(冒頭写真は、原左都子 2度目の大学時代に学んだ「民法Ⅰ」講義ノートより、「権利の乱用」のページを転載したもの。)
大学にて「民法」を学んだ経験がおありの方々はご経験されているだろうが。 民法学習の初期段階で 「宇奈月温泉事件」に触れない訳が無い程に、この事件名称は著名である。
その「宇奈月温泉事件」が、2023.05.09付朝日新聞夕刊記事に写真付きで取り上げられていた。 以下に、一部を引用しよう。
朝日新聞記事より転載したもの。
権利を振りかざしてあなたを害する人物や出来事をよけ、良い縁を結ぶ。 そんなお守りが、トロッコ電車で有名な黒部峡谷にある宇奈月温泉で生まれた。 その名も「権利ノ濫用除お守り」。 モチーフになったのは法律を学んだ多くの人が知る歴史的事件だ。
今年100周年を迎えた宇奈月温泉は1923年に開湯し、黒部川上流の温泉から引湯菅(木管)で湯を運んでいた。 しかし、木管がかすめる約2坪の土地について、利用の承諾を得ていなかったという。(中略)
このことを知った人物が土地を購入し、温泉を運営する黒部鉄道に対し、木管を撤去するか、隣接する土地を含めて高額で買い取るよう要求。
黒部鉄道が断ると、木管の撤去と立ち入り禁止を求める訴えを起こした。 最高裁の前身である大審院は35年、双方の利益を比べ、土地所有者が権利を行使する目的を踏まえて、「権利の濫用」として訴えを退けた。
いわゆる「宇奈月温泉木管事件」だ。 某民法講師は、「民法の基本書などでは最初の方に登場し、法律を学ぶ人なら知っていて当然の事件」と話す。(中略)
宇奈月ダム湖の湖畔には、事件の舞台であることを示す石碑があり、今の法学生や専門家が訪れる「聖地」だ。 だが、宇奈月温泉観光局の某氏は「学術的価値が認められているものの、一般的には知られていなかった」と話す。 (中略)
訪れた人に広く喜んでもらえる御土産ができないか。 議論の末に生まれたのが宇奈月神社の「お守り」だった。
(以下略すが、以上朝日新聞記事より一部を引用したもの。)
話題を、冒頭の原左都子2度目の大学にて学んだ際の「民法Ⅰ」の授業に戻そう。
この授業を担当して下さったのは、私(当時既に30代前半期)とさほど年齢が変わらないと思しき助教授の男性先生だ。
この方 お若いにもかかわらず、とてもしっかりした授業をきちんとなされるのが印象的な助教授だった。 (我が2度目の大学は規模は大きくなかったが、教授陣が厳選されているというのか、中身の濃い授業を展開される人材に恵まれていた感がある。)
上記授業ノートは、当然ながら“聞き取り書き”であるが。 毎時間まさに充実した内容の濃い授業を提供して下さったものだ。
「宇奈月温泉事件」に話題を戻すと。
この私も旅行好きであり、国内外を問わず数多くの旅に出ていたが。
この「宇奈月温泉」が国内に実在していた事実に関しては、初めて耳にした。😵
担当助教授の授業内容の中身は濃かったが、残念ながら、この宇奈月温泉に関する説明が一言も無かった故だ。
我が感想だが、それがあるとこの事件に対する更なる興味が抱け、“権利濫用の禁止”をもっと身近に捉えることが叶っただろうに…、と多少残念だった。
そんな我が思いに対し。
本日この朝日新聞に触れることが叶い、今更ながら「宇奈月温泉事件」の真相を手に取るように知ることが叶って、感動ものだった。😃 ✨✨
さて、そうなると、だ。
宇奈月温泉現地へ行くのは、いつになるやら不明だが。
いつかは宇奈月温泉を訪れ、この「権利ノ濫用除お守り」をゲットしたくもなるなあ。