(上記のごとく、本エッセイは当該gooブログに先立ち今朝Facebookに先行公開済みです。
参考のため、写真上から、昨日のチェンバロコンサートパンフレットより一部を掲載したもの。 下段左と下段中は文化センター前の森及び文化センターの建物。 そして右下は、先だって廃棄処分した我が愛用品だったエレクトーンD700。)
皆さんは、チェンバロという楽器をご存知であろうか?
弦を「プレクトラム」という爪で弾いて音を出す鍵盤楽器だ。
このチェンバロソロコンサートが、昨日我が家から一駅で行ける場所に存在する文化センターホールにて開催された。
これが、な、な、何と無料コンサートで、申し込みも何も必要無し!
エレクトーン経験があり、現在はフルートにてバッハ組曲演奏等々を楽しんでいる(現在少し休息中だが)私が、行かない訳がないではないか。
そして、ホールまで出かけてみると。
開演前20分頃に到着したにもかかわらず、会場内が既に満員に近づいているではないか!
「無料」に惹かれたのか、あるいは、今回の出演者であるチェンバロ奏者 中村恵美氏が人気者なのか??
私の推測では、はやり前者であろう。 と言うのも、来場者のほとんどが高齢域の人々だったのだが…
さてそのチェンバロ奏者 中村恵美氏は、若き女性音楽家の例外ではなく、実にお美しい。
スリム体型にしてチェンバロを長時間奏でる体力の程も、女性音楽家たちの例外ではない。
しかも昨日の演奏会では、演奏のみならず、楽器チェンバロや演奏曲目の紹介も中村氏ご本人から十二分に解説があったため、私のようなチェンバロ素人にとっても、十分に勉強になった。
それらの中村恵美氏の解説の中から、我が記憶にある情報を少し紹介しよう。
まずは、チェンバロとの楽器に関して。
16世紀頃に初めて作られたチェンバロだが、その頃のチェンバロを「ヒストリカル・チェンバロ」と称するらしい。
それに対し、中村氏が好んで演奏されているのがその後作られた「モダン・チェンバロ」とのことだ。
現在演奏会等で多用されているのは、前者の「ヒストリカル・チェンバロ」なのだそうだが、こちらは音色の切り替えが演奏中に出来ないのが特徴のようだ。
それに対し「モダン・チェンバロ」は演奏中に音色操作が可能で、その操作により多彩な楽曲が演奏可能なため、中村氏はこちらを好んで演奏会に使用しているとのことだ。
この説明を中村氏より拝聴し、我が過去のエレクトーン演奏趣味を思い起こした。
エレクトーンとの楽器も、演奏中に音色やリズムを変える事によりまるでオーケストラのごとくの壮大な演奏が可能な代物なのだが。
この私が“エレクトーンD700”にとことんこだわって購入したのもそれこそが理由だった。
エレクトーンD700は、素人向けとしてはマニュアル機の最高機種(80万円也!)と誉れ高いエレクトーンなのだが、その音色やリズムのバリエーションの程が素晴らしかったものだ。
更には記憶機能も装備されていて、それを駆使する事により一人で右手・左手・右足・左足の総動員により、まさにオーケストラサウンドを作り出せた楽器だ。
当時の私はこれにはまったものだ。
私なりの最高傑作として、当時のテレビヒット番組だった「太陽に吠えろ!テーマ」楽曲を、我が耳で捉えた暗譜により、このエレクトーンD700にて創り上げたものだ。 (この楽曲の録音を今尚カセットテープに保存してあるが、当時その録音を聴いて今は亡き郷里の父親が大絶賛してくれた記憶がある。)
話題を、昨日のチェンバロ演奏に戻そう。
上記写真に昨日の「プログラム」を公開しているが。
その中で、私が一番心を揺さぶられたのは、最後から2曲目のリゲティ作曲「ハンガリアン・ロック」だ。
この楽曲に関しては、演奏者の中村氏から事前に説明があった。
チェンバロと言えば古典音楽をイメージする方々も多い中、現代音楽こそにこのチェンバロを通してに是非ともチャレンジしたく思いそれを実現した、との言及だった。
これが、実に我が耳にも素晴らしく響き渡った。
実に感動的なロックを、チェンバロにて聴かせてもらえたまたとはない経験だった。
それにしても私が(好き嫌いにかからわず)所属せねばならない自治体が、こんな洒落たコンサートを実施している事実に接し今後見捨てたものではないと再認識させて頂いた。
今回のチェンバロコンサートの来席者は、高齢者が9割であったことは冒頭に述べた。
それは良しとして。
あの……。
いくら無料コンサートと言えども、演奏中ずっと居眠り(“いびき”すら聞こえる…)するのならばご自宅にて休まれては如何だろう……
この現象、もしかしたら高齢御夫婦にて来場しているところに問題があるのではなかろうか? どちらかの趣味に付き添って二人で来場しているからのこの失態現象だろう。
誰も誘う人が無い場合、たとえ高齢域であろうがその趣味があるお一人で、素晴らしい演奏を堪能されるべきじゃないのか?!?