原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

不動産賃貸業の将来性

2019年09月15日 | 仕事・就職
 原左都子の“職務経歴”は?

 と問われた場合、我が身を立てた2大職業として燦然と「医学」と「教育」が真っ先に思い浮かぶ。

 ところがいつも忘れ去っているのが、表題の「不動産賃貸業」だ。
 私自身の自己所有賃貸不動産物件を20年間、そして現在は義母所有賃貸不動産物件代行管理を任されて既に7,8年の年月が経過している。

 「不動産賃貸業」の特徴とは、何らの問題が発生しなければそれを実施していることすら忘れ、ただ毎月入金される賃貸料の確認を成すのみで済む。
 それ故に、自分自身がそれを実施している事実を忘れ去り易いのだ。

 ところが、一旦トラブルが発生したり賃借人の移動時には当然ながら貸主である物件所有者の意思決定が最優先される事態となる。
 
 現在、義母所有賃貸不動産に関して大きな移動があり、その代行業務に亭主と共に奔走している。
 ただ現在の不動産賃貸は大いにシステムが進化している事実に実に助けられる。


 一方、私が自己所有物件を賃貸し始めた頃には、未だ不動産会社は契約時や更新時にあくまでも賃貸人と賃借人の仲介業務を担当をするとの契約が主流だった。

 この場合、賃借人に恵まれさえすれば、貸主としては実にラクが出来たものだ。

 ところが一旦悪質賃借人に当たってしまうと、大変な目に遭う。
 我が20年間に渡る「不動産賃貸業」歴の最後に、まんまとこれに当たってしまった…

 思い起こす事未だ5年程前、2014年春の事だ。
 新しい賃借人より入居後1が月も経過しない時期に、設備に対してクレームが入った。 その詳細記述は避けるが、貸主としては当然ながら誠意的に設備の交換(費用にして70万円也!)を実施した。 加えて、設備不備による迷惑料と設備交換中のホテル代も要求され、それにもきちんと対応した。
 ところがそれで事が終わらない。 賃借人曰く、新設備の調子が悪いとのことだ。
 この対応には実に難儀させられたのだが、結果としてそれに対する慰謝料を支払う事で何とかけりを付けた。 (参考だが、この件に関しては、不動産仲介業者が“手に負えない”との事で、賃貸人である私に処理を一存された。 加えてこの賃借人、カネを積むと大人しくなるタイプで比較的扱い易かった。

 まだまだ続く。
 今度は、台所に備え付けのオーブンを故障したまま賃貸したことにクレームが来た。 これに関しては入居時の契約事項として、「オーブンが故障している」ことを明記しそれに同意して入居したものとこちらは理解しているにもかかわらず、入居者曰く、「使えないものを修理せずしてそのまま賃貸契約した賃貸人に責任がある」と譲らない。 これまた不動産仲介会社が“手に負えない”とのことで、私一人で悪戦苦闘した挙句、オーブンを撤去して棚に付け替える修理を施した。(費用総額15万円也! やはりカネをかけるとの手段で賃貸人を大人しくさせた。)

 この時に私は決意した。
 もう当該物件の「賃貸借利用」は潮時と。
 そして、この悪質賃貸人のせいで100万円を超過する損失を計上した後、私は「オーナーチェンジ物件として売却」の結論を出した。 30歳時に単独購入し独身時にローン完済をなした物件故に、未練たらたらだったにもかかわらず。
 そうしたところ、賃借女性(私と年齢が変わらない離婚歴のある見た目がとてつもなく老けた女性だったが)が、私に何と言ってきたかと言うと…  「物件をオーナーチェンジで売りに出すのですか? 〇さん(私の事)も事情がおありなのでしょう。」(人の不幸を喜ぶタイプのようなので、そういう事で済ませた。)

 後で物件売買時の担当不動産会社筋より耳にした話だが、この女性、あちこちの賃貸不動産を渡り歩いてはトラブルを起こし、ブラックリストものだとの事だった。 私もこの女性とトラブル対応しつつ、“もしかしたらヤクザ筋では…  との直感があったものだ。
 とにかく損失は大きかったが、物件売却との手段でトラブルメーカーと縁が切れたことに命拾いした感覚だった。


 義母所有賃貸不動産物件に話を戻すならば。
 
 こちらは亭主と共同で代行業務を実施している故に、安心感が強い。 (参考だが、この不動産物件による収入を含めた義母の税務青色申告業務に関しては、税理士資格を半分取得している私が毎年全面的に担当している。)

 しかも上に述べた通り、今現在は不動産仲介会社との契約形態も実に多様化していることに大いに助けられる。
 我が所有物件に関しては一貫して旧態依然とした仲介契約だったが。
 義母の物件は代行して後、「不動産会社全面管理契約」に随時切り替えているが故に、手数料として賃料の何%を支払っておきさえすれば賃借人に一切会う事無くしてすべての事が済むのも大いなるメリットでもある。


 この義母所有不動産賃貸物件は、義母亡き後は順当に我が亭主が相続することとなる。
 (参考だが、東京JR山手線某駅より徒歩圏内の物件だが。)
 
 ただし、物件の耐用年数がある事などは当然ながら我々夫婦も熟知している。
 その耐用年数を鑑みつつの更なる修繕等出費覚悟も、来るべき当然の業務だ。
 
 多面的視野で「不動産賃貸業の将来性」を見据えねば、この業の将来は無い。