原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

医療現場の実態を無視した五輪委のうわべだけの「安全・安心」宣言

2021年07月07日 | 時事論評
 東京五輪開催を7月23日に控え、未だに「観客を入れる」ことにこだわり続ける五輪大会組織委員会。


 一都民としては、この信じられない五輪組織委の非常識な選択から如何に逃れるべきか、日々恐怖との闘いを強いられている。


 昨日2021.07.06付朝日新聞夕刊記事「取材考記」、東京科学医療部 枝松氏による “実態無視で突き進む「安全・安心」 五輪、医療現場の葛藤に耳を傾けて” の一部を以下に要約引用しよう。

 新型コロナウィルス感染症への対応に追われる医療現場の
実態を主催者側が無視し、うわべだけの「安全・安心」へ突き進む五輪大会組織員会。
 組織委は、選手村や競技会場に医療者を何人ずつ置くか、どこから派遣してもらうか、詳しい情報を公開していない。 医療現場の声を集め、実態に迫る必要があった。
 組織委から選手用の専門病床を開けておくよう求められた、首都圏の指定病院に取材を申し込むと、匿名を含め複数の病院がそれに応じてくれた。
 聞こえてきたのは、医療現場の実情を理解しない組織委との生々しいやりとりだった。 医師らは「五輪には協力したい」としつつも、葛藤や疑問、反発を抱えた胸の内を語ってくれた。
 競技会場にスタッフを派遣する各病院には、必要と見積もった人数を「もっと減らせないか」と組織委は求めたが、ある医師は「組織委は本当に安全・安心に開催するつもりがあるのか」と反発する。
 首都圏の今の医療現場について、通常のコロナ対応、ワクチン接種への揚力、そして五輪対応によって「三重苦」だという医師がいた。
 組織委の見立て通り、幸いにも大会開催による感染者や負傷者が少なかったとしよう。 しかし、それとは無関係に今、都内の感染状況はリバウンドが顕著で、これからの時期は熱中症患者も増える。
 まだ遅くはない。 政府や組織委は、今からでも医療現場の声に耳を傾けて欲しい。そして少しでも負担を軽くするため、無観客による開催を早く決断するべきだ。

 (以上、朝日新聞昨日夕刊記事の一部を要約引用したもの。)


 以上の記述は、午前中に原左都子が下書きした原稿を記したものだが。


 
  外出先から帰宅して、つい先程見た情報を以下に引用しよう。

 政府の分科会の尾身会長は、東京オリンピック・パラリンピックで会場に関係者を入れるのは最小限にすべきだとの考えを示した。
 分科会・尾身会長「大会関係者が、いわゆる別枠みたいな形で入れるのは、なるべく最小限にすることが、矛盾したメッセージを出さないために非常に重要だと思います」
 このように尾身会長は、東京大会はなるべく小規模にするとともに、大会関係者は、一部の必要な人を除いて、会場に入れるのは最小限にすべきだとした。 そのうえで、多くの人に感染が拡大しないような行動を求めている中で、東京大会の会場の映像に、観客や大会関係者が入っている様子が映ることは、矛盾したメッセージを送ることになるとして、あらためて、無観客が望ましいとの考えを示した。

 (以上、政府分科会尾身会長のご意見を引用したもの。)



 原左都子の私見でまとめよう。

 この国、いつから医師よりも政治家が偉くなってしまったのか!??

 政府側の不可思議な言い分こそが偏見に満ち溢れている事実を十分承知しつつの発言だが。

 私の場合、実際医学部で学業に励み実習を鍛錬してきた立場にして、それをご指導いただいた医師先生達への恩恵こそ感じても、その方々に"盾突こう”との感覚は今尚一切ない。

 その立場から物申すに。
 菅氏が、尾身氏の貴重なアドバイスを聴けない(聴いて受け入れる能力が欠落してる)事実こそが危険極まりないのではなかろうか?

 とにもかくにも、五輪開催はすぐそこまで来ている。
 
 今すぐの判断が国民を救うとの切羽詰まったこの現状段階に於いて。
 政権トップの菅氏の“無観客”との勇断に是非とも期待申し上げたい。