原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエのファンになりました!

2019年12月23日 | 芸術


 (写真は、昨日観賞したロシア国立サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエによる 「白鳥の湖(全3幕)」のチラシとキャスト表を転載したもの。)


 冒頭より、ロシア国立サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエに関する情報をネットより引用紹介しよう。
 
 マリインスキー劇場のダンスール・ノーブル、アンドリアン・ファジェーエフが電撃引退してから手塩にかけて育て上げたワガノワ・スタイルの伝統と革新を併せ持つ名劇場。  
 端正なヨーロッパの流れを汲む街並みが印象的な、ロシアの名都市サンクトペテルブルグ。
 そんな芸術の都に、近代バレエの鬼才レオニード・ヤコブソンを冠して名付けられた劇場が佇んでいる。 マリインスキーのプリンシパルとして活躍していたアンドリアン・ファジェーエフが芸術監督として率い、今や世界から愛される注目の劇場。ヤコブソン・バレエという名でも親しまれている。
 (以上、ネット情報より一部を引用したもの。)


 さて、我々母娘が会場へ到着してみると。
 
 クリスマスが近いバレエ公演会場は、予想外に高齢者中心の観客で満員御礼状態だった。😲 
 それもそのはず、今回のバレエ公演は我が家から程近い文化センター大ホールにての開催だった故だろう。 

 観客がお年寄り中心となると、おそらくクラシックバレエに精通していると言うよりも、近くでバレエ公演があるからちょっと覗いてみようか、とのノリでなのであろう。
 案の定、お隣席の高齢男性が途中から居眠りを始める。 ただしバレエ公演の場合は演奏音が大きいため、いびき音がさほど気にならないのが救いだ。😷  
 しかも、感想をいちいち声を出して隣の奥方に伝え始める。 「凄いことやるんだねえ!」 「よくあんなに足が合うねえ」 …  それぞれ、リフトやアクロバティックな踊りに関する評価、及びコールドバレエを見ての感想であろう。
 これが、「つまらない…」だの「もう嫌になった…」だのならこちらこそが興ざめして辟易とさせられるが、すべてプラス評価だったためこれもさほど気にならなかったのにも助けられた。😂 

 ここで、私自身の評価を記そう。

 当該バレエ団公演を鑑賞するのは今回が初めてだったが。
 いやはや、予想通り男女を問わずダンサーの体型が実に素晴らしい! コールドバレエを見ると特にそれが目立つのだが、小顔かつ手足の長いダンサーをこれ程数多く揃えられるのは、はやり“バレエ王国・ロシア”ならではなのだろう。
 いえ、日本のバレエ団も今やそれが叶う程のダンサー人口を誇っているようだが。 ただ男性ダンサーが急増しているとはいえ女性に比して数少なく、コールドバレエに於いては、残念ながら男性ダンサーの体型のばらつきが目立つ場合もある。
 それを普段見慣れている身として、今回のサンクト…公演の一番の好印象が、男性コールドバレエの体型の完璧さだったという訳だ。

 もう一点、サンクト…公演が素晴らしかったと私が評価する特徴は。

 バレエファンの皆様はご存じの通り、「白鳥の湖」はチャイコフスキー三部大作の中で一番公演時間が長い点にあろう。
 私は過去に「全4幕」バーションも観賞した事があるのだが。  途中休憩を3度入れると自ずと開演時間が長時間に及び、その公演は全4時間ほど要したであろうか?  こうなると、特に小さい子ども連れの観客など、子どもの疲労対策に大変となる事を余儀なくされる。  
 そこで、「白鳥の湖・全幕」公演で採用される措置とは。  「舞踏会」場面と「白鳥の湖」場面を二部にまとめ2幕形式にするとの手段であろうか。  この場合、時間短縮の意味では効率が良いのだが、果たして「白鳥の湖」作品を正確に表現出来たかどうかが疑わしいとも言えよう。
 
 そんな中、今回のサンクト…公演の場合、第一部と第二部間に途中休憩を入れない方策にしたことが功を奏したのではなかろうか。  
 全幕を“3幕”に仕上げ、開演時間を3時間以内に納め、尚且つ、バレエ名作を滞りなく完璧に演じ切ったその実力の程を大いに評価申し上げたい。


 最後に、バレエ古典名作「白鳥の湖」のストーリーの一部を、冒頭にて紹介したサンクトペテルブル・アカデミー・バレエ情報より引用させて頂こう。 
 
白鳥の湖 全3幕
≪音楽:P.チャイコフスキー/振付:M.プティパ・L.イワノフ≫
※公演時間:約3時間(休憩あり)
 成人したジークフリート王子のお祝いに、家臣と友人一行は森に狩りにやって来た。 王妃は今度宮殿で開かれる舞踏会で、花嫁となる女性を選ぶように言うが、運命の愛を夢見る王子の心は晴れない。そんな曇った気分を晴らそうと、王子は一人森の奥へ入っていく。
 月が水面に光る湖のほとり。 そこで王子が出会ったのは美しいオデット姫。 オデットは悪魔ロッドバルトの魔法で白鳥に変えられ、夜の間だけ本当の姿に戻ることが出来るのだ。 美しいオデットの魔法を解くことが出来るのは、まだ愛を誓ったことのない青年の真実の愛。 王子はオデットに愛を誓うと約束する。
 宮殿では舞踏会が開かれ、花嫁候補が舞う。 オデットを忘れられないジークフリートの前に、ロットバルトがオデットにそっくりな姿をしたオディールを連れて現れる。オデットと間違え愛を誓ってしまうジークフリート。 ロッドバルトとオディールの高笑いに過ちに気付き、オデットを追って森に入ってゆく・・・


 原左都子の余談だが。
 クラシックバレエ古典作品は、男女の恋愛物語を演じる作品が数多い。 私見だが、それだからこそいつも幾つになっても“夢見る少女”の私は、感情移入できるのかもしれない…???