氏 が出展する「B-gallery」の部屋へと向かう。
ホテルの3フロアーの客室を利用し、各国から参加した個々のギャラリーが一室ずつを利用し作品を展示している。
今回、アジア各国から参加しているギャラリーは総数で69。 参加国を紹介すると、まず開催国韓国が最多の42ギャラリー。 日本からは長はるこ氏のB-galleryを含めて11。 中国からの参加も多く、台湾、シンガポール、インド、インドネシア等、経済が急激に発展を遂げている国々からの参加が目立った。 そして、米国ニューヨークからの参加もあった。
それぞれのギャラリーがホテルの客室を巧みに利用し、ベッドルームのみならず、玄関、洗面所、収納スペースも展示室に変貌させ独自のギャラリーの世界を演出している。
今回のアートフェアは現代アートの展示であることが特徴だが、まさに今をときめくアジアの新鋭若手の芸術家による作品が各室ギャラリーに数多く展示されていた。
さすがにアジアトップレベルのアートフェアとあって、客室も通路もエレベーターホールも観客でごった返しているのだが、総じて若い世代の観客が多いのは、やはり展示されている作品の斬新さに比例しているのであろう。
このアートフェアを観賞するに先立ち、我々親子はソウル二村(イチョン)にある韓国国立博物館を訪れた。
この国立博物館のコレクションが膨大な数であり、常設展だけでもじっくり観て回ると丸一日を費やしそうだが、我々は時間の都合により駆け足での半日観賞だった。 韓国もちょうど夏休み中のようで、子ども連れの家族や子ども達の団体に多く出くわした。
国立博物館に於いては韓国の歴史を中心とした古代から近代までの所蔵品をはじめ、日本を含めたアジア諸国から収集したコレクションを観賞した。 一方、新羅ホテルでのアートフェアではまさに今を煌く現代アートに触れ、この日は芸術三昧の一日だった。
(以上、本エッセイ集バックナンバーより一部を引用したもの。)
一旦、私見に入ろう。
我々のソウル旅行の主たる目的が、このアートフェア観賞だったことが功を奏したと考えるのだが。
単なる観光地巡りだけではない様々なソウルの社会活動の片鱗を見る事が叶い、実に有意義な旅だった。
そして、このアートフェア会場や国立博物館のみならず、地下鉄や街で出くわしたソウルの人々から沢山の暖かい歓迎を受けたものだ。
実に皆さん親切かつフレンドリーだった。
例えば、地下鉄ホームで現地のご婦人に乗り換え方法を尋ねられた。 母娘二人で行動していると旅行者には見えないのだろう。 我々が日本人旅行者であること告げると、にこやかに「コンニチハ」と挨拶して下さる。 こちらも「こんにちは」と返したものだ。
地下鉄の係員氏も実に親切だった。 乗換路線を駅の路線図で確認していると、駅員氏がわざわざ遠くからやって来て下さって、丁寧な日本語で「どちらへ行くのですか?」と尋ねて下さる。 「○○ホテルまで行きたいのですが。」と応えると、「へえ、その地のホテルに宿泊する日本の方は珍しいですよ!」と驚きつつ、乗り換え案内をして下さったことが懐かしい。
レストランの若者もとても親切。 我々が外貨の単位を一桁間違えて支払いした際に平謝りすると、イケメン係員氏が、おそらくハングル語で「気にしないで!」とのニュアンスの言葉をかけて下さった。
これらは氷山の一角だが、実際何処へ行っても、こちらが失礼な態度を取らない限り相手も必ずや同様の良心的な態度で応えてくれるものだ。 (これはソウルのみならず、世界各国にて経験している事実に基づいた発言だが。)
ここで、本日2019.09.1付朝日新聞朝刊「社説」より、“嫌韓とメディア 反感あおる風潮を憂う”と題する記事の一部を要約して紹介しておこう。
日韓関係をめぐる評論活動が活発になっている。 摩擦が端緒とはいえ、近隣外交の論議が高まるのは結構なことだ。
ただ、最近顕著になっている論じ方には憂慮するべき点が少なくない。 とりわけ、「嫌韓」と呼ばれる韓国への反発を煽るような一部メディアの風潮は、いかがなものか。
日本と朝鮮半島との交わりには深い歴史がある。 その中で、日本が植民地支配をした過去もあった。
争いは双方の国際的な立場を弱め、協調すれば共栄の可能性が高まるのは必然の理である。 ところが一部の論評では、この隣国を感情的に遠ざけるような言葉が多様されている。
日韓関係が悪化する中、あるべき外交を様々な観点から提起するのはメディアの役割だ。 しかし最初から相手国への非難を意図するのでは、建設的な議論につながらない。
政治の責任もむろん重い。 両政府共に相手を責めるのみで、問題があっても善隣関係をめざす原則は語らない。 メディアの追随が、重騒音となって世論を駆り立てるのは危うい。
戦前戦中、各言論機関が国策に沿い、英米などへの敵対心と中国・朝鮮などへの蔑視を国民に植え付けた。 その過ちを繰り返さないためにも、政権との距離感を保ち、冷静な外交議論を促す役割がメディアに求められる。
議論の礎には、あらゆる差別を排し、健全な対外関係を築く視座を揺るがせてはなるまい。
(以上、本日2019.09.16付朝日新聞「社説」より一部を要約引用したもの。)
最後に、私見でまとめよう。
まさに、昨今関係が厳しくならんとしている日韓関係に於いては、上記朝日新聞記事に述べられている“(国際関係に於いて)あらゆる差別を排し、健全な対外関係を築く視座”がまったく欠落している事態に嫌気がさす。
(韓国側の事情はともかくとして)、何故安倍政権がこれ程までに「嫌韓」意識をメディアを通して国民に煽らねばならないのか??、が原左都子にとっても実に不可解だ。
そして、国民の皆さんにもお願いしたいことがある。
一度、実際に隣国へ行かれてはどうか?
いやいや、隣国に対する(意味無き)嫌悪感を抱いて行ったのでは無意味であり、何らの結実もない事だろう。
あくまでも一人間として初心に戻り、こちらこそが謙虚な思いで現地の人々とコミュニケーションする事が叶うのならば、きっと素晴らしい“一期一会”が叶うものと我が経験から推奨申し上げたい。